ホンダが世界初の「レベル3」搭載車発売、高速渋滞時に動画視聴も

ホンダが世界初の「レベル3」搭載車発売、高速渋滞時に動画視聴も

ホンダは4日、自動運転機能「レベル3」を搭載した高級セダン「レジェンド」を5日に発売すると発表した。高速道路での渋滞時にシステムが運転操作を担い、ドライバーは視線を前方から外して動画視聴などができる機能で、レベル3搭載車の市販化は世界初となる。

本田技術研究所エグゼクティブチーフエンジニアの杉本洋一氏はこの日の発表会で、レベル3搭載車の市販化について「事故ゼロ社会の実現に向けた非常に大きな一歩。事故原因であるヒューマンエラーを排除できる可能性がある」と指摘した。

レジェンドは国内で初めてエアバッグも採用するなど安全技術をいち早く搭載してきたモデルだが、高級車でもある。リース専用車として100台限定の生産・販売で、メーカー希望価格は1100万円(税込み)。今後は、より低価格の他車種への展開も視野に「技術を必ず普及させたい」と語った。

自動運転の装置は国が認める資格者による整備が必要。日本本部長の寺谷公良氏は、機能の丁寧な説明や定期的な点検・メンテナンスのために台数を限定しており「当面の増産・増販は考えていない」と説明。ユーザーの意見を参考にして「将来に向けていろいろ検討していく」と述べた。

各社が自動運転技術の開発に力を入れているが、現在販売されている日産自動車の「プロパイロット2.0」や米テスラの「オートパイロット」などの技術はすべてレベル2に属する。レベル2と3の間には高い技術的な壁がある。ホンダはレベル3搭載車を他社に先駆けて投入することで自動運転や電動化などでの出遅れ感を払拭し、「技術のホンダ」としての存在感を高めたい考え。

運転自動化のレベルは5段階に分かれる。レベル2までは運転操作の主体がドライバーで、システムはあくまでも「運転支援」にとどまり、システムの作動状況や周辺の交通環境などの監視義務はドライバー側にある。事故が起きた場合はドライバーの責任になる。一方、レベル3は一定条件下でシステムがドライバーに代わって運転操作でき、その間の監視義務はシステム側にあり、システムによる事故は自動車メーカーの責任となる。

ホンダのレベル3では、機能作動時に強い雨や雪による悪天候ではないこと、高速道路での渋滞時であることなど一定の条件が必要だが、ドライバーが前を見ていなくても、システムがアクセル、ブレーキ、ハンドルを操作してくれる機能を時速約30キロ以下から作動させることができる。作動開始後は時速約50キロ以下であることが求められる。センサーが車両の位置や状態を認識し、自動運転ができる条件かどうかを車に搭載した全球測位衛星システムなどが判断する。

作動中は、システムが先行車の車速変化に合わせて車間距離を保ちながら同一車線内を走行したり、停車・再発進したりする。ドライバーはスマートフォンの操作、モニターで動画視聴や目的地の検索もできる。システムからドライバーに運転操作を戻すなどの際に、ドライバーがシステムからの操作要求に応じ続けなかった場合は、左車線へ車線変更しながら減速・停車を支援し、警告音を強めてシートベルトを振動させるなどしてドライバーに合図を出す機能も備える。

レベル3を巡っては、日本政府が昨年4月に法改正を実施し、世界に先駆けて日本の公道での走行が可能になった。昨年11月には国土交通省がレベル3対応車としてレジェンドの販売を初めて認可した。ただ、海外ではドライバーも不要なレベル4以上の開発や法整備が進んでおり、競争はさらに激化しそうだ。

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