新型コロナ「5類」引き下げ 専門医「感染力は強いまま、早期発見が大事」
新型コロナの分類が8日から「5類」に引き下げられました。今後の生活にどのような影響が出るのか。感染症のエキスパートで公立陶生病院の武藤義和医師に話を伺いました。
厚生労働省によりますと、体調が悪いと感じたときの対処方法は状況に応じて2つのパターンがあります。
1つ目は国が承認した検査キットで検査することです。検査結果が陽性だった場合は、自宅などで療養を行います。
2つ目は医療機関に連絡し、受診することです。受診する際にはマスクを着用します。
「地域にもよると思うが、基本的に元気な人であれば、病院に受診せずに検査キットという選択肢もあるし、愛知県とかではまず医療機関に相談したうえで、医療機関できちんとした精密検査を受けることが多いと思う」(公立陶生病院 武藤義和 医師)
武藤医師はコロナの感染力について、デルタ株とオミクロン株では異なると話します。
「次から次へと重症というイメージから、患者はすごい数だが、重症化や入院するケースがいなくなってきたという印象なので、リスクの高い人は入院するが、若い人はまずしない。感染力が強いという印象は消えていない」(武藤医師)
5類に引き下げられたことで変わったことのひとつに療養期間があります。
外出の自粛については、要請から推奨になりました。
また、期間も短縮され、発症日の翌日から7日間が5日間に変わりました。
「感染力は強いまま・早期発見が大事」
同居する家族などが陽性となっても、保健所から新型コロナの濃厚接触者として特定されることはなくなりました。
「多くの方が免疫をもっている。守る側の力があるので広がりにくくなっている。そういうのが緩和にかかわってくる」(武藤医師)
「一般の方からすると、行動制限がかけられなくなるから、いろんなことができるようになる。それはうれしいことではないかと。一方で医療現場とすると、その方が本来は感染させる必要はなかった人に感染させてしまう行動をすることがある」(武藤医師)
濃厚接触者という考え方はなくなりますが、武藤医師は「感染力は強いまま」と話し、早期発見が大事だと言います。
「インフルエンザでもそうだが、広げないと考えることが一番いいのかなと思う。早く見つけること。これが本当に大事で、若い人でも早く見つけることができればほかの人に広げなくて済む、重症化リスクの人は早く見つければ早く治療に行ける、重症化しないことは誰にとっても幸せ。なので我々としてはすぐに検査したり、療養したりすることをすすめている」
外来と検査は原則自己負担
これまで医療費は外来・入院・検査で自己負担がありませんでした。
しかし、8日からは外来と検査は原則自己負担となり、入院も9月末までは最大2万円の補助はありますが、自己負担になります。
自己負担になりますが、武藤医師は季節性インフルエンザと負担は大きく変わらないと言います。
「普通の感染症になることから、解熱剤とか症状に対する薬・診療費などを入れると4000円前後というのはどの病気も同じ。季節性インフルエンザになると、タミフルが出るので薬代が出るが、新型コロナウイルスの場合は、薬代に関しては9月までは無料が続く。現時点では抗ウイルス薬、タミフルなどをもらうよりも安くなる可能性もる」(武藤医師)
すべての医療機関での対応を目指し順次拡大へ
これまでは指定の医療機関のみ外来・入院を受け入れていましたが、これからはすべての病院での対応を目指し順次拡大していくということです。
医療機関の数が拡大することで、医療機関は受診を断ることはできなくなります。
愛知県では感染が拡大した場合、重症病床146床を含め、最大で1590床の病床を確保します。
武藤医師はすべての医療機関で診察できるようになれば、医療体制のひっ迫や崩壊にはならないと期待しています。
「療養・検査・治療」が大事
ことし1月には、1日あたりの感染者は1万5000人を超えていましたが、5月7日には863人まで減少しました。
これまで感染者の数は自治体から毎日発表されていましたが、インフルエンザと同様に定点観測となって週1回の発表になります。
ウイルスが増えるスピードは速いため、感染の動向の把握が遅れると、武藤医師は「みなさんの行動意識を変えることに1週間2週間ズレが出てしまうので、どうしても山の立ち上がりのピークが遅れることが想定される」と懸念しています。
8日からコロナは5類に引き下げられましたが、武藤医師はコロナとの向き合い方が大事だといいます。
「若い人でも早く見つければ感染を広げずに済む。高齢者も早期発見できちんと治療が受けられる。そういう社会になれば普通の病気と思うので、体調が悪いときは無理することなく、きちんと療養する、検査をする、治療するのが大事」
