早稲田大発「エコロギー」 カンボジアで食用コオロギ量産
栄養価が高く肉の代替タンパク源として期待される食用コオロギで、食品ロスの削減と農家の副業創出を両立させた海外での量産モデルが注目を集めている。この量産モデルは、早稲田大発のエコロギー(東京都新宿区)が暖かく飼育に適したカンボジアで構築した。雑食で成長が早いというコオロギの特性を十分に生かしたものだ。
葦苅晟矢(あしかりせいや)代表取締役(29)が、コオロギを食する文化があり、飼育農家もいるカンボジアに目を付け、2019(平成31)年4月に移住してつくり上げた。
初めてのカンボジアで、わずかな人脈を頼りに信頼関係を築き、首都プノンペンの南に位置するタケオ州に60軒の零細農家を確保するに至った。ノウハウを伝え、年間12~15トン分のコオロギを生産する。「収穫」したコオロギは同州で粉末加工後、日本の食品衛生基準に適したものにするため日本の委託先に送る。
餌は現地の食品工場やレストランなどから提供される廃棄食品を活用。育てられたコオロギは全て買い取る。卵から収穫まで約45日周期なので農家には年8回の現金収入機会が生まれ、稲作などの副業として歓迎されている。
廃棄食品の回収で環境問題をクリアし、コオロギの生産委託で農家の安定収入に貢献する。こうしたESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みが認められて3月、世界の起業家ネットワーク、起業家機構(EO)の日本支部が主催する「EO ESG AWARD2023」で最優秀賞を受賞した。
「生き物が大好き」だった葦苅氏は学生時代、国際問題の議論で取り上げた食料危機をきっかけにコオロギを10匹ほど集めて自宅で飼育。すると半年後に約千匹に繁殖した。飼育の容易さと繁殖力に驚き、「世界の食の課題を解決できる」と実感したという。その後、コオロギの生態を本格的に研究するため早大大学院先進理工学研究科の門をたたき、そこでの研究成果を基に起業した。
自社製品は爬虫(はちゅう)類用ペットフード「レオバイト」だけだったが、2月に食品ブランド第1弾として板チョコ「ecoco(エココ)」を自社サイトで売り出した。2種類あり、ハイカカオチョコが1430円、キャラメルナッツチョコが1980円(いずれも税込み)。「ゲテモノ」イメージが先行するコオロギを食べることへの抵抗感をなくすため、多くの人が好むチョコを選んだ。
亜鉛や鉄分などミネラルに加え、腸の健康を保つ不溶性食物繊維が豊富なことにも着目し、健康補助食品「グリロプロテイン」を製品化、4月から試験販売を始めた。葦苅氏は「コオロギ由来の食品は環境負荷低減だからといって食べることを強制できるわけではない。食べて健康になるという利点を訴える方が市場開拓に有効」と話す。
今後、健康食品の開発に注力する考えで、28(令和10)年にはカンボジアでの委託農家を千軒以上に増やし、年間100トン規模の生産を目指す。(松岡健夫)
エコロギー 平成29年12月設立。葦苅晟矢氏は滞在するカンボジアから経営を指揮する。独自の食品加工技術を持つ日本ハイドロパウテック(新潟県長岡市)との業務提携で、衛生的で安全なコオロギ粉末を生産できるようになった。日本の食品メーカーへの販売にも乗り出している。社員数は11人(カンボジア現地スタッフも含む)。業績は非公表。
やがて来るだろう世界の食糧危機への対策として、昆虫食が注目を集めています。
栄養価が高く環境への負荷も少ないことから、国連食糧農業機関(FAO)も推奨。
まだ抵抗感をもつ人も多い食材ですが、無印良品は徳島大学と連携してコオロギ粉末入りのチョコとせんべいを開発しました。
地球にやさしい未来食です。
人口増加と食糧の確保
2050年には世界人口が100億人になることが予想されています。そのため、重要な栄養素であるたんぱく質を確保することが重要な課題とされています。そこで、家畜の代替えとしての昆虫食が注目され始めています。
昆虫食と栄養素
昆虫は主な動物性たんぱく資源の家畜と同じく、主要な栄養素を多く体内に含むため、栄養素を効率よく摂取することができます。
環境への負荷
昆虫を生育する際の温室効果ガス排出量や必要な水やエサの量は、一般的な家畜と比べて圧倒的に少なく、環境負荷も軽減されると言われています。
コオロギチョコ
消費税込220円
無印良品のコオロギチョコは、徳島大学の研究をベースに量産された食用コオロギを使用しています。
コオロギパウダー以外に、大豆パフ、きなこなど、の大豆由来の素材を加え、1本当たりのたんぱく質約15gと高たんぱくに仕上げました。
甘さ控えめのミルクチョコはオレンジ果汁パウダーがアクセントになっており、大豆パフがたっぷり入っているので、ザクザクとした食感が特長です。
コオロギせんべい
消費税込220円
無印良品のコオロギせんべいは、徳島大学の研究をベースに量産された食用コオロギを使用しています。
おいしく食べていただけるよう、コオロギをパウダー状にしてせんべいに練りこみ、コオロギの味を活かすために余計な原料を使わず、シンプルな配合にしました。
エビのような香ばしい風味が特長です。
もっと知りたいコオロギのこと
どんなコオロギなの?
沖縄や奄美大島に生息する「フタホシコオロギ」という熱帯性コオロギです。徳島大学での研究で食用に適しているとされています。
野生のコオロギではないの?
全て衛生的に安全な環境で飼育したコオロギを使っています。野生のコオロギでは、どういう環境で育ち、何を食べたか等、安全面の担保ができない為です。
食用になるくらいたくさん飼育ができるの?
熱帯性のコオロギなので、温度や湿度を一定に保つことで通年産卵させることが出来ます。このノウハウによって、食用に使用する量を生産することが出来ます。
どんな味がするの?
香ばしいエビのような味がします。ちなみに「エビは海の昆虫、コオロギは陸のエビ」とも言われて、生物学的にも近しい関係です。
アレルギー物質は入っていますか?
食用コオロギパウダーは、えびやカニなどの甲殻類と類似した成分が含まれています。えびやカニのアレルギーをお持ちの方はお控えください。
コオロギせんべいは、 徳島大学発ベンチャーとの取り組みから生まれました。
無印良品は世界の急激な人口増による、今後の食糧確保と環境問題などの課題を考えるきっかけになればという思いから、昆虫食先進国のフィンランドを訪問するなど情報収集を行ってきました。
その結果、コオロギ研究の第一人者である徳島大学大学院 兼 徳島大学発ベンチャーCEO 渡邉崇人博士と協業し、コオロギを食材とするための取り組みを始めました。
徳島大学でコオロギの研究を開始したのは約30年前のことです。
渡邉崇人博士は2016年からコオロギの応用研究として、コオロギの食用としての研究を開始しました。
①栄養素・アレルギーなど安全に関する研究
②大量安定供給の実用化
が主な研究内容です。
こういったコオロギに関する豊冨な知見に加え、無印良品の原料特性を生かした商品開発・安心安全な商品製造など、徳島大学発ベンチャーとノウハウを共有しながら環境問題への提案とおいしい昆虫食の開発を行います。
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