庶民の味「粉もん」また値上げの動き、小麦粉・鶏卵の高騰止まらず…店側の我慢も「限界」
大阪の食を代表する「粉もん」で、昨年に続いて値上げの動きが出始めている。材料として欠かせない小麦粉に加え、価格の優等生と言われてきた鶏卵も高騰しているからだ。庶民の味として親しまれてきただけに、何とか値上げ幅を抑えようと店側も頭を悩ませている。
お好み焼き店「鶴橋風月」を展開するイデア(大阪市)は4月7日から、2022年4月に続き商品の値上げに踏み切った。人気の「チーたまぶたモダン」は税込み1680円となり、2度の値上げ幅は150円になった。担当者は「粉もんとしてあまり高額にはできない。レシピや仕入れの見直しなどでコストを削減したい」と説明する。
お好み焼きチェーン「千房」(大阪市)も、今年5月にほぼ全商品を再値上げする予定だ。値上げ幅は昨年6月と同じ20~50円になる見込みという。高槻阪急支店では、お好み焼きに使用する豚バラ肉の枚数を3枚から2・5枚に減らすことなども選択肢に入れる。堀内昭宏店長は「小麦、油、マヨネーズ。全ての材料が値上がりしており、お店としても限界状態が続いている」と険しい表情を見せる。
背景には、昨年からお好み焼きやたこ焼きなど、粉もんに不可欠な原材料価格の上昇が止まらない事情がある。
ロシアがウクライナに侵略した昨年2月以降、輸入小麦が値上がりし、光熱費も上がった。日本銀行が公表した企業間で取引される今年3月のモノの価格指数(国内企業物価指数)は、小麦粉が前年同月比12・8%、都市ガスは33・9%それぞれ上昇した。
それに鶏卵価格の高騰が追い打ちをかけている。飼料価格の上昇に加え、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大の影響で、需給が 逼迫(ひっぱく)している。鶏卵卸大手のJA全農たまごによると、3月の平均卸価格は2か月連続で過去最高を更新した。
こうした状況で、再値上げをためらう店もある。たこ焼きチェーンの「甲賀流」(大阪市)では、マヨネーズだけで年間200万円のコスト増につながっている。昨年同期に比べ、原価率が1割程度上がっているという。田中由弘社長は「昨年1月に値上げしており、庶民の味として求めやすい価格は守りたい」と話す。
