国産新車が続々値上げ! メーカーは収益改善も「ディーラー」に重くのしかかる負担とは
国産車の値上げ幅はいずれも数万円
日産ノートに続き、ホンダがN-BOX、フリードそしてステップワゴンの値上げを行うことを発表した。事業年度が2023年度に切り替わったこともあり、今後も新車価格の値上げは目立ってきそうな気配もある。
すでに車両価格の値上げを行っている輸入車は1回の値上げで数十万円アップも珍しくない。これは欧州などから完成車を日本に運ぶ輸送船の費用などの負担が大きくなっていることがあり、値上げ幅も大きくなっているようだ。一方で今回のノートやホンダ3車の値上げ幅はいずれも数万円レベルとなっている。企業努力などで値上げ幅を最大限抑え込んだともいえるのだが、販売現場をまわるとそうとも言い切れない空気にあふれていた。
まずは、値上げを実施する時期。販売現場で聞くとホンダではメーカーが公表しているとおりに4月21日より新価格になるとのこと。しかし、これは受注日カウントになる。つまり、注文書を交わした車両の納車予定時期ではなく、4月20日までに注文書を交わせば値上げ前価格となり、4月21日以降に注文書を交わせば新価格になるそうだ。
一方の日産は販売現場に対して、いつから新価格に切り替えるという具体的な日付の指示はきていないとのこと。「おおむねゴールデンウイーク明けになるのでは」などと、ある意味あやふやな答えが返ってくる。実際に本稿執筆時点(4月上旬)に注文書を交わしても、納車は早くても6月ぐらいになってしまうので新価格(値上げ後)の価格で見積りを出しているとのことだが、一般論でいけばいつから値上げしますという『値上げ日』がはっきりして、それまでに買えば(新車なら注文書を交わす)値上げ前価格で買えると考えるのだが、その前提の値上げ実施日がはっきりしていないようなのだ。
ホンダにしても、しばらくは旧価格と新価格、それぞれでの受注車両が混在しながら納車作業が進むことになり、いらぬトラブルを招きかねない。「数万円という値上げ幅がポイントになります。数十万円の値上げならばそのままお客さんに負担してもらわなければならないのですが、数万円ですとメーカーではなくディーラーで値上げ分を被ることも可能といえます。つまり値上げ分を値引きで差し引いてしまうということです」とは事情通。つまり、商談中に値上げでお客とゴタゴタしてしまった場合、当然メーカーから指示があるわけはないが、「値上げ分は値引きアップで」といった対応を可能とする余地を残しているとも見ることができるのだ。事実、販売現場では値上げ分を被ることはある程度覚悟しているようだと事情通は語ってくれた。
メーカーからディーラーへの出荷価格はすでに上がっているとの話もある。車両価格の値上げはあくまでメーカーの論理で進むようで、値上げしても販売現場の収益悪化はますます進むことにもなりかねないようにも見えてしまう。
