リーマン級「大不況」がやってくる…「SVB破綻」でこれから起こりうる「ヤバすぎる事態」

リーマン級「大不況」がやってくる…「SVB破綻」でこれから起こりうる「ヤバすぎる事態」

 欧米で急拡大している、金融機関に対する信用不安。このまま連鎖倒産が続けば、やがて2008年のリーマン・ショック級の世界的大不況が訪れると予想する人もいる。はたして、日本経済はこれからどこに向かうのだろうか。

「既視感」を覚える流れ

 「一連の銀行破綻では、FDIC(米連邦預金保険公社)が預金の全額保護の方針をいち早く表明したため、その後、事態は沈静したかのように見えました。

 しかし、油断はできません。なぜなら今回起きたような取り付け騒ぎが今後、他の銀行でも起きるリスクがあるからです」

 こう懸念を示すのは、ペンシルベニア大学教授(金融学)のイタマール・ドレクスラー氏である。

 アメリカの銀行が経営破綻、しかもその規模は米銀史上2番目―。全世界のマーケットを揺るがす今回の「利上げ金融危機」が発生したのは、3月10日のことだった。

 総資産2090億ドル(約28兆円)のシリコンバレー銀行(カリフォルニア州/以下、SVB)が破綻すると、3月初めの時点で3万3400ドルを超えていたNYダウ平均株価は、3万1500ドルを割り込むまで下落。その煽りを受け、上昇基調にあった日経平均株価も2万8623円から一時2万6600円台へと続落した。

 その一方で3月15日には、かねて経営不安がささやかれていたスイスの大手金融機関クレディ・スイスに対し、筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加出資しないことを発表。すると欧州市場ではクレディ・スイスをはじめとする金融株が軒並み下落し、全世界的な市場の混乱が巻き起こった。

 こうした流れに「既視感を覚える」というのは、経済アナリストの中原圭介氏だ。

 「2007年8月、フランス大手銀行のBNPパリバが、同行傘下の投資信託の解約を凍結する『パリバ・ショック』が起こりました。その際、株価が1~2週間下がったあと、すぐに戻したのですが、年が明けた2008年1月に再び株価が大きく下がり、3月には米証券大手のベア・スターンズが破綻。

 当時のFRB(米連邦準備制度理事会)議長のベン・バーナンキ氏は、『これで最後』『この問題は終わり』と発言していたにもかかわらず、同年9月、リーマン・ショックにつながりました。

 その時とアメリカの大手金融機関を取り巻く状況や規制、今回破綻した銀行との規模に違いはありますが、一連の流れにはデジャブを感じます」

SVB破綻の経緯

 はたしてその流れはどこへ向かうのか。行方を探るには、発端となったSVB破綻の背景を振り返っておく必要がある。

 破綻の要因としてまず挙げられるのが、同行の不安定な財務状況だ。前出のドレクスラー氏が説明する。

 「SVBは顧客から集めた預金の大半を長期の米国債に投資し、運用していました。ところが昨年以降、進行するインフレを抑えるべく、FRBが断続的に利上げを実行した結果、国債の価格が下落。同行は多額の含み損を抱えていたのです」

 本来、時価で評価される債券の保有割合は、一定の割合に収めなければいけなかった。

 「それにもかかわらず、SVBは安易に債券投資に走ってしまった。いくら安全資産と目されているとはいえ、ポートフォリオに対して債券比率が高いのは、やはり危ないということなのです」(経済評論家の加谷珪一氏)

 破綻のもうひとつの要因は、SVBの顧客の多くがIT関連の中小企業だった、という点だ。彼らは運転資金や従業員の給料を、いつでも引き出せる同行の普通口座に預金していた。

 その一方、今年に入ってからというもの、グーグル親会社のアルファベット、フェイスブックを運営するメタ、アマゾン、マイクロソフトといった大手を含む米IT業界では、大規模な人員削減が進んでいた。

 経営不振に陥り、預金を取り崩そうとするIT企業が増える中、SVBがその資金として保有する国債の売却損と新たな増資計画を3月8日に発表すると、同行に対する信用不安が一気に拡大。SVBの動きを危惧した著名投資家やベンチャーキャピタリストたちがツイッターで警告した結果、それがスラックなどプライベートなSNSでどんどん拡散されていった。

 「週刊現代」2023年3月25日号より

 このまま金融機関の破綻が続けば、日本経済への悪影響も避けられない。もし2008年の「リーマン・ショック」級の大不況が起こったら、日本はどうなるのか。後編記事『日本の地銀が「大崩壊」の末路…米・銀行の「連鎖倒産」でリーマン級「大不況」がやってくる』では、今後の日本経済の「最悪のシナリオ」を見通してみる。

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