きょうからマスク着用ルール緩和 屋外・屋内ともに個人の判断で
13日からマスクの着用ルールが緩和され、屋外・屋内ともに個人の判断に委ねられます。
厚生労働省は、マスクを屋外では原則はずし、屋内では原則つけるよう呼びかけていましたが、13日からは、屋外・屋内ともに「個人の判断に委ねる」ことが基本となります。
厚労省は、高齢者や重症化リスクが高い人への感染を防ぐために、医療機関を受診するときや、医療機関や高齢者施設を訪問するときなどは、マスク着用を推奨しています。また、高齢者施設の従業員などに着用を求めるほか、事業者が、必要な場合に、従業員などに着用を求めることもできます。
各航空会社は、機内や空港内でのマスク着用を、乗客・従業員ともに個人の判断に委ねるとしています。
鉄道では、JR東日本やJR東海は、在来線・新幹線ともにラッシュの時間帯も含め、乗客のマスク着用は個人の判断に委ね、接客をする従業員の着用は続けるということです。
また、文部科学省は学校について、学年末にあたることなどから、今月末までは従来通り着用を求め、4月1日以降の新学期からは基本的にマスク着用を求めないとするガイドラインを、今月中に示す方針です。
マスク着脱判断のヒントは? 子どもは? 福岡・飯塚病院感染症科部長らに聞く
政府の新型コロナウイルス感染症対策の方針が改定され、マスク着用が13日から「個人の判断」に委ねられる。日常生活でマスクの着脱を判断するヒントを、福岡県飯塚市の飯塚病院感染症科の的野多加志部長に聞いた。 (聞き手は長松院ゆりか)
■飯塚病院感染症科 的野部長
-なぜこのタイミングで、マスク着用の基準が緩和されたのか
コロナに感染した場合、重症化するリスクが高い高齢者のワクチン接種率(3回)が全国で9割を超え、感染者を治療するための内服薬の供給も安定してきたからと考えます。
昨年8月ごろの第7波では、県内でも感染者数が爆発的に増え、過去最多に上りました。感染者数が多いので死亡者数が増えていることが注目されましたが、実は死亡率を見ると下がっています。
つまり、感染しても重症化の予防と治療が徐々にできるようになったと言えます。この現状を受け、今のタイミングでの判断になったと思います。
-日本は海外に比べて、マスクを外すことについて慎重に見える
皆さんの中には、「既にマスクをしていない国もあるのに、なぜ日本はこんなに遅いのだろう」と思う方もいるかもしれませんが、それは日本が世界の中でも高齢化が特に進んだ国だからです。
感染対策として最も有効とされるのはマスクの着用と飛沫(ひまつ)が飛ばない距離を保つことです。感染したら重症化するリスクが高い高齢者の割合が多い日本で、マスクの着用が長期化するのは「人の命を守る」という点で自然と言えます。
-13日からマスク着用は原則個人の判断に委ねられる。着脱を判断する上でのポイントは
まず、医療機関や高齢者施設、混雑した公共交通機関などでは、今までと同じように必ずマスクを着用してください。それ以外で、着脱を判断する時には、マスクの二つの役割を理解しておくと役に立ちます。
一つ目は、自分を守る役割です。高齢者や基礎疾患がある人、妊婦など重症化リスクが高い人は、命を守るためにも13日以降も着用を続けましょう。
もう一つは、他人を守る役割です。重症化リスクが高くない人も、自分が感染した場合、それが周囲にどう影響するかを考えることが重要です。コロナはインフルエンザとは違い、感染しても無症状の人がいます。重症化リスクが高い人に会う機会が日常的に多い人や、近い日に会う予定がある人は着用しましょう。
-3年間続いたマスク生活が変わる時期とも捉えられる。これからの新型コロナウイルスとの向き合い方や考え方で重要なことは
マスクの着用を不自由に感じない人は着用したままで大丈夫です。外したい人は、自分と周囲の状況を見極めて外すようにしてください。マスクの着用はあくまで個人の判断であり、その背景にはそれぞれの事情があります。他人に自分の考えを強要しない、人権的配慮の意識を持つようにしましょう。
政府は、学校において4月から基本的にマスクの着用を求めないとするなど、子どもを取り巻く環境も変わる。同病院小児科の田中祥一朗医師に配慮すべき点などを尋ねた。
-マスク生活の長期化や習慣化は、子どもの心身の発達にどう影響する
長期的な研究が必要ですが、さまざまな影響が考えられます。その一つが、コミュニケーションの発達です。子どもは大人の表情や口の動きを見て、会話のためのスキルを日常的に学びます。0~3歳は大人の口元を見て言葉を獲得し、4~10歳は表情を見て相手の気持ちを考えることを自然と学習するとされます。コロナ禍ではその機会が不足しがちで、言葉やコミュニケーションの発達が遅れる可能性が考えられます。
そのほかにも、マスクの着用で息苦しく感じる子どもは口呼吸をするため、口が乾き、口腔(こうくう)内環境が悪化する可能性があります。虫歯になったり、歯並びが悪化したりするリスクが高まります。
-子どもとの接し方で気をつけることは
重要なのは「子ども目線」です。感染対策をしながら、大人にはない発達への影響にも気を配りましょう。マスクを着用しない場面がこれまでより増えると思いますが、子どもが「外したくない」という意思表示をすれば、それを尊重することが大切です。
「個人の判断」初日、岸田氏はマスクなしで官邸入り 首相になって初
新型コロナウイルス対策としてのマスク着用が「個人の判断」に委ねられるようになった13日朝、岸田文雄首相がマスクをしないで首相官邸に現れた。2021年10月に首相になってから初めて。自身の今後の着用について、記者団に「マスクを外す場面が増えると考えている」と述べた。
首相は、マスク着用に関する政府の方針については「個々人の着脱を強制するものではない」と説明。「高齢者施設を訪れるなど、重症化リスクの高い方々への配慮という点においては着用をお願いする」と話した。
政府は国民に、医療機関の受診時や、医療機関や高齢者施設への訪問時、通勤ラッシュなど混雑した電車やバスに乗車する時のみ、マスクの着用を推奨している。首相は「より具体的な説明で、多くの国民の皆さんが戸惑わない形で、しっかり発信をしていくことが重要だ」とも話した。
