テスラの「自動運転」の名称は法律違反、カリフォルニアで新法施行
カリフォルニア州は、2023年の年初に新たな法律を施行し、自動車メーカーとディーラーに対し、「部分的な自動運転」を「完全な自動運転」と謳うような詐欺的なマーケティングを避けるよう求めている。
しかし、これまでのところ、テスラはその規則を無視し続けている模様だ。同社は、自社の車両が完全な自動運転ではないことを認めているにもかかわらず、「フル・セルフドライビング」という名称の機能を、カリフォルニア州の顧客に売り込んでいる。
昨年9月にギャビン・ニューサム知事によって署名されたこの法律は、メーカーやディーラーが、マーケティング資料において、「部分的な自動運転化機能」もしくは「運転操作の一部を自動化する機能」を持つ車両が、「自動運転車」として機能すると消費者を信じ込ませる表現を用いてはならない、と定めている。
また、ディーラーやメーカーに対し、部分的な自動運転の機能とその限界を明確に説明するよう指示している。
しかし、テスラは1月4日現在、カリフォルニア在住の顧客がウェブサイトから車両を注文する場合、1万5000ドルの「フル・セルフドライビングのオプション」を追加するかどうかを尋ねている。サイトでは「現在有効な機能は、ドライバーの監視を必要とするもので、車両を自律走行させるものではない」と注記しているが、「フル・セルフドライビング」の名称を使い続けること自体が、新法に違反していると思われる。
「テスラのソフトは素晴らしい運転支援ソフトだが、自動運転のソフトではない。この機能をフル・セルフドライビングと称してマーケティングすることは、明らかに誤解を与える」と、自動運転技術のマーケティングに関する規則の強化を推進する団体、Chamber of ProgressのCEOのAdam Kovacevichは述べている。
カリフォルニア州の自動車局(DMV)はフォーブスの取材に、「メーカーやディーラーに対し新たな法律の内容と、それを遵守しない場合に起こりうる影響について説明する通知を送付する」と回答した。
DMVはテスラの誤解を招く広告を2022年7月に告発
DMVはまた、新法の施行に先立ち、「フル・セルフドライビング」という用語の使用と「オートパイロット」という表現に関連して、テスラの誤解を招く広告を2022年7月に告発したと述べている。DMVは現在、この告発の手続き途中の段階にあり、それが完了するまでの間、この件についてコメントできないとしている。
テスラは、この件に関するコメント要請に応じなかった。
カリフォルニア州の新たな規則は、この種のものとしては米国で初めてのもので、ドライバーの自動運転機能に対する誤解や混乱を防ぐために作られたものだ。現在、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)は、テスラの部分的な自動運転機能による死亡事故を含む数十件の事故を検証している。
■最大4500万ドルの罰金
テスラは、ドライバーに対し、常に道路状況を監視し、車をコントロールできるように準備することが必要であると通知しているが、テスラの愛好家たちは、自動運転機能のメリットを誇張する内容の動画を、SNSなどに盛んに投稿している。
ワシントンに拠点を置くChamber of Progressによると、カリフォルニア州のマーケティングの規制に違反した場合、一つの違反につき最高250ドルの罰金が科される可能性があるという。テスラがマーケティングの表現を改めず、今年上半期のカリフォルニア州での販売台数を2022年の同時期と同じ数に維持した場合、同社は最大4500万ドル(約60億円)の罰金に直面すると、Chamber of Progressは試算している。
テスラがその機能を表現するために「オートパイロット」と「フル・セルフドライビング」という用語を使用していることに関する論争は、何年も前にさかのぼる。マスクの主張とは裏腹に、テスラのエンジニアや弁護士は以前、州や連邦政府の規制当局に対し、「これらの機能は実際には自動運転ではない」と説明していた。
