アウディR8に最終モデル V10エンジンの「RWD GT」登場 2023年生産終了
333台限定の最終モデル
アウディは、スーパーカーR8の最終モデルとして「R8 RWD GT」を発表した。R8は来年に生産を終了する予定。
R8 RWD GTは、ランボルギーニ・ウラカンと共通の5.2L V10エンジンを搭載する後輪駆動モデルで、世界333台の限定生産となる。価格は20万ポンド(約3200万円)を超えると予想されている
最高出力は620psに引き上げられたほか、シフトチェンジの高速化を実現。0-100km/h加速3.4秒、最高時速320km/hに達する。
さらに、7段階に調整可能なリアのトラクションコントロール・システムが新たに搭載された。「トルク・リア・ドライブ」と呼ばれるモードを実装し、設定により後輪の滑りやすさを変更できる。
また、ホイール、アクセルペダル、ステアリングラック、ECUに取り付けられたセンサーからのデータをもとに、路面状況や走行シーンに応じてリアアクスルのパワーを自動的に調整する。
アウディによると、軽量20インチホイール、セラミックブレーキディスク、炭素繊維強化プラスチック製フロントアンチロールバー、アルミニウム製カップリングロッドにより、約20kgの軽量化(車重1570kg)を達成したという。
先代R8のGTモデルと同様、マットカラーのスズカ・グレーが標準仕様となっている。ブラックバッジ、カーボントリム、レッドのシートベルト、アルカンターラのダイヤモンドヘッドライナー、センターコンソールのビルドプレートが標準モデルとの違いを際立たせる。
アウディR8後継 EVとして2025年頃発売へ 象徴的スーパーカーはどう進化する?
アウディのフラッグシップモデル、R8の後継となるEVが2025年頃にデビューする見通し。車名やデザインを変えつつ、ブランドの象徴としてどのように進化するのか。アウディ・スポーツの幹部に話を聞きました。
8後継 車名とデザインが変わる?
アウディR8の後継モデルは、2025年頃の発売に向けて準備が進められている。フラッグシップの刷新と同時に、アウディをEVの先駆者として市場に認識してもらう狙いがある。
アウディの関係者によると、まだ正式には発売が決定していないものの、開発作業はかなり進行しているという。車名も「R8」ではなくなり、デザインも刷新され、長年親しまれてきたモデルとは異なるものになるだろう。
現行モデルのR8は2023年末に生産が終了すると考えられており、最終モデルとして「R8 RWD GT(仮称)」が今年末に公開される見込みである。
その具体的な内容について、アウディ・スポーツのマネージング・ディレクターであるセバスチャン・グラムスは、「わたし達が目指しているのは、究極のレース感覚にできる限り近づけることです」と語っている。また、RWD GTの部品の60%がGT3スペックに近いという。
R8は、EVのeトロンGTおよびRS eトロンGTとともに、ドイツにあるアウディ・スポーツの工場で生産されている。ここは、アウディの生産技術の最前線と考えられており、すでにハイエンド電動モデルの生産に向けた準備が整っている施設だ。
主に手作業でR8を生産しているチームは、現行モデルの生産終了後も工場に残り、eトロンGTの仕事に割り当てられるだろう。しかし、数年以内にR8後継モデルの生産に向けて十分な訓練と準備が行われる見通し。なぜなら、アウディは新しいフラッグシップスポーツカーの特徴として、ハンドビルドの要素を残そうとしているからだ。
グラムスはこう語っている。「クラフトマンシップは他社とは一線を画すものですから、絶対に残します。もしR8の後継モデルを出すのであれば、これを続けるように努力するつもりです。お客様にとって重要なことです。R8の中には愛があるのです」
ポルシェの技術も注入 差別化は
プラットフォームとしてはさまざまな選択肢が考えられる。スポーツカーに関する経験を鑑みると、ポルシェの手が入ったものを使用する可能性が最も高い。例えば、ポルシェが最近明らかにしたSSPスポーツ・プラットフォームは、現在ポルシェ・タイカンとアウディeトロンGTに使用されているJ1プラットフォームの後継となるものだ。
もう1つ採用の可能性があるのは、718ボクスター/ケイマンの次期EV向けに開発しているスポーツカー専用プラットフォームだ。このプラットフォームは、バッテリーをシートの後ろに垂直に積むことで低重心と最適な重量配分を実現し、ミドエンジン車のようなハンドリング特性の模倣を目指している。ミドエンジン車であるR8の電動後継モデルでも同様の役割を果たせる可能性があるのだ。
グラムスはプラットフォームについて明言を避けたが、「フォルクスワーゲン・グループ内で、同じプラットフォームを使いながら、eトロンGTはタイカンとは非常に異なるモデルです」と開発手腕に自信を見せた。
RS eトロンGTは、0-100km/h加速3.3秒、最高出力646ps、航続距離約380km、急速充電機能を備えている。アウディ・スポーツのポテンシャルを垣間見せるモデルと言えるだろう。R8の後継モデルは、この数値を上回るだけでなく、サーキット走行に十分なパワーと航続距離を持つ必要がある。そのためには、より高密度のバッテリーを搭載することになると思われる。
グラムスは、次のように語っている。
「電動モデルでRSの『愛』を生み出すことが可能であることは、すでに証明されています。eトロンGTでは、販売の60%がRSです」
「わたし達は、内燃エンジンの世界でやっているように、クルマを差別化したいのです。お客様は、デザイン、ボディワーク、シャシー、パフォーマンスなど、他のモデルとの差別化を求めています。RS eトロンGTは、ライバルのひしめく中で、(EVの)先駆者となりました」
アウディ・スポーツならではの体験
EVは電気モーターのトルクによる加速が特徴的で、あらゆる市販EVが加速力の高さを謳っている。そんな中、将来の電動RSモデルをどのように差別化するかについて、グラムスは次のように話す。
「EVの技術的な側面で、もっとできることがあると考えています。また、RSモデルに関連したデジタル体験、つまり車内のルック・アンド・フィールをお客様がカスタマイズできるようにする必要があります」
「RS eトロンGTでは、内燃エンジンの世界とは比較にならない、非常にユニークなサウンドを実現しています。わたし達はこのサウンドをユニークなものにする必要があると考え、サウンドエンジニアリングに注力しました。ほかにも、特別な走行モードも考えられます。チャンスは無限にあるのです」
「初代R8のときのように、わたし達は勇気をもって行動しなければなりません。革新的でなければならないし、電気の世界やデジタル化へと移行していかなければならないのです」
アウディは主力ラインナップを2026年からEVのみにする計画で、その先陣を切るR8後継モデルのデビューのタイミングは慎重に検討されている。
次期モデルについて、グラムスはこう語っている。「わたし達はさまざまな種類のコンセプトを検討していますが、電動化の方向性に変わりはありません。もしわたしの望みが叶うなら、電動化されたR8がいいですね。そして、スーパースポーツカーを作るなら、2ドアのコンセプトです」
アウディ・スポーツの人気モデルとして、新型TTも検討されている。グラムスは、「TTについても検討している」としつつ、「象徴的な存在ですね。でも今のところは、R8後継モデルに焦点を当てています」と述べた。
