榊原委員長「みんなで車を造っていない」日野自動車会見8月2日
日野自動車は2日午後、記者会見を行った。
※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)」に対応しております。
本日の進行説明
男性:本日の会見に当たりまして、会場内の皆さまにはお手元に資料を準備させていただいております。オンライン参加の皆さまは、弊社公式ウェブサイトにてご覧いただけます。なお、本日、会見者はマスクを外してご説明させていただきますが、会場内では感染対策を行っておりますので、あらかじめご了承ください。本日の進行は2部構成となっております。まずは特別調査委員会からのご説明と質疑応答、終了後、15分ほど休憩を挟みまして、日野自動車からの説明と質疑応答となります。
司会:これより、第1部の会見を始めさせていただきます。本日は急なご案内を申し上げ、申し訳ございませんでした。私は本日の進行を務めさせていただきます、日野自動車広報担当の橋本です。それでは、本日の会見者を紹介いたします。特別調査委員会、榊原一夫委員長でございます。島本誠委員でございます。沖田美恵子委員でございます。
本会見の進行ですが、まずは榊原委員長よりご説明を申し上げ、その後、皆さまからのご質問をお受けしたいと存じます。それでは榊原委員長、よろしくお願いいたします。
明らかになった不正行為は3点
榊原:まず私のほうから、日野自動車の排出ガスおよび燃費に関する認証申請における不正行為について、調査結果の概要を説明いたします。
まずは調査の概要ですけれども、調査期間は2022年3月11日から7月31日です。その間、開催いたしました委員会の回数は33回。この間のヒアリングの対象者は合計101名、延べ243回であります。そのほか従業員のアンケートを実施し、2084通の回答を得ております。これに加えまして、関係資料やメールデータの収集、精査、分析を実施いたしました。
その結果、調査によって明らかになった不正行為は、大きく分けて以下の3点であります。1つは排出ガスに関する不正行為。2つ目は燃費に関する不正行為。3つ目は2016年5月、国交省から道路運送車両法に基づき、認証取得時の排出ガス、燃費試験における不適切な事案の有無について報告を求められた際、不適切な事案はなかった旨の虚偽の回答を行ったことの3つでございます。最後の3つ目につきましては、2016年問題としてお話ししてまいります。これらの不正行為について、順次説明いたします。
まず排出ガスに関する不正行為ですが、排出ガスに関する不正行為は、主として劣化耐久試験の実施に関するものであります。このうちのオンロードエンジンについてですが、日野ではオンロードエンジンの劣化耐久試験をE6規制対応から行うようになり、その頃から不正行為が行われておりました。当委員会で個別具体的な劣化耐久試験の不正を認定できましたのは、E8規制対応およびE9規制対応において行われたものであります。
具体的な行為としては、劣化耐久試験を実施しない、測定点とは異なる時点で排出ガスの測定を行う、測定結果を書き換える、後処理装置の一部である第2マフラーを交換するなどの不正行為が認められました。
次に、オフロードエンジンについてですけれども、日野では3次規制から劣化耐久試験を実施するようになったところ、3.5次規制対応の劣化耐久試験から不正が行われるようになりました。当委員会で個別具体的な劣化耐久試験の不正を認定できましたのは、4次規制についてであります。
具体的な行為といたしましては、各測定点で排出ガスの測定を多数回実施した上で、恣意的に数値を選択する、測定点とは異なる時点で排出ガスの測定を行う、測定結果を書き換えるなどの不正行為が認められました。
1000時間時点の数値を125時間・1000時間・2000時間時点に振り分け
劣化耐久試験における不正行為について、分かりやすい具体例を示して説明いたします。お手元の図、あるいはスクリーンに映し出されている図をご覧ください。この図のうち、実際の測定データは右側の表であります。この表にあるように、2017年6月30日から2018年1月16日までの間、耐久試験が行われました。そして耐久時間0時間の時点で2回、耐久時間1000時間時点で8回、耐久時間2000時間の時点で4回の測定が行われていることが分かると思います。
これに対しまして、左側の表は劣化補正係数の算出のために用いられたものであります。右側の表から左側の表に矢印が出ておりますように、実際に測定したデータのうち、1000時間時点で測定した8回の数値を左側の表の125時間の時点、1000時間の時点、2000時間の時点に振り分けております。測定日も転記した先で実際とは異なる測定日、耐久時間に変更しておりました。
振り分けました右側の表の8回のNOx値は、おおむね規制値内の0.02グラム・パー・キロワット・アワー前後であり、この数値を3回の測定点に振り分けますと、エンジンを稼働させた時間を経過してもほとんど劣化しないとの結果が得られることがお分かりいただけると思います。また、その結果として推計される8000時間時点でのNOx値の数値も、規制値内に収まることになります。これが具体例であります。
次に、燃費に関する不正行為について説明いたします。燃費に関しては、オフロードエンジンでは不正行為は確認されておらず、オンロードエンジンについてのみ、次のとおりの不正行為が確認されました。
データ書き換えなどで、試験の適切実施を装った
重量車につきましては、2006年度から燃費に関する2015年度目標を達成した車両について、自動車取得税軽減措置が講じられることになり、以後、制度の変遷はあるものの、燃費の良い車両については減税措置が講じられたり、購入時に補助金が支出されるなどのインセンティブ制度が導入されました。そこで日野自動車では2005年11月、当時副社長を退任して技監となっていました元役員の指示をきっかけに、当時のE7規制対応の大型エンジン、E13Cなどについて、2015年度目標の達成を目指すこととなりました。
しかし、実際には2015年度目標の達成を、2015年度目標には大幅に未達、すなわち達成できていない状況にありながら、役員がその達成を強く求めるなどしたため、開発担当者らは2005年12月下旬ごろ、開発担当の専務取締役および副社長に対し、目標達成見込みであるという報告をしたものの、その後適切な対応をしないままでありました。
2006年4月、パワートレーン実験部の担当者らは、燃料流量計校正値を燃費に有利となるよう操作するなどの不正行為を行い、諸元値を達成したとの結果を得ました。その後のエンジン開発においても同様の不正行為が繰り返されたことが認められております。本問題発覚後に、日野自動車において検証したE13Cの諸元値は、実際の燃費の実力との乖離幅はスクリーンの表にあるとおりであります。E7規制からE9規制にかけて、乖離幅が次第に大きくなっていることが分かると思います。
次に、2016年問題について説明いたします。国交省は2016年4月、自動車メーカー各社に対し、認証取得時の排出ガス、燃費試験において、その実施方法に不適切な事案がないかを調査の上報告するように求めました。これに対し日野は、当時適用されていたE8規制について、その認証取得時の排出ガス、燃費の試験状況調査の上、不適切な事案はなかった旨の調査結果を報告しました。しかしながら、報告に当たり、E8規制対応時の認証試験データの一部について、存在が確認できなかったり、データから得られる結果と、認証申請時とが食い違っていたりするなどしたため、資料収集に当たってパワートレーン実験部の担当者は認証申請時に合わせた試験データを作出したり、データを書き換えるなどして、当時の認証試験が適切に実施されていたかのように装ったものであります。
これらの不正行為についての真因分析と、日野に向けた提言について説明いたします。当委員会は、本問題の真因を次の3つと考えております。1つ目は、みんなで車を造っていないこと。2つ目は、世の中の変化に取り残されていること。3つ目は、業務をマネジメントする仕組みが軽視されていたことであります。
世の中の変化に取り残されている
1つ目の真因であります、みんなで車を造っていないということからは、セクショナリズムが強く、組織が縦割りで、部分最適の発想にとらわれて、全体最適を追求できていない。職業的懐疑心や批判的精神に基づいて、開発のプロジェクトにおいて自由闊達な議論をしていない。能力やリソースに関して、現場と経営陣の認識に断絶がある。法規に関する情報収集をする部署、品質保証部門や、品質管理部門の位置付けや関わりが、みんなで車を造るという発想になっていない、などの現象が生じていました。
2つ目の、世の中の変化に取り残されているとは、過去の成功体験の大きさ故に、変化することや、自らを客観視することができず、外部環境や価値観の変化に気付かなかったということであり、この真因からは上意下達の気風が強過ぎ、上に物を言えない、できないことをできないと言えないという、風通しの悪い組織となっています。過去の成功体験を引きずり、できないことや、過去の過ちを認めることができない。また、問題点を指摘すると、自ら解決を担当させられて、他部署の助けが得られない。開発プロセスに対するチェック機能が不十分などの減少が発生していました。
3つ目の、業務をマネジメントする仕組みが軽視されていたという真因からは、開発プロセスの移行可否の判定が曖昧でありました。パワートレーン実験部が開発業務と認証業務の双方を担当していた、規定やマニュアル類の整備が十分ではなかった、役員クラスと現場との間に適切な権限分配がなされていないなどの現象が発生していました。
これらを受けて、当委員会としては日野に対し目指すべき車造りの在り方について議論を尽くすこと、品質保証部門の役割の明確化と機能強化、法規やルールの改正動向の把握と社内展開、開発におけるQMSを適切に構築し、その有効性を絶えずチェックし、必要であれば改善することなどを提言いたしました。私からの説明は以上です。
司会:それでは、続きまして質疑応答に移らせていただきます。できるだけ多くの皆さまからご質問を頂戴したいと思いますので、まずは1人2問でお願いいたします。最初に、会場でご参加の方から指名をさせていただきます。挙手をしていただき、ご指名されましたら、スタッフがマイクをお渡しにまいります。ご所属とお名前をお伝えいただき、ご質問を開始してください。それでは、質問のある方は挙手をお願いいたします。それでは、真ん中の列の一番前の方、お願いいたします。
エンジン開発の技術力が不足しているのでは?
日経クロステック:日経クロステックの近岡と申します。よろしくお願いいたします。島本さんにお伺いしたいんですけれども、これって率直に言うと、日野自動車にエンジン開発の技術力が不足しているからっていうことじゃないんでしょうかっていうのが1点です。
もう1つは、お伺いしていると、できないと言えないとか、役員の方が無理に、なんて言うんですかね、開発を進めさせたっていうような、いわゆるパワハラと思われる事案を感じられるんですけれど、実際、日野自動車ではパワハラ体質っていうものがあったんでしょうか。以上です。
島本:じゃあ最初のご質問にお答えします。日野の、日野自動車のエンジンの技術力っていうことと今回のものっていうのは必ずしも直接つながっているというふうには考えておりません。今回の主に行われた劣化耐久における不正っていうのは、技術力がないからそこに至ったというよりも、適切なプロセス管理ができていないとか、そういうどちらかというとマネジメント系の課題のほうが大きいというふうに考えております。
もう1つは、規制の目標値に到達するためにエンジン部門だけではなくて車両トータルで開発ができていない。これはお手元の資料の中にも真因として書かせていただきましたけど、排ガスの目標値を達成するには、いろんな手法があるんですが、それを組織全体としてできていないということを課題として挙げさせていただいています。
技術力があれば不正に走る理由がないのでは
日経クロステック:すいません、今のご回答に対してなんですけど、そもそも技術力があるのであれば不正に走る理由なんてないんじゃないんですか。燃費が現実にこれ、あれですよね、規制値を満たしていない、排ガスにしても燃費にしても規制値を満たしていないわけですよね。規制値を満たすっていうのはエンジンの開発者にとって、これ釈迦に説法ですけど、とてもすごい大変なお仕事だと思います。私もそこはもうリスペクトしてるんですけど、でもこれ、結局これだけ未達ってことは技術力がないっていう証しじゃないんですか。プロセスさえ見直せばできるものなんですか。
島本:排ガス技術っていうのは、対応技術っていうのはそう単純なものではなくて、車両全体のいろんな技術の集合体として、そういうものを集積して目標に到達するんですけれども、その全体の目標に到達するためのプロセスを構築していくとか、いろんな組織が協力し合って目標に向かっていくとか、そういうことがあればできるレベルなんですね。だからもっと難しいところへいこうと思うとさらなる技術力って話になると思うんですが、今回の時点で言えばそういうレベルではないというふうに考えています。
あと2番目は、これも私からでいいのかな。パワハラ体質があったかなかったかっていうご質問ですけれども、これは報告書のほうに記載させていただいたように、ある程度のものっていうのがあったという認定はさせていただいています。企業風土として下から上に物が言えないっていう、そういう企業風土も影響して、上司の指示・命令に対して上意下達になっていたというところはわれわれの調査の中でも認定をさせていただいています。以上です。
日経クロステック:そうするとプロセスの問題であり、それをつかさどるマネジメントの問題であるっていうことですかね。
島本:そうですね。開発のプロセスマネジメントの課題っていうのもありますし、それをマネジメントする企業としての組織風土であるとか体質とか、そういうところが大きく関わってるというふうに考えております。
日経クロステック:ありがとうございました。
司会:それでは一番向こうの一番前の方、お願いいたします。
経営層はどこまで知っていたのか
日本経済新聞:日本経済新聞の【ヤマダ 00:20:45】と申します。1点目が排ガスと燃費の不正についてなんですけれども、これパワートレーン実験部の担当者らが不正行為を行っていたというふうにありますが、元役員の指示とかも出てくるので経営層レベルとしてはどこまで知っていた、関知していたものなのか、その不正の組織性はどれぐらいあるかっていうのをどういうふうに見ていらっしゃるでしょうかっていうのが1点目です。
2点目が2016年問題について、これも担当者レベルであくまで適切にやったというふうに装って、経営層はそれをそのまま出してしまった、つまり知らなかったのか、それとも2016年のこの問題のときも不適切であることを知った上でそういう報告を虚偽でしていたのか。この2点を教えてください。
榊原:最初の、経営層の認識の問題ですけれども、実際に不正行為を具体的・個別的に認識していたのはパワートレーン実験部の人たちですが、それ以外の役職員について、その上のほうの役職員につきましては、個別具体的な不正行為を認識していたと認めるに足りる証拠は見つかりませんでした。
当時の経営陣が認識していた可能性はあるのか
それから同じように2016年問題につきましても、担当者レベルの認識にとどまっておりまして、その上の役員などの認識を認めるに足りる証拠は見当たりませんでした。われわれもそういった役員、経営層がそういった認識を持っていたのかどうかについてはやはり重要なポイントだというふうに考えて、多くの人たちのヒアリングを実施したり、あるいは議事録などを精査したり、メールなどやりとりしているものについて精査したりしまして、その点の解明に努めましたけれども、今、申し上げましたように、パワートレーン実験部以外の上のほうの役員、それから経営層についての認識を認めるに足りる証拠は認められませんでしたという結果です。
日本経済新聞:すいません、排ガスと燃費のほうについて補足で伺いたいんですが、個別具体的な事案としては認識してなかったけれども、なんらか不正があっただろうっていうことは当時の経営陣は認識していた可能性があるのか、そこについてはどうでしょう。
榊原:その点につきましても、そういった可能性について認識してたというふうに認められるような証拠は見当たらなかったということです。当時の役員の人たちがまったく問題がなかったのかといいますと、先ほどの概要説明のところで申し上げましたように、そういったきっかけとしての指示っていいますか、燃費についてこういう目標を達成しようということについて強い指示がありまして、そういったきっかけでなかなか開発のスケジュールが逼迫していたりとか、そういう開発計画がうまくいかなかったりとかいうことで追い込まれて、担当部署であったパワートレーン実験部がこういった不正行為を行ったんですけれども、そういうことに立ち至った条件につきましてはやっぱり相互にチェックする体制が弱かったりとか、開発スケジュールについて十分な配慮ができなかったりとかっていうことについて、その他の部署の人、あるいは役員の人たちについては問題があったのではないかというふうに認識しております。
日本経済新聞:ありがとうございます。
司会:それでは一番向こうの後ろから3列目の方お願いします。
「不正が潜在化して温存されていった」日野自動車会見8月2日
日野自動車は2日午後、記者会見を行った。
※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)」に対応しております。
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不正を生んだ背景に組織体制の変化があるのか
朝日新聞:朝日新聞の千葉と申します。燃費不正のところで、始まったきっかけが2005年の元役員ですか、の指示がきっかけというところについてお伺いしたいんですけども、なんでこの時期にそういうことがあったのかっていうことを、もう少し掘り下げてお伺いしたいという趣旨なんですが。日野自動車は2001年にトヨタ自動車の子会社になりまして、そのあとから社長がトヨタ自動車からやってきて、かなり組織体制も変わってきた時期に当たると思います。ちょうどこの時期は、赤字体制から脱却して、さらに営業利益を上げていこうというような時期だったと思うんですけれども、それが2005年にこの不正が始まったということなんですけど、そういう組織のガバナンスの変化とか、組織体制の変化みたいなものがこういう不正を生むような背景としてあったのかどうか、その辺りの関係性についてはどういうふうにご覧になっていますでしょうか。これが1点目です。
榊原:2005年に燃費の不正が起こったきっかけっていいますのは、先ほどもご説明しましたように、2015年度の燃費目標について、税制のインセンティブが入ったということで、それを目指して燃費を良くしていこうということがきっかけであったと思います。
長期間不正が続いたことの背景に何があるのか
もう1つの2001年ですかね、親会社がトヨタになったというふうなことが、体制の変化がどう影響しているのかという点につきましては、そういう親会社がトヨタになったということが直接不正行為に結び付いた、影響を与えたようなことについての証拠は認められませんでした。
朝日新聞:2点目なんですけども、2005年に始まったあと、E7、E8、E9と規制が変わるタイミングがあったと思うんですけど、そのタイミングでこういう不正を正して、また元に戻すっていうタイミングでもあったかなと思うんですけど、それをせずにそのまま不正が続いちゃった、長期間にわたって不正が続いちゃったっていうことの背景というのは、どのようにご覧になっていますでしょうか。
榊原:最初に始まったときに、やはりパワートレーン実験部のほうでそういう不正行為を行ったわけなんですけれども、そういったことは、自分たちの不正行為が行ったこと、なかなか他の部署に話をできないっていうことで、自分たちから発信できなかったというのが1つ。
それから、問題として、品質保証とか品質管理部門があるんですけれども、そういったところでの開発段階、あるいは出荷の段階での相互チェックの機能が弱かったために、そういった不正が行われていることを発見できなかった。そのために、そういう不正が潜在化して温存されていったと。それで継続する結果になったというふうにみております。
司会1:では次、どなたかご質問。それでは後ろから2番目の方、お願いいたします。
不正行為が始まったのは何年何月か
読売新聞:読売新聞の【ナカムラ 00:28:04】と申します。よろしくお願いいたします。排ガスのところでちょっとお伺いをしたいんですけど、記載のありますE6、E8、E9といったような規制の名前が書かれているんですけど、それぞれの規制が始まった年は分かるんですけれども、具体的に不正行為が始まったのが何年、もっと言うと何月というふうに認定できるのかを教えていただきたいのが1点目です。まずそちらからお願いします。
榊原:E6規制が始まったのは2003年。2003年から適用開始ですんで、エンジンの開発はそれより前の段階になりますから、2000。
沖田:今のご質問ですけども、E6規制は2003年10月から適用開始の規制となっております。なので、それまでには認証申請を終えていかなければいけないと。そうしないと2003年10月以降、出荷できないということになりますので、それまでに開発を終えて認証を取得したということは確認しておりますけども、今ちょっとすいません、手元でどの機種を何月何日に申請したかということまでは、ちょっと手元にデータがございません。
読売新聞:ということになりますと、少なくとも2003年10月より前から不正は行われていたという認識でよろしいんでしょうか。
沖田:E6について、そうだと思います。
読売新聞:分かりました。2点目なんですけれども、燃費のほうで不正の記載、「燃料流量校正値を燃費に有利となるよう操作するなどの不正行為を行い」とあるんですけれども、これは日野さんの中だけでやる検査なのか、それとも国交省の方が立ち会ったりする検査なのかというと、どちらになるんでしょうか。
担当者が数値を自由にいじってしまった
島本:燃料流量計の検定っていうのは、専門のメーカーさんが流量検定を行いますので、校正自体は外部メーカーによる校正が行われているというふうに思います。その燃料流量の校正値自体は、日野自動車の中で機器を操作することによって変えれるような状況になっておりましたので、担当者が数値を自由にというとおかしいですが、いじってしまったということです。
読売新聞:つまりそこには、別に国交省の方が立ち会って検査をするようなことではなかったっていう。
島本:はい。そういうことです。
沖田:今のご質問は、認証取得時のご質問かと思うんですけども。
島本:あ、検定ではない?
沖田:検定のことですか。
読売新聞:「燃料流量校正値を燃費に有利となるよう操作するなどの不正行為を行い」というところについてです。
島本:あ、すいません。私が今ご説明したのは、燃料流量計の校正を行う、要は正確性を検定するときのお話で、ご質問の意味は。
読売新聞:この2006年4月、5ページの2段落目の最初のところに書いてあるところなんですが。
島本:あ、じゃあそれは。
沖田:どの5ページかしら。おそらく、認証取得時のお話をされているんだと思うんですけども、認証取得の方法、詳細報告書にはございますけども2つありまして、1つは審査官立ち会いの下で行う、今、国交省というお話がありましたけども、正確に言うと自動車審査部の独法のほうの審査官の方が来られて、立ち会いの下に行う認証立ち会い試験と報告書で呼んでおりますけども、こちらについては立ち会い官の方の立ち会いがございます。
もう1つは、認証社内試験と呼びまして、一部認証、社内だけで行う試験を認証試験の一部として行うことも認められておりまして、そのときは審査官の立ち会いというのはございません。
燃料流量校正値をいじった行為、燃費に有利なほうに変更した行為については、両方の試験において認められています。その行為が認められているということです。
読売新聞:つまり立ち会ってた試験でも不正があったと認められているということですか。
沖田:はい。ただ、その場で校正値をいじるわけではありませんので、事前にいじっておいて試験を受けたということです。
読売新聞:分かりました。ありがとうございます。
司会1:それでは真ん中の列の一番前の方、お願いいたします。
起点は2003年のE6規制対応エンジンの開発からか
中日新聞:中日新聞の安藤と申します。よろしくお願いします。すいません、ちょっと恐縮ながら、報告書の本体をちょっと全文まだ読めていないので、どこかに表現があったら恐縮なんですが、結論として、調査委員会のほうで不正があった、プロセスに不正があったと認定できたエンジンなのかな、エンジンの機種数だったり、さっきのご質問にも関わるんですけど、起点はやはりE6規制ですか、2003年のE6規制の対応エンジンの開発からということでいいのかどうか、まずこの点をちょっと確認させていただけないでしょうか。
榊原:劣化耐久試験について、具体的に不正行為が行われていたということで、E6規制からであります。それ以前からも、劣化耐久試験自体は開始したのがE6規制からですので、劣化耐久試験における不正行為についてはE6規制から始まっております。で、燃費につきましてはE7規制からスタートして、具体的な不正行為が見つかっているという状況です。
で、劣化耐久試験について不正があった機種数、ちょっと、今、記憶ではなかなか申し上げにくいんですけれども、E9規制で7機種、E8規制で7機種ぐらいだったかなという記憶で。ちょっとその点については、正確なところはまたあらためてお問い合わせいただければというふうに思います。
中日新聞:分かりました。もう1点ございまして、劣化耐久試験が始まったのはE6規制からだっていうことで、調査の対象もそこからだっていうことだと思うんですけども、報告書、散見しますと、認証制度への理解というか、認証制度の認知っていうものの不足みたいなところも指摘されていて、そうすると、それ以前、つまり2003年以前にもあった可能性というものが、想像はできるんですが、調査の中で2003年よりさかのぼった不正っていうのは可能性として排除できたものなんでしょうか。その点も伺いたいです。
2003年以前から不正が行われた可能性があるのか
榊原:個々具体的な機種について、こういう不正行為があったという認定まではできていませんけれども、かつてこういった不正を行ったことがあるというふうな形での説明を受けたりしておりますので、それ以前からも不正が行われていたという可能性はあると思います。
中日新聞:つまり、劣化耐久試験が始まる以前、2003年以前から、もうあった可能性はあるっていうこと。
榊原:はい。
中日新聞:それに関わることで、もう1点だけごめんなさい。調査の概要で、ヒアリング合計101人とありますが、この対象はどなたでしょうか。現役の社員なのか、OBも含むのか、役員とか経営層も含むのかどうか。つまり、それ、どこまでさかのぼれるかっていう問題と関連してくるかと思うんですが、その対象、どこまで聞けたのかっていうのを教えてください。
榊原:対象者としましては、退職者、それから現役の職員、それから役員の人たちについても、不正行為を認定する上で必要だと思われる方々については事情、ヒアリングをしております。で、退職者につきましては、やはり連絡を取れなかったりする方もいらっしゃいますんで、必要と認められてもできなかった方もいらっしゃったというふうに理解していただければというふうに思います。
中日新聞:ちょっと補足でもう1点だけ、ごめんなさい。先ほど、経営層の関与は認めるだけの証拠はなかったっていうお話があったんですけど、ちょっと裏読みすると、つまり退職された経営層の方なんかにも聞き取りはしていて、知らなかったよ、というようなことをお答えになっているということでしょうか。
榊原:概要はそういうふうにご理解いただいていいと思います。
中日新聞:分かりました。ありがとうございました。
司会1:それでは、ここで一度、オンラインでご参加されてる方の質疑応答に移らせていただきます。
司会2:オンラインでご参加の方のご質問は、音声のみの対応とさせていただきます。ご了承ください。Zoom機能の挙手ボタンを押していただきます。こちらでご質問者の選定を行い、ご質問者の所属とお名前をお呼びいたします。お名前をお呼びしましたら、マイクをオンにして、ご質問を開始してください。それでは質疑応答を開始させていただきます。ご質問のある方は挙手ボタンを押してください。それでは挙手ボタンを押していただいております、高橋さま、ご質問をお願いいたします。
東洋経済新報社:もしもし、聞こえておりますか。
司会2:はい。聞こえております。
具体的にどの辺りまで調査範囲としたのか
東洋経済新報社:東洋経済の高橋と申します。よろしくお願いいたします。今回の調査の調査範囲について確認させてください。報告書にも書いてあるんですけれども、事案の全容解明とはあるんですけれども、これ、日野が出しているエンジンについて、全て調査をしているわけではないと思うんですけれども、具体的にはどの辺りまでを調査範囲としたというふうに捉えればいいんでしょうか。先ほどの質問の答えだと、まだほかにも過去からあったのかもしれないっていうような趣旨のご発言がありましたけれども、そういった意味ではどこからどこまでの事案を洗い切れていて、それ以外の部分は洗い切れていない、その辺りをちょっと明確にさせていただきたいんですけれども。
榊原:エンジンにつきましては、範囲としましては国内市場向けのエンジンについて調査をしております。で、不正行為につきましては可能な限りさかのぼりまして、個別具体的な不正行為、個別具体的な機種の不正行為が認められる範囲でさかのぼったというふうになります。
東洋経済新報社:当初の、ごめんなさい、これ、手続き的な話になるんですけれども、当初の委員会に委嘱された調査の中ですと、ちょっと事案の全容解明っていうと、ちょっと曖昧なところがあるのであれなんですけれども、今年の3月に発表した時点では含まれていなかったところも、今回調査されていますけれども、そこはどういった経緯で調査することになったのかっていうところも、ちょっと教えてください。
海外で同種の事案が発生する可能性はなかったのか
榊原:基本的には3月に発表された、E9規制、現行機種についての不正行為を端緒として調査を開始したわけなんですけれども、その過程でE9規制の現行機種の不正行為だけではなくて、その前の機種、あるいはさらに言うと、その前の機種についても不正行為があった、それが引き継がれてきていたというふうなことが認められたもんですから、順次拡大していったというふうにご理解いただければと思います。
東洋経済新報社:調査過程で、前のものから続いているということが分かったので、そこも確定したという理解でよろしいでしょうか。
榊原:はい。
東洋経済新報社:分かりました。あと、もう1点、先ほど国内というふうにおっしゃいましたけれども、例えば欧州ですとか、米国ですとか、海外において同種の事案が発生する可能性っていうのはなかったのか。分からないなら分からないでもいいですし、ないと言い切れるなら、ないと言い切っていただいてもいいんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
榊原:3月の日野自動車の発表にもありますように、今回の調査のきっかけになったのが、北米問題という形で、北米で問題があったので、国内向けのエンジンについても調査したところ、不正行為があって、規制値を逸脱しているようなエンジンが見つかったということで、調査委員会が発足して調査したという契機がありますので、ほかの、海外向けのものについても問題がある可能性はあると思います。
東洋経済新報社:そういった意味で、真因解明という意味では、北米のものも調べるっていうのもあり得たんじゃないかと思うんですけれど、そこは調べなかったっていうことなんでしょうか。
榊原:そこは、海外向けについては多岐にわたりますし、海外のそれぞれの法規についても調べた上でやらないといけませんので、相当時間が掛かってしまいます。で、ただ、国内向けにつきまして限定することによって、こういった不正行為が行われた原因とか、それに対する再発防止策の提言については、国内市場向けに限定してやるのが合理的だというふうな判断をいたしました。
東洋経済新報社:分かりました。ありがとうございます。これ、確認ですが、これはこれで調査は終了になるわけではないわけですか。
榊原:特別調査委員会としての調査は、これで終了だというふうに考えておりますけれども、そういった残った問題、技術的な検証の問題については日野自動車のほうで行われるというふうに承知しております。
東洋経済新報社:分かりました。ありがとうございます。
司会2:次の質問者の方をご指名します。桃田さま、ご質問をお願いいたします。
ヒアリングのタイミングでしか不正の話は出なかったのか
桃田:聞こえてますでしょうか。
司会2:はい。聞こえております。
桃田:ジャーナリスト、桃田と申します。先ほどの質問に少し関連しますが、今年3月の日野側の説明、2018年11月に日野の社員が米国での排ガス認定に関して、同社のやり方に疑問を持ったことが始まりという説明をなさっていますし、今回の委員会はそれがきっかけだと思います。で、この、要するに告発なのか、疑問なのか分かりませんが、これ、ヒアリングの中で、このタイミングでしかこの話は出てこなかったんでしょうか。ヒアリングしていると、もっと前から認識している人たちが、会社に対して何か提言なり、いろんなことを、疑問を呈しようとしたタイミングという話は、ヒアリング等の中から出てこなかったんでしょうか。以上でございます。
榊原:われわれが調査した範囲内では、こういった開発に関わっている人たちから、問題があるということを提言するようなことは、それ以前には認められなかったというふうに考えております。
桃田:それも含めて、上の方にものが言えない体質ということで捉えればいいでしょうか。
榊原:企業風土とか、組織体制とか、そういったことが影響しているのではないかと思います。
桃田:ありがとうございます。
今回の調査で内部告発の形跡は見つかったか
司会2:次のご質問者の方をご指名します。朝日新聞の近藤さま、ご質問をお願いいたします。
朝日新聞:朝日新聞、近藤と申します。よろしくお願いします。
司会2:お願いいたします。
朝日新聞:今の委員長の回答と、少し関わりあるかもしれませんが、私もあらためて2点、教えてください。少なくとも2003年規制以降、幅広く排ガスも燃費も不正に手を染めていたということですけれども、これだけ長きにわたって行われていれば、やはり命を預かる車という商品をつくっているメーカーとして、おかしいんじゃないかっていう従業員の声が上がったり、あるいは内部告発とかがあってもおかしくないかなとは想像するんですが、そこら辺、声が上がったり、是正に動くような形跡は、今回の調査ではなかったんでしょうか。あるいは、そうであれば、その背景について、あらためて教えてください。
で、2点目ですね。親会社トヨタについても先ほど言及ありましたが、こちらもあらためて教えてください。2001年にトヨタが日野を子会社化して、歴代ほぼ全ての社長を送り込んでいますし、皆さんご承知のように、本当トヨタは安全とか品質を最優先にする会社さんですけれども、そのトヨタの傘下において、こういう不正が長きにわたって起こってしまった、そこら辺の分析はできているのか。ないし、トヨタの体質で、管理・監督・ガバナンス面での責任等についてご見解があれば教えてください。以上です。
榊原:2つ目のほうから申し上げますと、親会社であるトヨタの影響というのは、ある意味、親会社がトヨタであることの安心感とか、そういった危機感の薄さということで、間接的な影響があったのかもしれませんけれども、トヨタが親会社として今回の不正行為に直接影響を与えたような事象には接しませんでした。1つ目はなんでしたっけ。
男性:内部告発の。
榊原:内部告発の点についてですけれども、そういった、われわれが調査する以前に内部告発などがあったという形跡は認められませんでした。なぜ、そういうことが起こらなかった、内部告発が起こらなかったのかということは、真因分析のところでも申し上げていますように、上意下達で上にものが言えないっていうふうな組織風土っていうのが大きく影響しているのではないかなというふうに思いますし、それから先ほども申し上げましたように、相互にチェックする体制が希薄であるということから、潜在化していて、不正行為に手を染めているところについては、なかなか自分たちからそういうことを、声を上げられなかったというふうなところが影響しているのではないかというふうに分析しております。
朝日新聞:承知しました。ありがとうございます。
「できないものをできないと言えない風土」日野自動車会見8月2日
日野自動車は2日午後、記者会見を行った。
※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)」に対応しております。
◇ ◇
今の経営陣の責任をどう考えているのか
司会2:そうしましたら、こちらで一度会場のほうにお戻しします。
司会1:それでは、再び、会場でご参加の方からのご質問をお受けいたします。いかがでしょうか。それでは一番前の、こちらの方。
NHK:NHKの【タニカワ 00:47:55】と申します。委員長にお聞きしたいんですけど、今回、委嘱の範疇とは異なるとは思うんですが、皆さんが一番この問題にお詳しいので、あえて聞きたいんですけども、この問題に関して、今の経営陣の責任については、どのようにお考えでしょうか。
榊原:われわれが調査を委嘱されましたのは事案の解明と真因分析、それから再発防止の提言であります。そういった意味で、個々具体的な責任追及ということが目的ではないというのが1つあります。で、先ほどから申し上げておりますように、個別具体的な不正行為については担当者レベルにとどまっていて、役員、あるいは経営陣のところの認識していたという証拠は見当たりませんでした。ただ、それでもこういったことが起こったのは、これまでの組織風土、それから相互のチェック体制など、そういったシステムを構築してこなかったということが問題であろうと思っておりますので、そういった限度では問題があったんだろうなというふうに考えております。
トップのパワハラはなかったのか
NHK:やはり、組織風土の問題というところで言いますと、20年近くにわたって続いているっていうところ、やはりトップの意識とか、やっぱトップのパワハラだったりとか、そこら辺、やはり皆さんが一番お詳しいわけでして、そこが少し教えていただきたいと思うんですが、いかがですか。
榊原:トップがパワハラしていたとか、そういうふうな問題については接しておりません。ただ、トップの方とお話を聞いていますと、こういった組織風土については気付いていたところもある、その上でなんとか改善したいと思って努力されていたということも聞いております。でも、なかなか組織風土っていうのは変えるのが難しくて、こういう事態に至ったのかなというふうにみております。
NHK:承知しました。もう1点、少し細かくなるんですけど、ヒアリングの対象で、現職、および退職済みの役職員というところ、これはもう、おおよそのこの不正が発端となって2003年以降は、社長、副社長は全員お話は聞くことができましたか。できてない方がいらっしゃれば教えていただきたいんですけども。
榊原:社長の方については、現社長の小木曽社長、それから前社長の下前社長、それから市橋元社長、不正行為が具体的に認められたところから、社長の方々にはお話を伺っております。
NHK:ありがとうございます。
司会1:ほかにご質問。それでは、一度一番前の方、お願いします。
不正を許容する雰囲気がなぜ温存されたのか
中島南事務所:すいません、中島南事務所です。よろしくお願いいたします。2ページの下5行などを見ておりますと、先ほどから言われている相互のチェック体制が希薄とか、声を上げられないとかという問題ではなくて、そもそも不正を許容する雰囲気があったのではないかと察せられるんですけれども、なぜこうした雰囲気が温存されてきたのか、それを教えてください。なるべく具体的に教えていただけると助かります。
それと、1つの機種にだいたい何人ぐらいの方が不正に携わっていたのか、その後そういう人たちっていうのは、どこの部署に異動していったのかというような、この時系列の流れでも教えていただきたいんですが。
榊原:各機種の不正行為にどれぐらいの人たちが関わっていたというのは、ちょっと千差万別でありまして、そんなに、1機種1機種を捉えるとそんなに多くの人が不正行為を具体的に認識していたっていうのは認められないというふうには。数人、せいぜい数人という感じだと思います。
そういった不正行為がどうして起こったのかっていうことですけれども、その点については先ほどからご説明しておりますように、やっぱりできないものをできないと言えないために、開発目標について引き受けてしまって、開発計画がうまく進まずに最後追い込まれてこういった不正行為が行われることになり、そして不正行為を行ったことについて、なかなか声を上げられない。一方で、相互のチェック体制が不十分なために温存されていったというふうにみております。
人事異動でほかへ流れていくことはなかったのか
中島南事務所:そうすると、そういうような方々が人事異動でほかへ流れていくということはなかったんでしょうか。
榊原:その点、申し訳ありません。非常に専門性、技術的な高度な知識とか経験が要るもんですから、なかなか人材が流動化していないと。その部門に固定化しているというのは、1つの問題としてありまして、ほかのところになかなか異動していかない。それで異動しないがために、そういったことが継続されていることが発覚しにくかったということもあったと思います。
中島南事務所:新人育成の過程で、そういう不正を許容するという風土が、上から下へと受け継がれていったということでしょうか。
榊原:許容する風土が受け継がれていったという表現がいいのかどうか、ちょっと分かりませんけれども、やはり同じような立場になっていって、先輩から話を聞いてそういった不正行為に関与していたという流れはあったと思います。
中島南事務所:島本さん、技術的な面から見て、そういったようなことっていうのは、続いていくことがあるんでしょうか。
島本:普通って言うとおかしいですが、なにがしかのチェック機能が働いて、どこかのタイミングではそういうのが表に出てくるはずなんですよね。だから、報告書の中にも指摘しているとおりに、パワートレーン実験部の中での不正行為が受け継がれていたっていうところはあるんですが、ほかの組織にそういう、相互の監視機能みたいなのとか、報告書の中にも書きましたけど、懐疑心みたいなのを持って見る目がなかったりとか、品質保証とか、品管機能の中でチェックがされてないとか、そういうところが大きな課題としてあるというふうに指摘をさせていただいています。だから、通常はそういうところで、組織内の人材流動がなかったとしても見つかるべきものであったんじゃないかなというふうには考えています。
中島南事務所:ありがとうございます。
司会1:それでは次の質問。前から2番目の方、お願いいたします。
不正対象となる車の車種・台数は
時事通信:時事通信社、【トヨダ 00:55:30】と申します。不正の対象となる車の台数なんですけれども、2003年以降ということで、累計でいったい何台になって、車種が何車種に上るのかという、トータルの数字が分かれば教えていただきたいです。また、リコールにつながる台数がどのぐらいに至るのかなというのも併せまして、もし分かればお願いいたします。
沖田:その点につきましては、本日、日野自動車のほうで、15時ぐらいだと思いますけども、公表している資料があるかと思います。そちらのIRの資料のほうに台数、それから車種など記載されているかと思います。
時事通信:複数のペーパーがありまして、これ、トータルで何車種、何台っていうことになるんでしょう。
沖田:われわれのほうでも、ちょっと手元では計算しておりませんので、そちらをご確認いただくのが正確かと思いますが。
時事通信:これ、足し合わせるだけでいいのか、重複があるのか、ちょっとこれだけだとよく分かんない。
司会1:すいません。第2部の記者会見で準備させていただいて、お答えするようにさせていただきます。
時事通信:分かりました。
司会1:申し訳ございません。
時事通信:いえいえ。よろしくお願いいたします。
司会1:ほかにいかがでしょうか。では、一番向こうの方、お願いいたします。
2005年12月の不正行為が一番古いものか
東洋経済新報社:東洋経済の井上と申します。燃費に関する不正行為で、ちょっとあらためて確認させていただきたいんですけれども、先ほど、排ガスのほうでは2003年の5月でしたっけ、以前の不正行為が確認されたというお話なんですけれども、燃費のほうでは2005年の12月ごろに目標の達成見込みがあると報告して、適切な対応ができていなかったっていうことなので、不正行為の年月なんですけれども、2005年の12月に不正行為が一番古いもので発見されたというふうに理解していいんでしょうか。
榊原:2005年12月がきっかけとなる上からの指示ということになるんですけども、実際に認証試験で不正行為を行ったのは、そのあとに出てきますように2006年の4月ということになろうかと思います。
東洋経済新報社:すいません。2006年の4月よりも前の時期での、燃費においての不正行為はなかったというふうに認識して大丈夫なんですよね。
榊原:燃費に関しては、そのように認定しております。
東洋経済新報社:ありがとうございます。あと、もう1点なんですけれども、先ほど、開発の現場のほうでの不正行為は認められていたにもかかわらず、経営者のほうではそういった認識ができていなかったというふうにお答えされていたと思うんですけれども、これって開発の現場の人たちが経営陣に忖度をして、報告していなかったというふうに理解してもいいんですかね。
榊原:どうして報告しなかったのかということについては、実際にどうだったのかっていうことは分かりませんけれども、風土とかそういうものについて、言ってもなかなかそれについて対処してくれない。先ほどから申し上げているように、できないことをできないと言えないというふうな風土から、そういったことを言ったというふうに認められる形跡がないということであります。
東洋経済新報社:はなから、もう最初から、もう一切話さなかったっていうことなんですかね、それを。
榊原:話したとか、話してないとかっていうことについて、なかなか認められるような証拠が見当たらなかったということです。
東洋経済新報社:ありがとうございます。
司会1:ほか、よろしいでしょうか。それじゃあ、すいません。第2部の会見がございますので、最後のご質問ということで、一番前の方、お願いいたします。
今回の調査は甘くないか
日経クロステック:日経クロステックの近岡です。率直に申し上げて調査、甘くないですかね。だって不正を全部見いだしてるわけじゃないですよね。それなのに真因を見いだすことってできるんですか。また、お伺いしていると、結局、担当者が悪いというようにどうも聞こえるんですね。これって、これだけ、2001年からトヨタ自動車が経営者になっている会社で、しかも役員、役員の方たちが開発現場についてあまり知らないっていうことはメーカーにおいて、しかもエンジンにおいて、それはにわかには信じられないですね。しかも先ほど、なぜ報告していなかったか分からないというようなご説明が今、委員長のほうからあったと思うんですけど、分からないんだったら分かるまで調べたらいかがですかね。
榊原:不正行為については可能な限り洗い出して、できる限りの調査をしたと思っております。それで、実際にそういったことについて報告しなかったのはなぜかということについて、多くの人たちからヒアリングして聞いておりますけれども、その点についての明確な答えがないということが実情だったんです。
日経クロステック:聞いて分からなければ分からないで終わりなんですか。そんなのは不正してる人たちが隠蔽してるかもしれないですよね。その人たちに言わせるような仕掛けが必要なんじゃないですかね。
榊原:そういった調査については任意調査であるという限界もあろうかというふうに考えております。
これから不正はなくなると断言できるか
日経クロステック:島本さん、これ、この調査で真因は究明されたと。把握され、これから不正に関して再発防止はなくなるというふうに断言できますか。
島本:断言って言われると非常に難しいところはありますが、今ご指摘いただいたような甘い調査したつもりはまったくなくて、かなり踏み込んだ、経営陣の問題についても直接知ってたかどうかっていうところまではつかめて、というか、ないっていうことになっていますけれども、こういう背景に至った課題っていうか問題っていうのはかなり踏み込んで報告書に書かせていただいていると思っていますので、ぜひ報告書を読み込んでいただきたいなと思います。
日経クロステック:具体的に不正を、こういう不正をしたっていう記述はあると思うんですけど、例えばパワトレの担当者の方々がやっていることっていうのは課長さんだったら絶対知ってるはず。課長さんの意見は絶対に部長まで上がってるはずなんですよ。部長まで日野自動車ほどの会社が開発現場について情報を知らないっていうことはないと思います。であれば最終的には部長が役員に上げなかったと、自分の保身により、忖度により上げなかったっていうなら理由は分からなくはない。だけど今回のご説明ですと、担当者で尻尾切りのようにしか感じられないですよね。部長の責任、どこいったんですか。
島本:これは報告書をぜひちゃんと読んでいただきたいと思うんですけれども。パワートレーン実験部の中において担当者だけの問題というふうには全然言及してないと思いますんで、ぜひ読んでいただきたいと思います。それなりの部門の責任者の方までが認識していて、その責任があるっていう報告になっていますので、今日のこの部分だけで、決してわれわれは担当者と言ってるつもりはないので、その辺はよく報告書をご理解いただきたいなというふうに思います。
ご指摘はあまり当たらないと思う
もう1点は、経営陣への移行会議みたいなのがあるんですけれども、そのタイミングでは組織としての経営陣への報告は、ちゃんと目標が達成されたっていう報告が全部なされていて、その辺の報告資料はわれわれ全部チェックしましたし、読み込んでおりますので、その中での、その報告書レベルを作るところまでの中で、パワートレーン実験部の中でいろんなことがあったんじゃないかなっていうふうには考えております。
ですので今ご指摘いただいているようなところはあまり当たらないというふうに思っておりますので、繰り返しになりますが、ぜひ完全版の報告書をしっかり読んでいただきたいなというふうに思います。
日経クロステック:完全版の報告書っていただけるんですか。
司会1:ウェブにアップをさせていただいておりますので、ご覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。
日経クロステック:ありがとうございました。
司会1:はい。それでは本日の特別調査委員会の会見はこれにて終了とさせていただきます。それでは第1部の会見を終了させていただきます。このあと第2部の日野自動車記者会見は17時20分、5時20分より開始させていただきます。よろしくお願いいたします。
「全社横断で品質マネジメント体制を構築」日野自動車会見8月2日
日野自動車は2日午後、記者会見を行った。
※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)」に対応しております。
◇ ◇
多大なご迷惑とご心配をお掛けして誠に申し訳ございません
男性:本日の会見に当たりまして、会場内の皆さまにはお手元に資料を準備させていただいております。オンライン参加の皆さまは弊社公式ウェブサイトにてご覧いただけます。なお本日、会見者はマスクを外してご説明させていただきますが、会場内では感染対策を行っておりますので、あらかじめご了承ください。
司会1:これより日野自動車の会見を始めさせていただきます。あらためまして、本日は急なご案内を申し上げ、申し訳ございませんでした。引き続き進行を務めさせていただきます、日野自動車広報担当の橋本です。それでは会見者を紹介いたします。代表取締役社長の小木曽聡でございます。本日の進行ですが、まずは社長の小木曽よりご説明申し上げ、その後、皆さまからのご質問をお受けいたします。それでは小木曽社長、よろしくお願いいたします。
小木曽:本日はご多用中のところ、急にお集まりいただきまして申し訳ありませんでした。このたびの当社のエンジン認証申請における不正行為につきましては、お客さまをはじめとする多くのステークホルダーの方々に多大なご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
司会1:誠に恐縮ではございますが、ここからは着座にてご説明をさせていただきます。
平成15年の排出ガス規制対象エンジンから不正行為が判明
小木曽:本年3月に公表させていただきました国内法規対象の車両エンジン4機種に関するエンジンの不正行為に関しまして、当社は本問題の重要性に鑑みて外部有識者による特別調査委員会を設置し、事実の全容解明および真因分析に向けた調査を進めていただきました。
このたび調査報告書を受領いたしまして、会社としての対応等につきまして、本日開催いたしました取締役会に報告いたしましたので、関係官庁へご報告するとともに、皆さまにご説明をさせていただく場を設定いたしました。ここからはお手元にお配りした当初の公表の資料も使用しながらご説明をさせていただきます。
当社はこれまで特別調査委員会の調査に全面的に協力しながら、並行して技術検証を行い、エンジン性能の確認を進めてまいりました。まずはその検証結果も併せて、今回判明の事項についてご説明させていただきます。
特別調査委員会の調査により国内法規対象の車両用のオンロードエンジンおよび建設機械用のオフロードエンジンの認証申請において、長期にわたる不正の事実が判明いたしました。詳細はお手元の資料の5ページから6ページに記載してございます。オンロードエンジンに関しましては平成15年の排出ガス規制の対象エンジンから、主に排出ガス劣化耐久試験における不正行為があったということが判明いたしました。この規制に適合するために排出ガス後処理装置を採用し、それに伴い認証申請に当たり劣化耐久試験を行うこととなりましたが、スケジュールの逼迫や設備の不足などによりこの劣化耐久試験が正しく行われず、データの流用や改変といった不正行為が残念ながら行われておりました。これが現行の平成28年規制対象エンジンに至るまで幅広い機種で続いていたということになります。
一方、燃費につきましては重量車燃費基準が導入され、平成17年排出ガス規制から税制優遇制度が始まりました。この規制に向けた開発において、大型エンジン2機種で不正行為が判明しています。税制優遇獲得のための社内の目標値に対して実力が伴わず、届かず、開発の最終工程を担う部署が追い込まれて不正に走ってしまった。そしてその時点で不正をしたことにより、それ以降も同じことを継続せざるを得なくなってしまったということが判明いたしました。
オフロードエンジンにも主に劣化耐久試験に関する不正行為が判明
オフロードエンジンにつきましてはオンロードエンジンと同様に、主に劣化耐久試験に関する不正行為が判明しております。さらに2016年、他社の事案をきっかけに国土交通省における排出ガスや燃費に関する認証試験の実態調査が行われました。その際に根拠のないデータを基に、不適切な行為はなかったと虚偽の報告をしたことも分かっております。襟を正す機会であったにもかかわらず、不正を重ねてしまったことは大変重大で深刻な問題であると受け止めております。ステークホルダーの皆さまの長年にわたる信頼を今回裏切ることとなり、誠に申し訳ございませんでした。
こうした不正行為が判明した機種において、排出ガスの規制値超過の可能性や燃費の諸元値の返りといった性能の問題も判明いたしました。資料の10ページから11ページに不正の有無と性能問題の有無を機種別にまとめております。3月4日に公表した分も含めますと、現行機種ではオンロードエンジンで4機種、オフロードエンジンで3機種が性能に問題があったということになります。規制値超過の可能性がある機種は出荷停止をしており、今後、可及的速やかにリコール検討を実施してまいります。オフロードエンジンにつきましては建機メーカーさまにご協力をいただき、当社が責任を持って対応を進めてまいります。
また、性能に問題は見つかっていないものの、認証プロセスにおいて不正行為があったと判明している機種についても国土交通省にご報告をし、出荷停止の指示をいただきました。今後は省の指示に従ってまいります。
品質やコンプライアンス、人材育成が後回しに
本日、委員会からいただいた報告書に関する当社としての受け止めを申し上げたいと思います。委員会には不正の全容解明に加えて、真因の分析とそれに基づく再発防止の提言をお願いしておりました。このたびいただいた指摘、内容は非常に厳しいもので、大変重く受け止めている次第でございます。2000年ごろから規模や量の拡大を重視し、仕向け地や車種の拡大を推し進めた結果、現場に余力がなくなり、品質やコンプライアンス、人材育成といったものが後回しになってしまいました。その結果、法令順守を大前提に適正なプロセスにのっとって仕事をすることよりも、製品開発までのスケジュールや燃費などの数値目標が優先されやすい環境や仕組みとなってしまっておりました。また、縦割りで上下や左右の風通しが悪く、過去の成功体験に固執するがあまりに外部環境や世の中の価値観の変化に向き合えず、前例踏襲をよしとする風土、これらによって1人1人が当事者意識と一体感を持って仕事に取り組むことができない状況になってしまっていたと考えております。
不正行為がある特定の部署で起こったことは事実でございますが、この部署を不正に追い込んでしまった背景にあるのは、こうした全社的な問題であると認識しております。経営としての責任は大変重く、この報告書をしっかり読み込み、責任の所在を明らかにした上で厳正に対処してまいります。そしてこのことを二度と繰り返さないために深く反省し、自分をはじめとする経営層がまずはこの事実をしっかりと受け止め、向き合わなければならないと思います。
この非常に深刻で根が深い問題に対し、生まれ変わらなければいけないという覚悟と決意を示し、行動に移す。そして、その覚悟と決意を従業員全員と共有し、日野の1人1人のメンバーが今回の問題を自分ごととして捉え、考える。その結果、思考と行動が変わっていくと考えております。これらが再生への第一歩と考えております。
一方で、これまでに判明した問題に対しましては、その都度、再発防止策を策定して、実施してまいりました。7ページ目に一覧表を参考資料として添付しております。今回発覚した不正行為を明確に禁じるような規定やマニュアルの整備、開発認証プロセスの正しさを確保するための牽制機能の強化、風土改革においては従業員の意識改革のために企業理念を改定いたしました。未来に継承すべき価値観として、誠実、貢献、共感を掲げ、コンプライアンスファーストの姿勢を明確化してまいります。
3カ月をめどに再生に向けた具体的な取り組みまとめる
こうした再発防止を徹底し、社内に定着させ、その心を浸透させるべく、継続的に改善および強化を図ってまいります。そして再び日野の商品、品質を信頼いただけることを目指して、次の3つのテーマで検討を開始いたします。1つ目は全社横断で、品質マネジメントの体制を構築してまいります。2つ目に、組織・風土といった企業体質の改善を行います。3つ目に、管理監督強化をはじめとする健全なガバナンス体制の確立を行っていきます。これらの推進体制も含めて、3カ月をめどに再生に向けた具体的な取り組みをまとめてまいります。
不正行為の結果、あらゆるステークホルダーの皆さまに多大なご迷惑をお掛けしております。規制値を超過する排出ガスを出してしまっている可能性があること。トラックやバス、そして建設機械の供給がストップしてしまっていること。そして、お使いの業者さまやその先のお客さまにご迷惑をお掛けしていること。当社のエンジンを採用いただいていた建機メーカーさまや、当社の生産活動にご協力をいただいている仕入れ先さまの皆さまの事業にも大きな影響を及ぼしてしまっております。こういった日野を応援してくださっている皆さまの期待を裏切ってしまったこと、あらためて心からおわびを申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
ステークホルダーの皆さまに多大なるご迷惑をお掛けしていることを重く受け止め、正すべきことを正し、再生に向かって全社一丸で取り組んでまいる所存でございます。私からの説明は以上でございます。
司会1:それでは続きまして質疑応答に移らせていただきますが、第1部でご質問をいただきました特別調査委員会の報告書にて、機種別に不正が確認されているものの総台数についてご連絡差し上げます。リリースの10ページに書いてあります数字の合計でございます。まず、E9で16万6000台、E8で約31万台、合計47万7000台でございます。なお、E7、E6につきましては報告書にて機種別の不正の有無についての言及がございませんので、不正があった台数をお示しすることが困難となっておりますことをご容赦ください。
それでは質疑応答に移らせていただきます。できるだけ多くの方からご質問を頂戴したいと思いますので、まずは1人2問でお願いいたします。最初に会場でご参加をされてる方から指名をさせていただきます。挙手をしていただき、ご指名されましたらスタッフがマイクをお渡しにまいります。ご所属とお名前をお伝えいただきご質問を開始してください。
それでは質問のある方、挙手をお願いいたします。はい、それでは真ん中の一番前の方、お願いします。
技術力がないのではないか
日経クロステック:日経クロステックの近岡と申します。先ほど私のほうから調査委員会の調査甘くないですかっていうことを申し上げたら、そうではないと言われました。中身を見ろと。で、中身を見てみると、私は今回この事件、このトラブルが起きた根本的なところって、技術力がないからじゃないか、技術力が不足しているからじゃないかっていうふうに思いました。それで、先ほど調査委員の方に質問したところ、いや、技術がないんじゃないと、開発プロセスの問題であり、マネジメントの問題であるというふうに言われました。
ところが今、報告書の中に、社員の方の声だと思うんですけど、日野には技術があるという根拠のない妄信やって書いてあります。つまり技術があるとは思えないということを吐露されてるんだと思うんです。また、先ほど小木曽さんのご説明に、現場に余力なし、人材育成後回しっていう言葉もありました。ていうことは技術力がないということなんじゃないかなと思います。どっちが正しいんですか。
小木曽:ご質問に答えさせていただきます。不正行為と技術力ということを少し整理してご回答させていただいて、ご質問の趣旨に合うかどうかを少し確認いただきたいんですけど。さまざまな、これ、2003年からですので、長期にわたって排ガスおよび燃費の規制を対応するところで日程等、スケジュールも間に合わず、不正が働かれてしまったということでございます。やはり技術というのは開発しながらチャレンジしていくものですから、ご質問の趣旨をよく理解しようとすると、おそらくそのハードルを越えれるか越えれないかというところで、そこで技術力、人材力が試されるんだと思います。
エンジンに関する技術力は一定レベルある
今回、まず最初に申し上げなければいけないのは、チャレンジして成功する場合もあれば成功しないこともございます。エンジニアを育てるときには、時々ありますけれども、失敗からも学べということをよくいわれます。失敗したときにルールを破って不正をしていいのかっていうとまったく違う問題でございますので、冒頭申し上げたかったことは、調査委員会報告に書かれてる中でいくと、やはり不正が起きてしまったことというのは事実としてパワートレーン実験部という部隊員の中に問題が閉じ込められて、日程がうまくいかないということが起きたときに、正直に日程を変えるだとか、役員とか上位に上げるということができなかったことがやはり、会社として、経営として直接関与は認められてないんですけど、大きな責任であったんじゃないかということでございます。ここに対して、冒頭、私の説明、拙い説明の中でもございましたとおり、深く責任を感じております。
一方で日野に技術力があるのかどうかということでございます。こちらは、やはりこれだけのお客さま、80年の歴史の中で、エンジンに関する技術力は一定レベルあると思います。ただ、これを伸ばしていく、成長させていくためには、やはり成功したときには成功し、失敗したときには失敗を正しく認め、全社で共有をし、そして、例えば失敗した場合はやり方がまずかったのか、人の育成は十分だったのか、職場では何が起きていたのか、これを進めるべきだったと思います。この部分につきましては、最近の機関の中で置くと、職場の環境がそれほど良い状態にあったとは、報告書を見ていただければ残念ながら言えず、この部分で成長のスピードが鈍ったり、後輩の育成が十分できていなかったことは、おそらくあり得ると思います。
ですので調査委員会の説明、真因というところについては、これらについてわれわれがしっかり真実に向き合い、正していくかということになると思います。すいません、少し長く話をさせていただきましたが、趣旨に合ってますでしょうか。
開発現場にトヨタ流を投入しなかったのか
日経クロステック:ありがとうございます。もう1つの質問なんですけど、2001年からトヨタの子会社化をして、開発プロセスにおいて、開発の現場にトヨタ流っていうものは投入されなかったんでしょうか。といいますのは、開発プロセスに移行可否決定会議っていうのがあると思うんですけど、ここで、先ほど島本さんにもお伺いしたんですけど、その資料もご覧になったっていう話だったんですが、そのときの移行決定会議のときって技術的な資料とか裏付けみたいなものが全部付いてるって話を聞いたことがあるんです、トヨタの場合。それも見た上で判断すれば、そもそもにおいて不正の起こりようがない、不正を起こす前にそこで止められてしまうので、すいません、これ、小木曽さんにとってはもう釈迦に説法ですけど、ていうことになると思うんです。つまりトヨタの開発プロセスっていうものが日野自動車の中に踏襲されなかった。されなかったのであれば、なぜ投入しなかったというところを教えていただけませんでしょうか。
小木曽:調査委員会報告書につきましても、われわれもいただいたばかりですので、これからしっかり読み解いていきたいと思います。トヨタから、昨年、日野に来た私が分かる範囲で、私の理解としてお答えをすると、当然、トヨタグループの日野としても、日野として上場して仕事をしておりますので、今回の件は日野の責任でやっている問題ではございますけれども、トヨタグループに所属してから実際よく見ていただければ分かるとおり、プロジェクトのマイルストーン管理、進め方等々は、トヨタから、トヨタを参考にして導入している部分はございます。
形だけではやはり問題は解決しない
先ほど島本委員がお話しされたような、確認した資料も、資料の会議体の形としてはトヨタ自動車を参考にして置いておりますけれども、ポイントは、やはりそこに正直に困りごととか問題が挙がってこなければ、そこの会議で気付くこともできませんので、そういった部分が大切なんではないかということで、われわれは今回、サマリーで言っていただいたような背景のところをしっかりわれわれ自身の目で見て正していくことというのが一番大切なことかなと思っております。形だけではやはり問題は解決しないということではないかと。ただ、これからよく調査報告を見ながら社員と検討してまいりたいと思います。
日経クロステック:ありがとうございました。
司会1:ではほかにご質問いかがでしょうか。それでは奥の後ろから3番目の方お願いします。
今、都内を走る車両は規制超過の状況で走行しているのか
朝日新聞:朝日新聞の千葉と申します。私も2問お伺いいたします。10ページの、このA3の横の中で大型エンジンE13Cが規制値超過、A05Cも規制値超過とあります。東京都の環境条例ですと、規制値を超えてるようなディーゼル車っていうのは走行が禁止されてると思うんですけれども、今、都内を走ってるバスとかトラックは、規制が超過してると走行が禁止されてしまうような状況のまま走ってるっていうことなんでしょうか。
小木曽:10ページ目の中で、3月に公表させていただいたA05/HCのものと、今回新たにE13Cのものについては、劣化耐久の試験の後半で規制値を満足しないことが社内の確認試験で明確になりました。こちらにつきましてはリコールを早急にやることということで、市場対応することを前提にお使いいただくという形です。われわれ、走行の距離とかデータも分かりますので、走行距離が長いものを優先に、お客さまのスケジュールと相談させていただきながら、規制値超過が判明したものについては市場対応処置として対応してまいります。
朝日新聞:すいません、これ、お伺いしてるのは、要するに条令とか法令にもう違反しちゃってる状態なのかどうかっていうこと、違反しちゃってる状態の車両があるのかどうかっていうことなんですけども、これはいかがでしょうか。
小木曽:法令そのものは、問題が分かったときに出荷は停止いたします。そのタイミングで市場を走っているものについては速やかに市場対応します。その市場対応する間はそのまま使っていただくということで、これは関係省庁にもご相談をした上で、こういった対応で今進めております。
条例違反でバスの運行を中止することは発生しうる?
朝日新聞:そうするとお客さんのほうで、その条令にもう違反しちゃってるから運行を止めるとか、例えば観光バスの運行を止めるとか、路線バスの運行を止めなきゃいけないとか、そういうことは発生しうる?
小木曽:そういうことは発生せずに、私どもからリコールの修理の案内を出し、早めに入れていただいて対策をするということになります。
朝日新聞:自社による技術検証が現行機種だけだと思うんですけど、今日の段階では。その以前のものは検討中ってことだと思うんですけど、そちらについてはどうなんでしょうかね。そちらのほうも規制を超過してるような可能性がある車種っていうのはかなりあるんでしょうか。
小木曽:すいません、少し聞き取れなかったです。過去の?
朝日新聞:そうです。E9ですね。今日の発表で調査が、調査というか、規制値超過があるかないかというのが判明してるのは、分かってるのは現行車種だと思うんですけど、現行機種だと思うんですけど、それ以前の機種についてはいかがでしょうかという質問です。
小木曽:以前の車種についてはまだこれから調査をしていくことになります。少し補足の説明をさせていただきますけれども、今回、排ガスで問題になりましたのは劣化耐久という耐久試験後に、最後、規制値が、やはりわずかにオーバーしていくものが不正の対象でございます。これの確認をしようとしますと耐久評価を全て行う必要がございますので、メーカーの中で、今回最優先で現在販売している台数の多い車両を、トラック、バスと建機用について終わらせたというのが今の状況でございます。これから過去のモデルについては引き続き確認をして、必要なものに対して対応を進めていくことになると思います。
朝日新聞:リコール対象になった場合に、例えばバス会社さんとかだと台数が減っちゃうと思うんですけど、それで運行に支障が出るとかっていうこともあり得るかなと懸念するんですけど、そういうことに対する対応っていうのはどのように取られるんでしょうか。
小木曽:リコールはなるべくリコール期間とか時間を短くするように対応策を見つけてまいります。また販売店と協力しながら、実は今回、やはりリコールの台数も多いものですから、メーカーからも販売会社に応援をいって、リコールの措置が少しでも短い期間でできるように検討を進めてまいります。
あとはお客さまごとにやはり状況というか事情がございますので、1つ1つ丁寧にお客さまと相談をしながらリコールの対応を進めていくことになると思います。
「深刻さを大変重く受け止めている」日野自動車会見8月2日
日野自動車は2日午後、記者会見を行った。
※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)」に対応しております。
◇ ◇
リコール台数は全部で何台になるのか
朝日新聞:リコール台数って全部で何台になるんでしたっけ。
小木曽:はい?
朝日新聞:リコールの台数っていうのは全部で何台になるんでしょうか。
小木曽:こちらは先ほど橋本から説明した内容を【少し 01:54:19】。
橋本:リコールにつきましてはE9で3月4日に公表いたしましたA05、4万6000台。今回E13C、2万900台でございます。合計で6万7000台ということになります。E8は今検証中ということでございます。よろしくお願いいたします。
朝日新聞:現時点で経営に与える金額的な影響っていうのは算出されてますでしょうか。
小木曽:今回追加で判明した市場措置に対する経営的なインパクトについてはただ今検証中、計算中でございます。3月に公表したA05のHCにつきましてはもう決算に織り込んでいるんですけれども、本日追加で公表した内容につきましてはただ今検証中でございますので、また明確になって会計的な確認ができ次第、公表させていただくことになると思います。
司会1:ほかにいかがでしょうか。それでは一番前の方、お願いいたします。
経営責任については3カ月後に判断するのか
NHK:NHKの【タニカワ 01:55:39】と申します。すみません、調査報告書が出たということで、まだ途中段階だとは思うんで、ある程度の節目ともなったと思います。今回の問題で、社長の進退含めた経営責任については、これ3カ月後にご判断されるということでよろしいですか。
小木曽:今回、特別調査委員会の報告書をいただいたところでございます。私も含めた現在の経営陣も過去の経営陣につきましても、報告書の内容をしっかり精査して責任の所在、見極めて厳正に対処、対応を決めてまいります。
あとこの3カ月って書いたものにつきましては、併せて、要は今までいる人を処分するだけでは将来に向けての再生の対応ができませんし、足元の経営執行自体ができないとお客さまへのご迷惑が続いてしまいますので、3カ月をめどに今後の対応の方策、体制も含めて明確にしていきたいと思っております。その都度明確になったことでお伝えをする必要が出ましたら、そのときごとにご案内をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
NHK:ありがとうございます。引き続きお聞きしたいんですけども、小木曽社長も2021年に来られたというところで、その視点で見たときにこうした不正が20年近くにわたって続いていたことについてはどうお感じになってらっしゃいますか。
小木曽:2021年の2月から顧問で参り、6月に前社長の下より社長を引き継ぎました。すでに北米に端を発して調査をしているというお話をしましたとおり、調査は開始しておりました。国内の調査をもう開始しておりましたが、やはりこれだけの長きにわたってこのような問題とともに会社の中に長期間埋もれていたというのは、今回の調査報告で初めて伺いました。この状況の、やはり深刻さ、重さを大変重く受け止めてる、私自身としても非常に重たく受け止めている状況でございます。
NHK:歴代の経営陣も見抜くことができなかったというところ、これについてはいかがですか。
小木曽:私が過去の経営陣に調査報告書をいただいた状況で言及することはなかなか難しい状況でございます。どちらかというと私が言えるのは、長きにわたりお客さまをはじめとしたさまざまな日野を支持してくださった方々を長期間に裏切ってしまったこと、それを正すことができなかったことを、たすきを渡していただいた自分自身がやはり重く反省し、次に向かって対応を立てるしかないというふうに思っております。過去の事象には私そのものは戻れないですけれども、大変残念で申し訳ないなと思っております。
NHK:承知いたしました。ありがとうございます。
司会1:それではこちらの一番後ろから2列目の方、お願いいたします。
不正エンジンは型式指定が取り消されると思うか
読売新聞:読売新聞の【ナカムラ 01:59:35】と申します。よろしくお願いいたします。2点ほどお伺いしたいんですけど、まず型式指定のことでお伺いをしたいんですけれども、今回不正が新たに分かったエンジンについては型式指定の取り消しに対象になると、そういう可能性があるというふうにお考えなのかどうかということについてまず教えていただけますでしょうか。
小木曽:不正があったものに対してどのような処置になるかというのは国土交通省のほうで決めることになりますので、私どもから何か申し上げることはできないと思います。われわれができることは、分かったことを全てお伝えし、調査をメーカーとしてもしっかり行って、事実関係を明確にしていくことだと思っております。この不正行為に対する対応につきましては、起きた内容は調査報告書も含めて省に報告を本日行いましたので、指示に従う、もしくは追加のご質問とかございましたらお答えするという形になっていくと思います。
読売新聞:つまり今回新たに分かったエンジンについては、不正な手段でもって型式指定を取ったと言えるのか言えないのかというとどちらになるんでしょうか。
小木曽:われわれ、やはり型式の指定の発行はメーカーが行っているというよりは、認証試験の中で申請を行い、省から型式指定をいただいております。今回はさまざまな不正行為がございます。結果として、あと性能も未達のものもあれば、一部の不正はあったんですけれども性能は満足しているものもございますので、これらにつきましては全てを国土交通省に明示するというか、包み隠さず透明性がある形でお伝えし、対応処置を決めていただくことになると思います。3月4日の時点では性能未達だったものに対してエンジン4機種の型式の取り消しという処分をいただいております。
3月4日に公表した分の型式再取得への影響は
読売新聞:つまり現時点で今回判明した分のエンジンについて、不正な形で型式指定を取ったか取ってないかについては分かると思うんですけど、その辺りについてはどうなんでしょうか。
小木曽:機種別の状況につきましては、お手元あればですけど、プレスインフォメーションの例えば5ページ、1事例だけでご紹介しますが、現行のE9といっている平成28年の排ガス規制の全エンジンバリエーションの中でマル1からマル10の不正行為が何かしらあったということになります。見ていただいて分かるとおり、N04CのHC-SCRは不正は1つもありませんが、それ以外はなんらかの不正があったということでございます。先にこちらを説明すれば良かったかもしれないです。
読売新聞:となると今回判明した分についても、型式の取り消しは可能性は高いのかなっていうようなことは推測されるというお考えでいいんでしょうか。
小木曽:こちらの内容につきまして、どのように対応されていくかっていうのは、やはり省に報告をし、決めていただくことになると思います。
読売新聞:分かりました。で、2点目になんですけれども、その3月4日に公表されたエンジン4機種については、時期が来たらまた型式の再取得に向けた動きをされるということに伺っていたんですけれども、今回新たに不正が分かったことで、その3月4日に公表した分の再取得については何か影響は出るんでしょうか。
小木曽:やはり3月4日に国土交通省に4機種の不正と、3月4日のときは、同時にその4機種は性能未達であった、燃費が3機種、排ガスが1機種という不正の報告、性能未達と不正の報告をいたしました。このときに国土交通省からいただいた指示は、真因の究明と再発防止ということでございました。ということで真因の究明ならびに、そのときも現行規制とオンロードといわれるところまででしたので、これから特別調査委員会で過去もオフロードの建機メーカーのものも調べ、真因を明確にして対応を進めますというご指示をいただいておりましたので、その報告を本日したことになると思います。
認可については国交省が進めるもの
ですからこれを踏まえて次に向けてどういった対応をしていくかというのをやりとりをしていくことになると思いますので、何か突然これ出てきたので3月4日にというよりは、3月4日にご報告をさせていただいたときに過去とか建機メーカーのもの、それから外部による真因の究明を指示いただいて、外部によるはわれわれ決めたんですけど、ご指導いただいたものに対して今回調査報告書結果とわれわれの調査結果を報告し、また次のステップに対してご指導とかをいただいて対応していくということになります。少し説明が回りくどくてすいませんでした。
読売新聞:とんでもないです。となると3月4日の分については今回のこの調査報告が出来上がったからといって、すぐさま、じゃあ型式の再取得に向けて近々で動きだすとか、そういう可能性は低いと思ってていいんでしょうか。それともそういう動きがあるんですか。
小木曽:少し繰り返しになってしまいますが、やはり認可に向けてどのように進めていくか、いただけるかというのは、国土交通省さまのほうで進めていくことですし、われわれから申し上げることではないと思いますので、常に全てを透明性を持ってつまびらかにお話をし、指摘されたことをしっかり調査をしますし、今回は調査委員会からの指摘というのは会社そのものの風土や仕事の仕方に関わってると思いますので、われわれ自身が将来に向かって生き残っていくためには、自ら自主的にやらなければいけない部分も含まれていると思います。徹底的に進めてまいりたいと思います。
司会1:それでは一度、ここでオンラインでご参加されている方の質疑応答に移らせていただきます。
リコールによって今期の営業成績がどのような影響を受けるか
司会2:オンラインでご参加の方のご質問は音声のみの対応とさせていただきます。ご了承ください。Zoom機能の挙手ボタンを押していただきます。こちらでご質問者の選定を行い、ご質問者の所属とお名前をお呼びいたします。お名前をお呼びしましたら、マイクをオンにしてご質問を開始してください。
それでは質疑応答を開始させていただきます。ご質問のある方は挙手ボタンを押してください。それでは物流問題研究所の西さま。よろしくお願いいたします。西さま、マイクをオンにしてご質問をお願いいたします。
物流問題研究所:最初の質問でございます。3月の時点で型式が取り消された、この機種につきまして、型式、復活するという方向に動いてらっしゃると思いますけれども、いつごろになるのかっていうことですね。これが1番目です。2番目の質問は、新たなリコールの発生によって今期の営業成績がどのような影響を受けるか。以上、2つについてご質問いたします。よろしくお願いいたします。
小木曽:1点目のご質問ですけれども、3月4日に型式取り消しという処分をいただいております。少し、先ほどの質問の回答とかぶるところはありますけど、もう一度整理してご回答させていただきます。3月4日の型式取り消しの処分をいただくタイミングで国土交通省より徹底的な調査と再発防止というご指示をいただきました。この調査というのがやはり、いつ、どのようにという過去、ならびにオンロードだけではない建機メーカーさんのところ、これを特別調査委員会に委嘱をして、今回、調査報告をしながらわれわれの現時点での再発防止を報告させていただいております。
ということからしますと、1つずつわれわれとしてもお客さまに迷惑を掛けて出荷を停止しておりますので、前へ進めることをやってございますが、今日ご報告をさせていただいたり、この場でも第1部、2部でもご指摘いただいたように、調査結果はかなり多岐にわたりメーカーとしての責任も重たいというふうに感じております。
今後につきましては、次に向かってわれわれがさらに対応を進めていく必要はあるのかなとメーカーとしても思っておりますが、新たな認可とか、次へのステップというのはやはり型式の認証でございますので、国土交通省のほうで決めていくことになりますので、私からはなかなか申し上げられないところでございます。1日も早くするためには、前へ進むためには、今回の問題を重く受け止めて、しっかり進めていくということだと思います。
1つずつ確実に前に進めていきたい
少し補足をさせて、周辺でいただきますけれども、3月4日以降も国土交通省からもやはり日野のこの不正があった事実に踏まえて、足元で確認、再生に向けてやっている試験ですね、確認の試験、技術検証という名前でやっておりますけど、これが本当に妥当かどうかはよくよく調べてやるようにというご指導もいただいておりますので、われわれは、今日の再発防止にも書いてございますけれども、以前、不正が起きたときとは大きく変えて、認証の試験、確認試験といえども全て品質本部に所属する法規認証のところで整備をした規定類で行っておりますし、この内容につきましては島本先生もいらっしゃる調査委員会のほうにも進め方が妥当であるということを確認していただきながら、1つ1つ確実に前に進めていこうと思っております。ただ、やはり事案の重大さに鑑みて、認可につきましては引き続き監督官庁のご指示をいただきながら進めていきたいと思っております。ご質問に対する回答が長くなってしまいました。
2点目の、新たなリコール等の処置の事業への影響でございますけれども、今回、内容が明確になったばかりでございますので、今後、事業への影響をしっかり精査して、事業に織り込む内容につきましてご説明ができるように、しっかり確認を行い、明確になった時点でまたご案内をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
物流問題研究所:ありがとうございました。
司会2:次のご質問者さまです。ナックの西村さま。お願いいたします。
ナック:聞こえますでしょうか。
司会2:はい。聞こえております。
顧客に対してどのように対応してきたのか
ナック:AJAJの西村直人といいます。短く2点お願いいたします。3月からおよそ5カ月間の間ですけれども、一番不安に思われているお客さまに対して、具体的などんな対応をされてきたのか、1例、2例挙げていただければと思います。2つ目なんですけども、日野自動車さんは国との連携、商用4社との連携でトラックの隊列走行というところで重責を担われていると思います。またさらに、先般のCJPTでも非常に大きな責任がある、車両も開発されてるというところなんですが、そういったそのほかの、今回の事象とは別の要件で、例えば社内的なちょっと問題というところが見つかるのか、見つかっていないのか、それともそれは別に切り分けて考えておくべきなのか、その辺りをお話を伺いたいと思います。
小木曽:1点目、3月から5カ月がたっております。お客さまに対する対応でございますけれども、今回の不正行為について真因の究明だけでも本日まで掛かっておりますので、さまざまなご心配とか、あとは大型のトラックが止まっていることによって、予定していた車両が入ってこない。どのくらい遅れるかというのはまだ前例のない事案でございますので、予定をお伝えすることができない。こういったことで、さまざまなお客さまへのご迷惑、ご心配をお掛けしています。ただただ申し訳ないというふうに思っております。
分からないときには、なんとか、なるべくお客さまの近くへということで、われわれのメーカーからも四十数名のメンバーが販売会社に赴いて、そこに常駐して、販売会社と共にお客さまの困り事、ご要望を聞いたり、1つ1つの会社さんの困り事への対応を聞いたりというようなことをしております。本来であれば問題を早く直し、新たな車をお届けしたりすることが一番だとは思うんですが、やはり今回起きた事象が重たいものですから、全員で、メーカーの社員全員で手分けをして、お客さまの現場に出向いていろんなお話、ご要望を聞く、違うものでも何かお役に立てることがあれば協力をさせていただくと、こういったことを進めております。
一方で、違う意味のお客さまですけど、われわれの出荷が止まりますと、仕入れ先の皆さまが大変困りますので、仕入れ先の各社の皆さまのところにも足を使って赴き、お話を聞き、困り事の対応、また業績が厳しいところはわれわれが計画していた購入をできないわけですから、その部分の対応、補償といったこと、細かくやってきております。
将来に向けて良い取り組みができるように
2点目のご質問の、国との連携も含めて、自動運転についてとか、あとはCJPTでさまざまなプロジェクトをやってございます。こちらにつきましては、今回いろいろ指摘をいただいておりますので、足元の新しい仕事についてはより改善したメンバー、チーム、体制で臨むようにしています。足元でリソーセスの状況というのはそれほど余裕がございません。今回の問題にも向き合わなければいけない。ただ、やはり将来のお客さまのための仕事は大切でございますので、少し取り組むプロジェクトの数等をしっかり選び、その選んだプロジェクトについて、しっかり集中して社員が取り組めるようなことを気遣って進めてまいっておるところです。
まだまだ至らぬとこはあるかもしれませんが、将来に向けての取り組みについても、今回の件から多くを学んでより良い取り組みができるように臨んでいきたいと思っております。
ナック:ありがとうございました。
司会2:次のご質問者さまです。東洋経済の【タカハシ 02:18:02】さま、お願いいたします。
新たな不正を認識したのはきのうか
東洋経済新報社:よろしくお願いいたします。東洋経済のタカハシです。私からも2点なんですけれども、まず1点目なんですが、今回新たな不正といいますか、問題が何点か出てきているんですけれども、確認なんですが、この件は小木曽社長はじめ日野自動車が認識したのはきのうっていうことなんでしょうか。
小木曽:はい。今回、この特別調査委員会による過去の不正全容調査報告でいただきましたのは昨日でございます。全容は昨日となります。実際は特別調査委員会に全面的に調査をお願いしていますので、われわれも1つ1つの過去のデータ、インタビュー、あとはデジタルのデータ、会議議事録等は一緒になって調査協力をしておりますので、どのような進捗で進めてきてるかということはある程度把握しておりましたが、最終的な、調査委員会が確認、検証終わって、全体としていただいたのは昨日ということになります。ただ、調査協力して進めていってる中で、どういったエリアをどのように進めているかというのは当然、協力するという立場で把握してた部分がございます。
東洋経済新報社:今回新たに出てきた部分っていうのは非常に重たい内容で、あらためて調べ直さなきゃいけないのだなと思ったんですけれども、ちょっと翻って考えますと、6月に株主総会をやった際にはある程度、たぶんこれに近いようなことっていうのはある程度把握されてたんだろうとは思うんですけれども、そこでご説明とかないまま株主総会をやりました。結果、賛成率自体は前回よりかは下がっていますけれども、今の取締役っていうのは選任されておりまして、こういったことがある程度把握しているにもかかわらず説明しないで株主総会を開いて、それで取締役体制を決めたっていうのは、これはある程度、株主に対する裏切りになるんじゃないかと思うんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
小木曽:申し上げましたとおり、今回のこの不正行為の内容につきまして、確認取れて入手したのは昨日ということになります。株主総会のタイミングでも、3月4日に発生した問題と、それに対する再発防止ということではさまざまなご説明、やりとり、資料を少し付けさせていただいたんですが、4日の時点で、3月4日で公表した不正案件でもやはり根っこにございますのは申請する、認証試験をする部分と開発する部署が一緒であったこと、やはりデータがきっちりと保管されずに、これが、3月4日の時点では、例えば1事例ではA05のHCのように途中で劣化していたものを替えてしまっているにもかかわらず、それが正式に記載されていないと。
株主総会では新たな問題を説明しなかったが
そこからしっかりひもといていっても、今回の調査報告書に関連することが想定できるような事案はございましたので、3月4日の事案に対しての真因と再発防止っていうことをわれわれメーカーなりにやってございました。こちらにつきましては少し、説明が分かりやすかったかどうかは別として、株主総会のときにも時間を掛けてご説明、ご報告をさせていただいて、新体制を承認いただいたということになります。今回の事案につきましては調査委員会に委嘱していたものを、今回、8月の2日の本日の会見の前の1日にいただいて確認をしたということになります。少しリアリティーを持ってご理解いただきたかったので説明が冗長で長くなったかもしれませんけれども、そういった内容でございます。
東洋経済新報社:確認なんですが、株主総会の場で3月4日に報告した以上の問題が発生しそうだみたいなご説明はされていないですよね。
小木曽:はい。その時点ではやはりまだ追加の不正行為があるかどうかっていうのは明確になっていなかったですし、われわれも情報を正式に、というか情報をいただけていませんでしたので、その時点で分かる範囲のことをご説明し、ご質問に答えて、株主総会を執り行ったということでございます。
東洋経済新報社:分かりました。それともう1点目、それとつながるんですけれども、足かけ20年弱にわたって不正がずっとあったまま、是正されないまま、三菱自動車の件もあって、報告でも、ちゃんと報告しなかったっていうことなんですけれども、これは、例えば内部通報制度だとか監査制度だとか、その辺りに不備がなかったのか、報告書でもいろいろ触れられていますけれども、どうしてこういうことが下から上がってこないっていうことに対してはどのようにお考えでしょうか。
不都合な報告を上に上げるようにすることに尽きる
小木曽:当社においても、今、足元のところではもう内部通報制度ですとかコンプライアンス系の仕組みを充実し、まだまだ、より透明性のある職場、会社にしていきたいというふうに思っておりますが、そういったことを充実させていこうとしています。今回の調査報告を、私自身も300ページをきっちり今から読み込みたいと思います。
昨日の時点で見れるだけは一気に、斜めに見ましたけれども、やはりここから読めることというのは、もちろん内部通報も大切でございますが、やはりパワートレーン実験という1つの部署、1つの担当者ではなくて、第1部の後半にも伝えましたとおり、1つの部署で長期間にわたって問題が継続して表に出なかったというのは、やはり会社の風土とか仕事の仕組みの中で、悪いニュースが下から上に上がりにくい。これは、もちろん内部通用のようなショートカットも大事だと思いますけれど、通常はやはり、会社の仕事の不都合なことですので、これは不正をするのではなく、当たり前ですけれども、問題が解決していない、日程が間に合わない、これを上に上げるようにすることに尽きると私は思います。
それと斜め読みをした調査報告の中には、冒頭のご質問にも、いただきましたけれど、トヨタの仕組みを一部入れてるところがあります、形として。チーフエンジニア、車両のチーフエンジニアがいます。それからエンジンの主査というのもいます。で、パワトレの実験の部署がいます。ここは大きなエンジン、車両のプロジェクトであれば横通しで、今回の規制の、例えば燃費のハードルは高いけれど、どうなったんだろうとか、困ってないかとか、車全体で、少しお話もあったかもしれませんけど、車全体でどうしていくんだろうか。劣化耐久試験というのは一番開発の中で日程が掛かるものの1つでもあります。ですからこれは日程の中で、みんなで心配をすることですし、その耐久試験に入る前に最終形に近い開発は終わっていなければいけないと思います。
「親会社のトヨタとも連携していきたい」日野自動車会見8月2日
日野自動車は2日午後、記者会見を行った。
※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)」に対応しております。
◇ ◇
風土改革は多少なりとも進んでいないのか
小木曽:こういったことを1つ1つ横のつながり、上下のつながり、特に下から上へ困り事が上がるように、もしくは上は下に困り事を聞きにいくように、こういったことをやはりやれる、これ風土と言ってしまえば一言で済んでしまいますけれども、これはやはりこれからの時代、コンプライアンスファーストといわれる時代には、大切な経営マネジメントの1つではないのかと思っております。3カ月といわれたリードタイムの中ではそういったことをきっちりと明確にして実行できるような、社員全体で実行できるような形に持っていきたいというふうに思っております。
少しいただいた質問とずれた回答かもしれませんけれども、素直に正直な考えと今意識していることを申し上げました。以上でございます。
東洋経済新報社:ありがとうございます。ごめんなさい、ちょっと確認だけなんですけれども、3月に発表されてから3カ月、4カ月ぐらいたちました。北米の問題考えれば1年以上たってるわけで、この間にそういったところで良くなっているんでしょうか。
小木曽:もう一度質問を。
東洋経済新報社:北米の問題が発覚してからですとだいぶ時間がたっていますけれども、こうした風土改革みたいなものっていうのは多少なりとも進んでいたりはしないんでしょうか。この間、何も良くなってないっていうのではちょっとおかしいと思うんですが。
言いたいことがしっかり言えるように方針転換
小木曽:実は19年に気付きだしながら調査を開始し、国内の問題に気付きだした、国内にも調査を開始して、やはりこういったことが大切であると言いだしたのが20年の終わりぐらいでございます。21年は昨年になりますけれども、昨年度から会社方針の中に少し企業風土の改革をしていこうというものを入れ始めました。それとともにコンプライアンスの枠組もしっかり整えやってきております。
今年の3月以降につきましては、3月の翌月の4月からの新しい会社方針では偶然ではございますけれども、今回調査委員会に指摘されてるように、やはり自部署だけではなくしっかり連携をしていくこと、あと社員の職場風土そのもの、それから困り事、言いたいことがしっかり言えるようにという趣旨の会社方針に大きく方向性を変えてこぎだしております。
あとプレスインフォメーションにも書きましたけれども、同時に今年の6月に発行いたしておりますけれども、日野の企業理念と行動規範、行動指針、こういったものがかなり前につくられたもので、いわゆるこういったことが盛り込まれていなかったものですから、社員にも入ってもらったチームをつくって、基本理念と行動規範、通称、3点をセットして「HINOウェイ」という形に名付けたんですけれども、こういったものをつくり、検討を開始して、改善をだいぶ進め始めております。
ただ今回の、やはり指摘をいただくと、まだまだスタートして前よりは良くなってると思いますが、企業の風土とか組織にまつわるところはさらに改善をしていかないといけないというふうに認識しております。
東洋経済新報社:分かりました。すいません、たくさん質問してしまいました。ありがとうございます。
司会1:それでは再び会場でご参加の方からのご質問をお受けします。いかがでしょうか。それでは一番向こうの青いシャツの方、お願いいたします。
担当役員以外は何も知らないということへの感想を
中島南事務所:すいません、中島南事務所です。よろしくお願いいたします。報告書の73ページにあります劣化耐久試験について言及されているところなんですけども、あ、72ページですね。役員がその劣化耐久試験について、【当時 02:31:58】担当役員以外は何も知らないということが指摘されているんですけれども、この点についてお読みになった感想をちょっと教えてください。それは良くないことなのか、今現状の役員の方はどうなっているのかということ。
それと72ページにベンチ不足に対する認識の齟齬というので黒丸がいっぱいあるんですけれども、これはどういうふうに読めばいいんでしょうか。よろしくお願いします。
小木曽:調査委員会報告書も、私自身もまだ受け取ったばかりですので、全てがこの場でお答えできるほど読み込めれてはいません。ちょっと2点目のご質問につきましては、この場でまだ回答できるだけの理解と読み込みになってございませんので、1点目の劣化耐久をやはり役員のクラスで知らない人がかなりという辺りのコメントですけれども、当然認証試験とかエンジンの専門のところというのは専門性が高いので全ての役員が知っているべき事象ではないのかなと私は思います。ただ、開発の担当とか、日程進行管理をするような担当であれば、やはり把握するべきではないかな。
関連役員は知っているべきではないか
これはやはり開発の役員にとどまらず、先ほどの話と少しかぶるんですけれど、プロジェクト進行を一緒に進めていくプロジェクトチームの横のつながりですね、エンジン単独でお客さまに出ていくわけでは、特にトラック、バスの場合はプロジェクトの中でチーフエンジニアがいて、大日程を立て、その中で進行していきますので、そういった場合で劣化耐久試験というのはかなり目立つ存在であるというふうに意識していますので、やはりこの部分は1つの部署に全ての仕事と、仕事ともに課題とか悩みとかを封じ込めてしまった、これが直接関与がなかったとしてもやはり背景的な原因になってるんじゃないかと重く受け止めるべきだと思っています。役員会全員知ってるべきとは思いませんが、関連の役員は知っているべきではないかと思っております。
ちなみに現在の役員層は全員よく理解しております、当然でございますけれども。
中島南事務所:ありがとうございます。
司会1:それでは一度真ん中の一番前の方、お願いいたします。
トヨタの子会社化がプラスに働かなかったのはなぜか
中日新聞:中日新聞の安藤と申します。よろしくお願いします。2点お願いします。いずれも親会社のトヨタとの関係に関わるところ、2点お尋ねします。
1点目は、問題発覚からこれまでの対応、それから今日以降の今後の対応について、トヨタと一緒になって対応していく部分、トヨタのなんらか支援なり、親会社としての対応っていうところをご承知の範囲でご説明いただけたらなと思ってます。
もう1点は、この一連の問題の起点が2003年ごろっていうご説明だったと思うんですが、2001年からトヨタの子会社になってるかと思います。先ほど第1部の会見で、そことの相関関係といいますか、トヨタの企業統治に問題がなかったかって質問に対して、調査委員のほうでは問題、直接影響はなかったっていうご回答でしたが、ご認識が同じかどうか。また小木曽社長自身もトヨタのご出身ですが、トヨタの子会社になることが不正を抑制する、不正を断絶する、プラスの方向に結果的に働かなかったと言えると思うんですが、それはなんでだったのだろうというふうにお考えになるか、お尋ねしたいと思います。以上です。
小木曽:今、親会社トヨタ関係のご質問をいただきました。当然弊社、日野自動車は上場して独立して運営をしてまいっております。今回の問題もやはり日野自身の問題であるというふうに認識してございますけれども、大株主のトヨタ自動車でございますし、われわれの親会社でもございます。今回の件につきましても報告を必要に応じて適宜やっておりまして、今回トヨタ自動車の社長の豊田、豊田社長のほうからコメントをこの場で、この場に向けてコメントをいただいてますので、預かっておりますので紹介させていただきます。社長豊田のコメントでございます。
日野自動車自身が問題を解決できなかった
今回、日野自動車が起こしました不正行為はお客さまをはじめ全てのステークホルダーの信頼を裏切るものであり、大変遺憾に思います。このたび特別調査委員会の報告書を受領したばかりですので、まずその内容をしっかり拝見させていただきます。
豊田社長からこういうメッセージを預かってまいりました。ですので、これからにつきましても、対応につきましても、この内容をもってしっかり大株主親会社のトヨタとも連携をしていきたいというふうに考えてございます。
2点目のご質問ですね。おっしゃるとおり2001年からトヨタの子会社という形でやってきています。今回の結果は残念ながら、トヨタグループに所属し、トヨタの子会社となっていたわけでございますが、不正の抑制ができなかった。これは裏返すとやはり日野自動車自身が問題を解決できなかったことになると思います。
なぜかというのは、これから調査委員会報告もよく見て検討してまいりたいと思いますが、特にパワートレーンのディーゼルのエンジンなどにつきましては、これは乗用車とほとんど共通性がなく、エンジン、パワートレーンの分野は残念ながらトヨタとの人事交流、人材交流も非常に少なかったと思います。こういった部分も少し影響はあるかもしれませんが、いずれにしてもこれからよく中身を見ていくことと、これからはどちらかというと連携は深め、学ぶべきところはしっかり親会社に学び、これから日野自動車を再生に向けて進めていきたいと考えております。
司会1:ほか、いかがでしょうか。それでは向こうの一番前の方、お願いいたします。
不正対象者車種の台数がさらに拡大する可能性は
日本経済新聞:日本経済新聞の山田と申します。最初に、手短に事実関係の確認をしたいんですけれども、先ほど47万7000台とあったのはE8とE9の規制の車なので、それ以前の2003年からの不正の対象車種を含めると47万7000台からさらに拡大する、ひょっとすると100万台近い規模になるっていうこともありうるんでしょうか。また、その規模感についてどうみてますか。
小木曽:まず事実関係で、先ほどの台数については、あ、いいですか。
司会1:失礼いたします。ただ今のご質問に関しましては、先ほど申し上げましたけれども、E7とE6につきましては、調査報告書には機種別の不正の有無は報告されてないので、そうした意味での数字は差し上げられないんですが、E6とE7でどれだけの台数があるか、マックスっていうことになると思いますけれども。その中でどれだけのものに不正があるかは分かりませんけれども、総台数としましてはE6とE7、合計で約25万台、こういう数字になっております。以上でございます。
日本経済新聞:ありがとうございます。じゃあ現時点で分かってる範囲では、最大で47万7000台に約25万台を足したものっていうのが考えられる最大の数字という。
司会1:そうですね。
日本経済新聞:はい、分かりました。これも事実確認なんですけど、2003年の規制対応から不正があった可能性があるということで、これに向けた試験の不正が実際に行われていたのは2002年なのか2003年なのかっていうのは分かりますでしょうか。
小木曽:調査報告書をいただいたばかりですので、今ちょっとそこの中のスケジュールまでは残念ながらここで把握できてないと思います。300ページ版はかなり時系列で詳しく書いてあったような気もいたします。そちらで確認したいと思いますし、追加で必要であれば、またわれわれでも確認をしたいと思います。
今、販売を続けられるのは小型のデュトロのみか
日本経済新聞:分かりました。事実確認の最後で、今、ラインナップで販売を続けられるものっていうのは小型のデュトロのみになったという理解でいいんでしょうか。
小木曽:はい、おっしゃるとおりでございます。
日本経済新聞:それ以外の車は全て出荷できない。
小木曽:出荷が止まっております。
日本経済新聞:状態。販売も停止? 販売は継続されてるんですか。
小木曽:もう販売というか。
日本経済新聞:出荷済みのものは。
小木曽:お客さまがお買い上げになって所有権がもう移りつつあるような、在庫みたいな、流動のところは、さすがにお客さま、お支払いいただいてるものはお買い求めいただいて、万が一対応が必要なものはそのあと対応するという形になると思います。
日本経済新聞:分かりました。今回の新たに追加で判明した分については、今日、出荷を停止したという理解でいいんでしょうか。
小木曽:今回、特に不正が明確になったものについて、本日、国土交通省へご説明を、上がって、要は性能が未達ということでは、性能が確認できていて不正があったものとか、対応に困るものが、判断できなかったものがございましたので、今日、国土交通省に、いわゆる技術検証で、性能は満足しているんだけれども、過去にこういう不正があったものに対してご相談をさせていただき、正式に止めるようにという指示をいただきました。われわれのほうでは、少しその止める段取りとかはお伺いするのに当たって入っておりましたが、今日、不正全体に対しては国土交通省より性能の可否にかかわらず止めるようにという指示をいただいております。
日本経済新聞:で、今日から止めているという理解でいいんですかね。あ、分かりました。じゃあ、すいません、ご質問1点だけ。ほかの国や仕向け地への拡大についてお伺いしたいんですけども、米国と、今回、欧州についても言及があると思いますが、その辺り、不正となる可能性はどういうふうにご覧になっているのか。また、米国の調査についても、司法省の調査に協力されながら、御社として自主的な調査の結果も当局に報告してるというふうにこちらに書いてありますけども、その報告の内容っていうのは不正がありそうだという報告なのか、それともなさそうだという報告なのか、その辺りを教えてください。
E6とE7の対象台数は29万5000台
小木曽:まず米国でございますけれども、米国はEPA【カーブ 02:45:49】の当局と司法省のDOJの調査に協力をして対応しているところでございます。こちらは当局への指示に従って対応してる最中でございますので、あまり状況、内容について私どもから申し上げることができない状況でございます。ご理解をいただければと思います。そういった形です。
あとその他の仕向けにつきましては、こちらで書いてございますとおり、今回の国内に関連する、直接認証が関連するような部分については、内容につきまして各地域の当局にしっかり報告をし、指示に従うということにしております。その他の地域でまた規制法規が違うようなところは確認をしっかり進めてまいりますが、今回大きく問題になった劣化耐久試験がある部分と、ない地域もございますので、その辺りはしっかり分けて、問題の発生する可能性があるところについて重点的に確認をしてるところでございます。
司会1:すいません、先ほど私、E6とE7の合計、約25万台と申し上げましたけれども、申し訳ありません、訂正させていただきます。29万5000台の間違いでございました。大変申し訳ございません。E6とE7の対象台数は29万5000台でございます。失礼をいたしました。それでは次の質問にいきたいと、あ、それでは前から3番目の方、お願いいたします。
税制優遇への影響について具体的に教えて
輸送経済:輸送経済新聞、矢田です。よろしくお願いします。2点あります。細かい話、恐縮ですけど、プレスインフォメーションの3ページ目の(2)の機種・車種別対応のマル3で税制優遇への影響っていうのは、実際これ、どれぐらい、何台ぐらいあって、幾らぐらいの、例えばあるユーザーさんはこれぐらい払い戻しが、追加の納付があって、トータルでどれぐらいになる見込みなのか、今分かってるだけでもいいので教えてください。
あと2点目が、今回、燃費、排ガス関係なんですけれども、やっぱり使う、御社の車を買う立場としては、ほかの部分も、例えば安全面ですとか、やっぱり全般的な心配が出てくるとは思うんですけど、そこに対してはどのようにご説明されていく感じでしょうか。お願いします。
小木曽:1点目は排ガス、燃費の優遇税制への影響の、今回追加で判明した部分ですね。特に燃費が一番、優遇税制に関連いたしますので、3月の時点では現行の大型用のエンジン2機種ということで、こちらについては税金の追加の納付分を見積もって先期の決算の中に入れてございますけれども、今回、追加で判明した燃費、排ガスに対する追加納付分の金額については、これから少し、過去分に対しても含めて、どのように対応して支払う必要があるかというのは精査してまいるところです。今分かったところでございますので、これからということになります。また判明次第お伝えできればと思います。
2点目ですね。今回、エンジンの排気ガス、燃費という認証で不正行為がありましたので、日野のその他の安全についてはどうかということでございます。これ、調査委員会報告の中にもございましたけれども、今回の不正行為というのはエンジンの中のパワトレ実験というとある部署の中に長く、長い期間にわたって発生した事案でございます。ほかの部署につきましても、われわれ、今回の調査委員会ではありませんけど、一般的な経営として、トラック、バスの安全品質、特に安全に関わる品質は最重要事項でございますので、いま一度徹底して見てるところですが、今時点で大きな問題というのは見つかっておりません。
排ガス、燃費は流出すると分かりにくい
あともう1つございまして、排ガス、燃費というのは認証試験で不正が行われて流出してしまうと、なかなか市場で分かりにくい部分もあります。それも今回のように新車ではなくて耐久、劣化していったときに規制値を上回るといったような部分についてはなかなか分かりません。一方で安全品質といったものは市場のサービスとか修理履歴、現実には無償保証期間中に部品が壊れる場合もゼロではありません。やはりこの修理の状況等をしっかり見ながら安全に関わる品質に対してはしっかり見ておりますし、傾向的な不具合があった場合には省庁に、これは日本にかかわらず対応しておりますので、そういった観点からすると安全につきましては、さまざまな面で安全性が確認できていると思います。
ただ、今回いただいた調査委員会報告の中では、やはり開発から量産の品質に移るところでもっと管理をきちっとすべきではないのか、強化が必要というふうにご指摘いただいておりますので、この点をさらに織り込んで、いわゆる耐久信頼性、安全という面でよりお客さまに安心していただけるように、さらなるレベルアップを進めたいと思っております。
輸送経済:ありがとうございます。
司会1:それでは一番後ろの方、お願いいたします。
規制強化が不正につながった可能性は
ニッポン放送:ニッポン放送、畑中と申しますが、ちょっと角度を変えて伺います。これまでE6の規制のときから行うようになったというようなお話がございました。E6からE9までの規制、排ガスの強化がなされております。記憶が正しければ、このE7新長期規制は諸般の事情によって確か規制の時期が前倒しされた、2年ほど前倒しされたというように記憶しております。もちろんこれは、環境問題ですとか健康問題にも絡んでくることですので、他社もやっている中、言い訳でしかありませんし、こういった規制、基準、達成できなければそういったメーカーは淘汰されていくしかないものかと思います。
ただ、こういった規制の強化が、例えば現場の大きな負荷につながって今回のような大きな話になっていったのかどうか、そういうことは考えられないのか。現場の方からはそういった声が聞かれなかったのかというのを知りたいところです。
加えて、ディーゼルエンジンに関しましては、これ乗用車ですが、数年前にもディーゼルゲート事件というのが海外でございました。こういった規制強化がなされている中で、こういった問題が起きている。ディーゼルエンジンの将来性というのは、いったいどうなっていくんだろうかなというのが、ちょっと気になるところです。この2点お聞かせください。
小木曽:実際、E6が2003年からの規制、E7、2005年、E8、2009年、E9、2016年ということで、リードタイム、短いということは時期的に言えると思います。これはまた冒頭のご質問に対する長い回答に戻ってしまうんですけど、規制とかハードルが高いということと、やはり不正をしてしまうということは別にしなければいけないんだと思います。
やはり、これからの自動車というものはトラック、バス、まさにカーボンニュートラルに与える影響も大きいですし、乗用車も同じだと思いますので、どんどんクリーンにCO2を減らしていくというチャレンジはやはり必要だと思います。これを安心してチャレンジする、安全にチャレンジする、こういったことが大切ですので、確かにE7のスケジューリングと不正にはなんらかの、因果関係と言うと不適切だと思いますので、なんか相互作用はあるかもしれませんが、かといって不正をしない、チャレンジはする、結果に対しては正しい評価と対応をするといったことが、やはりポイントなんではないかと思っております。あまり説明になっていないんですけれども、やはりそういった背景が基に不正をするよりは、これにミートできないという事実を明らかにしていくということが、特にこれからの製造業では問われていく姿勢なんではないかと。
送り先拡大と多車種維持「社員と会話して軌道修正図る」日野自動車会見8月2日
日野自動車は2日午後、記者会見を行った。
※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)」に対応しております。
ルールの中でしっかり世の中にお役に立つように
小木曽:「HINOウェイ」というものをつくり直しましたということを先ほど申し上げました。プレスインフォメーションにも書いてございますけど、そういった価値観をこれから大切にしていこうと思います。その中で高いハードルを越えられるように人材育成、技術革新をしていくことが必要ですけれども、これはルールの中でしっかり世の中にお役に立つようにしていくということだと思っております。
2点目、ご質問に先に回答させていただくと、2点目、規制がどんどん厳しくなる中で、ディーゼルエンジンというものは非常に対応が難しくなってくる。これはそのとおりです。ただ、これ、お客さまの観点からいくと、大型の幹線輸送のトラックが一気にバッテリーEVになるのも厳しいですし、やはり日本の環境を考えると、ガソリンに置き換えるというわけにもまいりませんので、われわれはこの厳しい規制に対応するとともに、どのようにお客さまの利便性を守っていけるかということを考えてまいります。
長期的には、内燃機関を使って、よりCO2の負荷が少なくて、NOxとかが出にくい、PMも出にくい代替燃料を探してみたり、電池だけに頼らない燃料電池水素のようなものに向かってもやっていきたいと思いますけれども、これらは全てチャレンジが伴いますので、冒頭の話にいつも戻らさせていただきますけれども、しっかりチャレンジしながら、必ず正しいことをやる、そういう評価をするということが大事だと思っております。すいません。余分な回答までしたかもしれません。そういうふうに考えております。
ニッポン放送:ありがとうございました。
司会1:それではいま一度、オンラインでご参加されている方の質疑応答、お願いいたします。
司会2:オンライン参加の方でご質問のある方はZoom機能の挙手ボタンを押していただきます。こちらでご質問者の選定を行い、ご質問者の所属とお名前をお呼びいたします。それでは質疑応答を開始いたします。ご質問のある方は、挙手ボタンを押してください。それでは朝日新聞、木村さま、ご質問をお願いいたします。
朝日新聞:朝日新聞の木村です。聞こえますでしょうか。
司会2:はい、聞こえております。
多くの社員が仕向け地拡大、多車種維持は非現実と考えているが
朝日新聞:よろしくお願いします。特別調査委員会の調査報告書の真因分析のところについて2点お伺いしたいと思います。まず1点目ですけれども、真因の分析のところで、非常に多くの従業員の方がグローバルな仕向け地の拡大ですとか、多くの車種、バリエーションを維持するっていうことは今の日野にとって現実的ではないと受け止めていると、こういうくだりがあります。これが今回の問題につながったという認識を持っていることがうかがわれるというとこまで言及されています。これ、かなり重い指摘だと思うんですけれども、こういう従業員の方々の受け止めについて、トップとしてどういうふうに考えておられますでしょうか。
小木曽:今回の特別調査委員会の報告の中には、私たちの社員の声がしっかり入っているというふうに理解しています。これは、われわれ経営陣が重く受け止めて彼らの声に向き合って、経営に生かしていく、もしくは経営のかなりの部分を変えていかなければいけないというふうに考えております。
もちろんメーカーですので、企業ですので、成長は必要かもしれません。それから日野のトラック、バスを欲しいと言われれば、世界中のお客さまにお届けしたいというふうに企業としても思いますけれども、何よりも大事なのは、1人1人のお客さま、1つ1つの国に信頼をしていただける、丁寧にお役に立つということが、数を増やすことよりもさらに大切なんだということだと思います。きっとこういうことを社員の人に伝えれば、当たり前だと、なんでそうしてくれなかったんだって言うと思います。ですので、われわれは企業としての成長をもちろん目指しますけれども、まずは1つ1つのお客さまに丁寧に向き合える、品質の良い、法令を順守したものに注力していきます。
良い状態をつくれば健全に成長するのは可能
そのために、ある程度現場の声を聞いて、拡大とかバリエーションについては少し我慢をする。場合によって、今の日野からいくと、大きく我慢をする。その分できた時間で仕事の改善をして、人を育てて、より能力の高いメンバーがより工夫した仕事で、密度の高い仕事を仲間ともちゃんと連携をしてするようになれば、良い方向へ回っていくんではないかと思っております。
ですので、グローバルの拡大とか、バリエーションっていうこと、先にやり過ぎて、負のスパイラルに入ってしまったというふうに理解していますので、ここは少し踊り場をつくりながら、今申し上げたような考え方、優先順位で、社員の人たちとも会話をして、軌道修正を図っていきたいと思います。いったん良い状態をつくれば健全に成長していくということは可能だと思っておりますので、まずはそういう会話にできる状態、スタート台に立つところまでを目下のところは目指していきたいというふうに考えております。
朝日新聞:ありがとうございます。そういう問題意識に対して会社として、なんらかの回答を示す必要があるように思われるというふうにも指摘を受けてますけども、今おっしゃったようなことをちゃんと経営計画みたいな形であらためて示すというお考えはおありでしょうか。
小木曽:あります。実は先ほど少しお話がありましたとおり、私どもは昨年からいろいろ調査を継続して、問題が少なくとも3月で発生してる事案までは認識しておりましたので、本年度の計画にはやはり身の丈に合った、1つ1つのお客さまに向き合うためにはどのような計画にするんだという軌道修正を始めております。ただ、まだまだ足りないと思いますので、3カ月と申し上げた日程の中でより具体的な内容、体制含めて、もっと進めていきたいと思っております。社員とも会話をしながら、具体的な対応をみんなで考えて、実行していこうと考えております。
朝日新聞:ありがとうございます。真因についてもう1点お願いします。上司に逆らえないっていう雰囲気が醸成されやすく、結果パワハラが生まれやすくなっていると、心理的安全性が確保されにくい組織となっているという指摘を受けています。この今回の指摘を受ける前から社長として、こういう組織体質が日野にはあるというようなご認識はあったでしょうか。
日野の社員は非常に素直で真面目
小木曽:今回、特別調査委員会で多岐に調べていただいた結果を真摯に今受け止めている次第でございます。一方で、日野自動車そのものも社員の職場風土のアンケート等はこれまでもずっと取ってきております。当然アンケート結果というのは、何千人の社員の声がございますので、どこの部分をどう捉えるかというのはありますが、自分は、社員、現場で何が起きているかというのは大変気になる性格、それから、昨年から社長というポストでやってまいりましたので、そのアンケート、日野で実施したアンケートも夜な夜な全部読んだりしております。その中にこういった意見も入っていたことは当然、気付いておりましたので、よりこれを真正面に受け取ってやっていきたいと思います。
これは、上から下へパワハラっていうような言葉だと、ちょっと言葉だけが先に走って誤解を得てしまうこともあるかもしれませんが、やや日野の社風、社員というのは非常に素直で真面目っていう面がございますので、やはり上下の関係があると、言われたことをとにかく守ろうとする。問題があっても守ろうとすると。
こういった傾向から、なかなか下から上に上がりにくかったということもやはりハラスメントという以前にあったと、あると認識しておりますので、この辺りも会社としてやはり、仕事の現場、これは製造の現場でも開発の現場でも、お客さまの営業の現場でも、そういう現場で起きていることが最も会社の中で優先順位が高く、そこを中心にみんな仕事しようよというふうに変えていくと、ネガティブなワーディングということではなく、より良い方向へ、この日野の社風をベースに良い方向へ持っていくことができるんではないかと考えておりますが、これは社長1人ではできないことですので、関係するマネジメント層から1人1人の元気な新入社員まで、一緒になって考えて対応をしていきたいと思っております。
朝日新聞:ありがとうございました。
司会2:ただ今、オンラインでのご質問をお受けしております。ご質問のある方は挙手ボタンを押していただけますようお願いいたします。ただ今、オンラインでのご質問を受け付けております。では会場のほうにお戻しいたします。
司会1:それでは会場の皆さま、はい。じゃあ一番前の方、お願いします。
一部生産開始車種を再び生産停止することはあるのか
日経Automotive:日経Automotiveの【ホンダ 03:08:56】と申します。よろしくお願いいたします。3月に公表されてた出荷停止をした車種で、一部生産再開していると聞いております。今回のことを受けてこちらの車種について再び生産を停止するようなことはあるのでしょうか。
小木曽:3月4日に停止した車両のうち、大型のトラックのA09のエンジンにつきまして、こちらは燃費が届出の数値に満たさず、排ガス性能としては満足しております。再申請可能になった場合には燃費値を修正するという形を計画していたものですから、われわれメーカー側の責任で少し少量だけ生産を開始しております。これ、目的は、再開したときにお客さまをお待たせしていることもあって、一気にというようなことになると仕入れ先さんも含めて、生産のリードタイムの長いものは止めておくと海外で製造しているものなどはパイプラインが、いわゆる船で輸送する期間が掛かるので、いろんなご相談をさせていただいて少量を開始したという次第です。
ただこれはあくまでメーカー側で生産をしているだけであって、認可をいただいておりませんので、出荷はしておりません。今回、問題の全容が明確になりましたので、これをベースに今後生産の調整をどのようにしておくかというかというのは、また製造の状況とか仕入れ先とかいろんなことを相談しながら対応を決めていきたいというふうに考えております。
少量生産する車種を増やす可能性は
日経Automotive:その場合に少量生産する車種を増やすといったようなことも考えられるのでしょうか。
小木曽:これからの計画はまだ決まっておりませんけれども、3月4日に止まったもののうち、今回E13Cのエンジンにつきましては排ガス性能の問題が明確になりましたので、これはこれから省との相談になりますけれども、もちろん排ガス性能を満足するものに変更する必要があります。変更した場合は変更の内容に基づいて劣化耐久試験等々をやり直す必要がありますので、これらの検討が必要ですので、今後すぐに増やしていくという可能性はあまり高くないと思いますけど、将来の計画は都度都度、生産の状況とか仕入れ先、関係会社さんの状況にもご相談をさせていただきながら決めていきたいと思っております。
日経Automotive:分かりました。ありがとうございます。
司会1:では後ろの方、お願いいたします。
3月時点での不正確認台数は何台だったのか
時事通信:時事通信社、【トヨダ 03:12:18】と申します。再度の数値の確認で申し訳ございません、先ほど広報の方から47万7000台と、あと最大で29万5000台というふうに不正が確認されている台数についてご説明いただいたんですが、これに対象する3月時点での影響台数、不正確認台数っていうのは何台だったのでしょうか。というのは3月の会見ではちょっとこれと対応しない数値をいただいているようにも見えるので、3月時点で何台だった影響が何台になりそうだという形で教えていただければ助かります。
司会1:はい、少々お待ちください。3月の時点で公表しました台数は不正が確認され、性能的に満たされてないものということがございますので、数字につきましては少々お待ちいただけますか。
お待たせいたしました。3月時点の台数は2万2893台になります。
時事通信:2万2893台。
司会1:そうですね。
時事通信:ありがとうございます。
司会1:はい。ほかいかがでしょうか。では真ん中の方、お願いいたしします。
企業風土改善とコンプライアンス強化、どの程度時間がかかりそうか
日刊自動車新聞:日刊自動車新聞、永田と申します。よろしくお願いします。主な再発防止策の中で、体制およびプロセスの改善というのは実施済みということなんですが、やはり企業風土の改善とコンプライアンス強化、ここは社長としてどれぐらい時間が掛かるものなのか、その辺をどういうふうに考えていらっしゃるか、あらためてお聞かせください。
小木曽:はい。ご質問を念のため確認させてください。再発防止のところで、主な再発防止のところでコンプライアンス強化のところの、どのぐらい?
日刊自動車新聞:企業風土の改善というのがどれぐらいたてば改善されるのかというふうに、長く掛かるのか、その辺の感覚的なものをちょっと教えてください。
小木曽:企業風土の改善っていうのは実はゴールがないぐらいずっと持続的に続けないといけないことだとは思っておりますが、今回ご指摘をいただいたような問題点については、やはり3カ月で具体的な計画等、実行をしっかりスタートしながらやっていく必要があると思います。やはり1年後、来年、1年単位ぐらいでかなり良くなっているっていうような形にしていきたいと思います。特にこの企業風土そのものですね。
一方でその間、必ずコンプライアンスは守らなければいけないものですから、少し繰り返しになりますけど、さまざまな制度によってコンプライアンスが守られるようには徹底して枠組みで固めていくんですけど、やはり全員が悩むことなくコンプライアンス優先の行動を取り、上司が必ずそういうふうに会話をし、で、この企業風土がいいということは、他部門と一緒になったら相手の部署のことをよく思って全体最適で動く、こういったのを達成しようとすると3年掛かりぐらいであるレベルに持っていくということだと思います。私も親会社にいたり、部品サプライヤーにいたり、関係会社を非常勤で見ることもたくさんありましたけれども、さまざまなレベルがございますが、この企業風土のところで全員で全体最適で助け合うというのが完璧にやれてたことは過去自分でもあまりありませんので、満足せずに毎年毎年やっていく必要があります。
ただ今回、日野自動車でいきますと、もともと調査委員会に今日3つの真因と言っていただいたエリアについてはかなり大幅な改善が早急に必要というふうに認識しておりますので、3カ月で方策とすでに実施していることを加速し、1年ごとに大きく進んでいく必要があると思います。なかなか風土のところなので、やはり概念的な説明になってしまいましたけれども。これをとにかく会社の最優先事項にするということを経営層から職場の先輩といわれる人まで理解して行動に移すということだと思っております。
日刊自動車新聞:ありがとうございます。
代表取締役として続投するのか
司会1:ほか、いかがでしょうか。それでは向こうの方ですね。お願いいたしします。
東洋経済新報社:東洋経済の井上と申します。よろしくお願いいたします。1点目に質問なんですけれども、責任の追及っていうのは免れないと思うんですけれども、報告書が出る前に下さんが辞められたり、普通、執行役員とかって辞める以前に続ける前提で自分というのは二の次でたぶん続けられると思う中で、辞められるっていうのは非常にちょっと疑問が残ってはいるんですね。
今回、再発防止策とかも非常に大事なところ、組織風土を変えていくとか、将来のことについて考えるのは非常に大事なことだと思うんですけれども、5~6年の話じゃなくて20年って、これかなり長い話だと思うんですね。これで責任の追及というのは非常に大事なところではあるんですけれども、今の現時点で、調査報告書を読めていない部分はあるかもしれないんですけれども、小木曽さんとしてどう見ていらっしゃるのか。ご自身の代表取締役としても続投し、続けられるのか、あらためてお伺いできればと思います。
小木曽:ご質問の、今、中でおっしゃっていただきましたけれども、調査報告書をいただいたばかりでございます。この内容と、内容に応じた、われわれ、また再度、確認、調査、検討を尽くして、現在の自分も含めた経営層ならびに下も含めた過去の経営層に対しての責任については厳正に、しっかり対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
今後も調査を続けるのか
先ほども少し申し上げたんですが、今回多くのステークホルダー、お客さま、皆さまへご迷惑をお掛けしておりますので、やはり次に向けての体制というものを考える必要がありますので、併せて考えていきたいと思っています。とにかく今回起きた事案というのは、確かに特定の部署で不正そのものは起きておりますが、起きてしまった背景というのは経営の体制に調査委員会から報告していただいたように、やはり責任がございますので、厳正に対処してまいりたいと思っております。私自身も同じように対処していきたいと思います。
東洋経済新報社:ありがとうございます。あともう1点なんですけれども、今回、特別調査委員会による調査がいったんは終了して、報告書をいただいたっていう1つのゴールが来たというとは思うんですけれども、今後、切りはないとは思うんですけれど、2000年前半の規制対象のエンジンで不正行為があったということは、おそらく2000年ちょうどだったりとか、下手したら90年代にまでさかのぼる可能性もあるんですけれども、御社として今後もまた調査を続けられるんでしょうか。
小木曽:こちらはまだ今後、検討させていただくことになると思います。調査委員会の説明の中でもございましたとおり、今回、われわれから調査委員会には可能な限り、さかのぼって調査を委嘱しておりました。実際、調査に協力させていただきながら、これ、外部でやってるんで、われわれが入り込むことはできないんですけど、協力をさせていただいておりましたので、調査委員会の先生方はさかのぼれるだけの全てのデジタルデータから、会議議事録から、ヒアリング、全てを尽くして、あとわれわれの技術情報も含めて、さかのぼった結果、2003年までさかのぼれたというのが実態でございます。
これ以上のことが可能かどうかというのは、また結果を見ながら検討していきたいと思いますが、現時点でまだ決まっておりません。これを待つよりは今回なぜ起きたか、どのように起きたか、何が問題かというのはおそらく、もうすでに分かりますので、分かったことに対して厳正に対応、対処して再発防止、二度と起きないようなことをまず加速していきたいというふうに考えております。
東洋経済新報社:ありがとうございます。
司会1:真ん中の方、お願いいたします。
再発防止策は平凡に見えるが
日経クロステック:何度もすいません。日経クロステックの近岡と申します。再発防止策を見ても、正直、なんて言うんですかね、きらりと光るものはなく平凡なものだと思います。特に他社と変わったところがないなっていう印象です。そもそも赤字に追い込まれて、そこからトヨタに救済されたという経緯があります。そうそうたる経営人材が投入されてきたと思っています。
それなのに、つまりトヨタ流まで注入されておきながら、20年間にわたって不正が続いていたということを考えると、本当に直るんですかねと。不正が今後、再発しないっていうふうに社長さんは断言できますでしょうか。特に20年間の間に自ら不正を行いながら、あるいは不正を隠蔽しながら、幹部になった人も正直いると思うんですね。そういう人たちが、はい、今日から、今までは不正をしてきたけど、これからは不正をしません、しないようにしていきましょうっていうふうに変われるものなのかっていうのがちょっと分からなくて、その辺について不正がないっていうふうに断言ができるのか、その理由をお教えいただきたいです。
小木曽:そんな簡単に変われるものではないっていうのが先に、同じ認識をしております。今回、私どものプレスインフォメーションに書いてある再発防止というのはご指摘いただきましたとおり、今回分かった不正行為に対してどうやったら取りあえず流出防止ができるのか、通称、止血、血を止めるという、止血といわれる流出防止をしたのにすぎないと思っております。ただ、こちらはやらないと、今のままでは品質が保証できませんので、止血をしっかりやっていきます。
体制をつくるだけで3カ月掛かると思う
ただ、後半のところに少し職場風土とか、コンプライアンスとか書いてございます。この、おっしゃっていただいたように、2001年に大変な思いをした日野自動車がトヨタグループに入って、ある程度の枠組みを入れたにもかかわらず、やはり中身のところで、品質優先だったり、人材育成に至ってなかったところというのは、今回のこのプレスインフォメーションの内容だけで変わるとはまったく思っておりません。今回の調査委員会の報告を、たぶん、これをわれわれがそこをヒントとしてしっかり読み込んで、社員と考えて、どのようにやっていくのが筋道かと、これを決める。そのリーダーの人材をある程度明確にするとか、体制をつくる。これだけで3カ月掛かると思います。
2つ前ぐらいのご質問にありましたとおり、これを1年1年きっちりやって、おっしゃっていただいたとおりです。その1年1年やっていく中でそういうことが分かる人が20代の若者でも、30代の若者でも、40代、若者じゃないかもしれませんけど、そうやって育っていって、次々とたすきを渡していく、そういう会社になっていくというふうにしていくのをこれからやっていきます。ただ、不正を起こした会社でございますので、流出防止は少し厳しくきっちりやって、足元ではご迷惑をお掛けしないようにということは、みんなで目を凝らしてやっていこうと思っております。
日経クロステック:ありがとうございました。
司会1:はい。ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは本日の会見はこれで終了とさせていただきます。小木曽社長、退出をお願いいたします。
小木曽:ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
司会1:会見を終了させていただきます。ありがとうございました。
(完)【書き起こし】日野自動車会見8月2日
燃費試験などのデータ改ざんで経緯説明 日野自動車が会見(2022年8月2日)
