企業にガス使用制限令 政府新設、秋に法改正 節ガス策の一環で
政府は、企業や家庭のガス消費の節約(節ガス)策の一環として、使用量が多い企業を対象とした使用制限令を新設する。法律に基づいて政府が使用量抑制を命じる強い措置で、秋に想定される臨時国会でガス事業法改正を目指す。
電力については、電気事業法で政府が大企業に対し使用制限を命じることができる規定があり、故意に違反した場合は100万円以下の罰金が科される。
一方、ガス事業法には同様の規定がないため、「いざという時の緊急事項を準備しておく必要がある」(経済産業省幹部)と判断した。
ロシアのウクライナ侵攻で液化天然ガス(LNG)の安定調達への不安が高まっていることを踏まえ、経産省はガス使用の抑制を求める「節ガス」策の策定を進めている。
節ガス策は、まずは企業や家庭に自主的な節約を求め、不十分な場合は使用量が多い大企業に数値目標を設けて節約を要請することなどを検討。使用制限令は、それでも足りない場合の「最後の最後の手段」(同省幹部)として導入する方針だ。
LNG調達を巡っては、日本企業も参画するロシア極東サハリンの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」でロシアが揺さぶりを強めている。プーチン大統領が6月末、サハリン2の運営を新会社に引き継ぐ大統領令に署名。ロシア政府は今月3日、新会社設立を命じる政令を公表した。日本側は新会社への出資で権益を維持する方針だが、ロシアの対応次第で排除されたり、供給が止まったりするリスクが出ている。
同じくロシア産の天然ガスに頼っている欧州では、供給が止まる事態に備え欧州連合(EU)加盟各国が8月~来年3月末のガス使用量を自主的に15%削減することで合意。ガス不足がさらに深刻化した場合、過半数の加盟国が賛同すれば各国に消費抑制を義務付けることができる措置も盛り込んだ。
