若い人に多いコロナ後遺症、共通点は「ブレーンフォグ」…医師「改善まで数か月以上かかる印象」

若い人に多いコロナ後遺症、共通点は「ブレーンフォグ」…医師「改善まで数か月以上かかる印象」

 新型コロナウイルス感染者数の群馬県の累計は、8日に10万人に達するのが確実な状況だ。2020年3月の感染初確認から約2年4か月で、県民の約19人に1人が感染した計算になる。感染者の中には無症状や軽症で済んだ人がいる一方、後遺症に苦しむ人も少なくない。専門家は、感染後2か月たっても後遺症が続く場合、相談するよう呼びかけている。

 県内は今年初めからオミクロン株の流行で感染者が急増した。それに伴い、後遺症に悩まされる患者も増えているとみられる。

 「自信があった記憶力が落ち、同時並行で物事を進められなくなった。症状には波があり、いつ出るかが読めない。仕事も早く再開したいのに……」。後遺症に悩む高崎市の派遣社員の女性(23)が不安を訴えた。

 女性は1月中旬に感染した。39度前後の熱と多発するせきに悩まされ、自宅やホテルで10日ほどの療養を余儀なくされた。

 だが、これらの症状が改善して自宅に戻っても、体のだるさが残り、数歩歩いただけで息切れした。睡眠を7~8時間取っても起床できず、一日中横になったままの日もあった。

 何度か復職を試みたが、頭にもやがかかったようになる「ブレーンフォグ」と呼ばれる症状が表れ、作業内容を忘れたり、上司に判断を仰ぐ際に状況を説明できなかったりして、休職せざるを得なかった。

 4月から市内の病院に通院し、漢方薬を1日2回服用しているほか、重い物を運ぶことなどの激しい動きをなるべく避けている。徐々に改善しているが、まだ意図と異なる文字を書いてしまうこともある。「気のせいだろう」「単なる風邪では」といった言葉をかけられるのもつらかった。

 世界保健機関(WHO)は新型コロナ後遺症の定義を、感染後に少なくとも2か月以上続き、他の病気の症状として説明がつかない体のだるさや息切れ、思考力や記憶への影響がある状態などとする。感染直後から続く場合と、回復後に表れる場合があり、症状の程度は変動するとしている。

 ただ、原因が解明されておらず、明確な治療法もまだない。女性は「治る見通しが立たず、日常生活に支障が出ている人がいることを知ってほしい。専用の相談窓口が県内にもあるとよい」と語った。

■20~40代多い傾向…群馬大・小和瀬桂子教授

 新型コロナの後遺症を診察している群馬大の小和瀬桂子教授(内科医)に、症状や治療について聞いた。

 ――患者の傾向は。

 「20~40歳代の比較的若い人が多い印象だ。全身のだるさのほか、記憶力が低下する、いわゆるブレーンフォグは共通する症状。デルタ株が流行した昨年は味覚障害もみられたが、最近はほとんどない」

 「普通の疲れとは全く異なり、近くのコンビニに歩いて行ったり、少し家事をしたりするだけで息切れしてしまう。診察中も横になる方がいる」

 ――どのような診察、治療をしているのか。

 「医療機関から紹介された患者さんを診ている。新型コロナの後遺症かどうかを見極めるため、まず心臓や肺、血液を検査する」

 「新型コロナ後遺症の特効薬は、現時点ではない。せきにはせき止め薬、不眠には睡眠薬といった、症状を和らげる対症療法を行う。全身のだるさや集中力の低下は、専門医と協力し、漢方薬を処方している」

 ――症状が改善するまでに、どれくらいかかるか。

 「症状が比較的軽い方を診ていないからかもしれないが、数か月~1年はかかる印象だ。感染して2か月が過ぎても症状が続くようなら、かかりつけ医に相談してほしい」

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