「弾は体内を直線的に通るわけではない。組織が損傷しじわじわ出血する」 救命救急医に聞く 安倍元総理の救命措置は

「弾は体内を直線的に通るわけではない。組織が損傷しじわじわ出血する」 救命救急医に聞く 安倍元総理の救命措置は

日比麻音子キャスター:

7月8日に行われた病院での会見で何が語られたのか、そこから当時の状況、容体などを見ていきたいと思います。

7月8日午前11時30分頃です。安倍元総理応援演説を開始直後に背後から銃撃されました。そして、2発目の発砲が首に当たり、心肺停止状態になり、正午ごろ、ドクターヘリで現場から病院に搬送されましたが、午後5時3分、病院で死亡が確認されました。

その約1時間後に病院で会見が行われ、このようなことが話されました。

まず、病院へ到着したとき、既に心肺停止状態であったということ、さらにはこの会見の中では、既に現地で心肺停止だったということも報告されています。続いては、首に2ヶ所の銃創があったことがわかっていて、弾丸について、銃弾については確認されていません。銃創の位置を簡単にまとめてみました。

当初速報では、後ろから襲われたといった情報がありましたが、銃創の2ヶ所が実際にあったのは、体の前、首の真ん中よりも右側だったという発表があり、この2箇所の距離は、5センチ程度だったとわかっています。大きさは非常に小さく、深さは心臓にまで達するほどだった、このような発表がありました。そしてさらには、こちらも体の前です。体の前の左側の肩の部分に傷があったとも発表されています。実際にこれは肩に抜けたのか、2発目が当たったのかあるいは1発目とは別の銃弾だったのかもしれないと、この傷に関しては詳細は明らかにされていません。しかし、心臓や胸の辺りの大血管に損傷があったことがわかっています。

■当時の容体は・・・

二宮先生、ぜひ伺いたいのですが、どういった傷だったのか推測できるでしょうか?元日本医学科大学 特任教授 二宮宣文先生:

銃創で一番怖いのは大血管です。心臓だとか胸部大動脈とかいうところを損傷したと思いますが、首のところから入ったのが心臓まで達するということであって、実際に治療された先生が心臓と大血管に損傷があったとありますから、本当に大出血を起こして出血死になったのだと思います。

ホラン千秋キャスター:

何時間にもわたって輸血が行われたと発表されましたが、やはりこれだけ出血してしまうと、輸血をしても厳しい場合があるということなのでしょうか?

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

現場の先生は止血操作は大体終わったのだが、凝固障害という大量輸血による血液が止まらなくなるようなことが起きるんですね。それで、いろんなところからじわじわと出血して出血死になったと思います。

ホランキャスター:

それは輸血の際にありうる症状ということなんですね?

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

今回の場合は、何万CC、100単位以上大量に輸血をされていますから、ポンプでどんどんどんどん入れても、その分出血してきて出血傾向があって止まらなくなったというのが現実だと思います。

日比キャスター:

お話にもありましたように、この止血・輸血は、約4時間半にわたって行われたと発表がありました。先生からも輸血量に関しては、100単位以上といった説明がありましたが、これはかなり命の危険に関わる量ということでよろしいでしょうか?元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

やはり100単位というのは何万CCになるわけですね。何万CCということは、それだけ大量に出血していることですから、当然命に関わる問題だと思います。また、100単位入れてうまく凝固障害が起きなければ、出血さえなければ、本当に助かった命かもわからないと思います。現場の先生は本当に最大限の努力をされたと思います。

井上貴博キャスター:

その最大限の治療が行われる中で、病院側の説明にもありましたが、基本的な手術としては、止血箇所をまず特定してからなんだという話もありましたね。

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

そうですね、でもお話されたように、大血管と心臓に外傷があったということですから、そこがメインの出血箇所だと思います。そこに関しては、現場の手術された先生がほぼ止血手術は終わったとおっしゃっていましたので、ただ時間はかかったと思いますが、その間の大量輸血や出血性ショックから立ち上がれなかったのが原因だと思います。

井上キャスター:

現場の先生は、止血のメインのところをコントロールできた部分もあるが、出血が止まらない部分もあった、そういった表現もしてらっしゃいました。

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

出血が止まらない部分というのは、例えば弾は直線的に通るわけではなく、いろんな内部組織とかが損傷してます。そういうところからじわじわ出血が出てきます。いろんなところからじわじわ出てくるものに関しては、止血は非常に難しくなります。その結果だと思います。

井上キャスター:

かなり広範囲で、見ていかないといけないということですか?

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

広範囲ではなく、凝固障害が起きると、いろんな部位から全身から、例えば鼻血が出るように、お尻から出るように、いろんな部位から血が出てきて止まらなくなります。

日比キャスター:

傷以外にも血が止まらなくなってしまった、発表でいろんなところから出血するというのはそういうことでしょうか?

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

そういうことです。大量輸血によって出血性ショックが長引いて、輸血しても輸血しても、凝固障害というか血が止まらなくなる状態になったことで出血死になったと思います。

■病院での治療体制は?

日比キャスター:

そして、治療体制についても発表がありました。最初から10人ほどはいたということだったのですが、途中で応援を呼んで、最終的には20人以上の体制で治療に臨んだということです。先生、この体制についてはいかがでしょうか?元日本医学科大学 特任教授 二宮さん:

奈良医大に関しては、万全の救命体制をとったと思います。手術を実際にやる人に関しては4人とか5人ですが、あと麻酔の先生だとか輸血をしたり、外で器具を出したりする先生を含めて大体救命センターでは、救命センター手術室という処置室がありますが、そこでは目いっぱいの人が働いていたんだと思います。

日比キャスター:

外来処置室での治療ということでしたが、これはどういうことでしょうか?

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

救命センターというのは、処置するところが即、手術室に変わることができ、5分で手術が始まることもあるし、隣に付属した救命センター、付属した手術室を持っていて、そこで大きな手術等も行える設備を持っていると思います。奈良県立医大にはその設備があり、そこで蘇生手術を行ったのだと思います。

井上キャスター:

それは、5分ほどで変えられるんですか?

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

5分ほどで手術開始できます。開頭セットや開胸セット、大量輸血セットとか、それこそ患者さんが来られたら、集まって各々分担して救命処置が始まります。

星浩コメンテーター:

手製とは言っても、結果的にはものすごく強力な銃だったと思いますが、この辺はどういうふうに考えればいいんですか?

元日本医学科大学 特任教授 二宮先生:

僕は兵隊ではないし銃器の専門家ではないのでわかりませんが、少なくとも、殺傷能力の非常に高い銃、そして弾を使っていたんだと思いますね。人間の体を打ちぬいて心臓まで達して傷つけるのは、相当の力がないとできないわけですから、それだけ容疑者の方は、勉強されて準備をして作ってきたんだと思います。

井上キャスター:

やはり相当な知識がないと、そういったものは作り得ないということになるんですね。

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