大学生が苦しむアルバイト先での理不尽 残業代なし、時給500円、客に怒鳴られ…

大学生が苦しむアルバイト先での理不尽 残業代なし、時給500円、客に怒鳴られ…

新生活が始まってはや数カ月。アルバイトを始めた学生も多いのではないだろうか。アルバイト先で楽しみや生きがいを見つける人もいる中で、理不尽な目に遭い、しんどい思いをする人もいる。今回は、理不尽な振る舞いをされた経験のある大学生3人に話を聞いてみた。(もあてぃー=大学2年)

塾講師で責任重く、保護者対応も「お給料に見合わず」

Aさん(大学2年女子)は、大手学習塾でアルバイト中。アルバイトの学生は1人あたり2人以上の担当生徒を持ち、学習方法や進路に関するアドバイスをしている。アルバイトを始めて約1年がたったが、「始めた頃よりもキツさが身に染みてわかるようになってきた」という。

「アルバイトは担当は塾内のミーティングにも参加します。担当生徒の志望校合格という責任もあり、仕事で一切油断はできません。雑務もあります。電話に出た際、いわゆる『モンスターペアレント』のお母さまからクレームをいただいたときは、対応に苦労しました」

また「最低賃金に近いお給料が労働に見合っていないと思う」と感じている。「時給のこともですが、何より残業せざるを得なかった際に『残業代を出せない』と言われて驚きました」

仕事量が多すぎてシフト内に終わらず、最終的には自分の時間を削り、自宅で仕事をすることもあるというAさん。「自分のすべきこと、大学の課題なども多いのでサービス残業は正直キツいです」

Aさんは何度かアルバイトをやめることも考えたことがあるそう。しかし、自分の持つ生徒のことを思うとなかなか決断が難しいようだ。

経験積めるが交通費なし、「時給500円」

Bさん(大学2年女子)は建築関係の職業を目指す努力家。建築家のセミナーに自ら参加したり、教授に積極的に声をかけ、学びを得ようと努めている。

そんな中、Bさんは教授から設計事務所を紹介された。そこはBさんと同じ学科の先輩も何人かアルバイトとして所属している。「学外だからこそ得られる学びもあるので。自宅から事務所までは少し遠いこともあって悩みましたが、結局通うことにしました」

アルバイトを始めて数カ月。確かに学びは多く、刺激的な体験ができた。好きなことを生かせる。模型を作ったり、同じ志を持つ先輩方と交流したりすることは、Bさんにとって大変貴重な経験だ。

しかし、楽しいばかりではない。遠方から通うBさんにとって交通費が出ないことは経済的な負担が大きい。時給は500円。法律に基づく最低賃金を大きく下回る違法な金額だ。

「職場の人はみんな優しくて居心地がいいです。でも時給を上げてもらうには、ある社員さんをつかまえて話をしなければならず、シフトがかぶらないとなかなか会う機会もないので、交渉するチャンスがあまりありません。全員時給を上げてくれたらいいのにな、と思ったこともあります」

ボランティアでもなく、アルバイト。なぜこのような待遇でもBさんはアルバイトを続けるのでしょうか。Bさんは、こう答えた。「勉強させてもらっている身だから……」

「値段に見合わない」と怒鳴られ

Cさん(大学2年女子)はショッピングモールのフードコートでアルバイトをする大学生。お昼や夕飯時は驚くほどひっきりなしに客が来るという。「確かに飲食業はお客さまあってのお仕事です。ですが、あまりにも自分勝手というか…対応が大変なお客さまもいます。例えば、お食事後トレーを返却していただいた際、『なんだこの料理は! 値段に見合わない味だ』と怒鳴られたり、忙しい時間帯にキッチンが間に合わず、一度レジを止めた後『すみません。お待たせしました』と言うと『なぜ自分の前で止めたんだ!』と言われたり、理不尽なことでおしかりを受けました」

フードコートは家族連れやカップル、お年寄りなど幅広い方が利用する場所。それぞれのお客さまに合った対応を心がけていても、理不尽な振る舞いを受けることも多い。このようなことが続き、Cさんはアルバイトをやめることも考えている。

理不尽な振る舞いを受けたら

3人を見てもわかるように、理不尽な目に遭っても環境の良さや経験がつめるなど理由からアルバイトを続ける人が多くいる。

大学の学生課や労働基準監督署、自治体の相談窓口などで相談に乗ってもらえる。違法な処遇や、理不尽な対応をされたら、こうした窓口や身近な人に相談したり、やめる決断をするのも一つの手だ。

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