KDDI、不適切販売を謝罪 再発防止の徹底強調

KDDI、不適切販売を謝罪 再発防止の徹底強調

 KDDIの高橋誠社長は22日、東京都内で開いた定時株主総会で、携帯電話端末の販売を巡り、回線を契約しない客に端末だけ売るのを拒否するなど不適切な行為が確認されたことについて「申し訳ありません」と謝罪した。「ルールはルールなのでしっかり守る」と述べ、再発防止を徹底する姿勢を強調した。

 個人向け事業を担当する雨宮俊武取締役は「販売店での不適切な行為が分かればすぐに対応しているが、どうしても遅れてしまうことがあり、非常に重く受け止めている」と釈明した。その上で「代理店の教育、指導に注力する」と述べた。

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「電話も、決済もできない…」利用者困惑 KDDI通信障害

2日未明に発生したKDDI(au)の通信障害では、全国的に携帯電話による音声通話やデータ通信が利用しづらくなり、家族らへの連絡が滞ったり、故障を疑って携帯ショップを訪れたりする人が続出。影響は広範に及んだ。「電話も、決済もできない」「納品の品数が確認できない」-。利用者からは、戸惑いや不安の声が相次いだ。

auショップ池袋東口店(東京都豊島区)には2日午後、通信障害を知らせる看板が入り口に設置され、スマートフォンを手にした客が状況確認のため、次々と足を運んだ。中には「早急に連絡をとりたい」と店の固定電話を借りる人の姿もみられた。

近くに住む女性会社員(56)は、山口県にいる母親が先週、熱中症で倒れ、携帯で連絡をとっていたという。「最初に行った別のショップでは『暑さによる故障では』といわれ、ここで初めて通信障害だと知った。容体は落ち着いているが、もし(倒れたのが)今日だったらと思うと…」。自営業の男性(26)は「連絡はもちろん、携帯に入れているポイントカードやQR決済も使えない」と、ため息をついた。

東京駅(千代田区)の八重洲口にある公衆電話コーナーには、5台並んだ電話機を使う人々がひっきりなしに訪れた。

千葉県の会社員、千葉飛鳥さん(32)は、会社の用事で上司に連絡しようとしたが、自身のスマホがauのため公衆電話を利用。だが上司のスマホもauのためつながらず、「もうどうすればいいのか分からない」と、途方に暮れた表情を浮かべた。

埼玉県に住む60代の男性会社員は「家族と食事をしようと思って公衆電話で連絡をとったが、待ち合わせのやりとりが難しいので『やっぱりやめよう』となった。こんなことでは困る」と不満をあらわにした。

影響は、入場の際にスマホ決済の利用が進むコンサートにも。東京ドームシティホール(文京区)で行われる歌手、佐野元春さんの公演を観に来たという那覇市の女性会社員(54)は「チケットサイトにつながらず、スタッフに事情を説明しようと開演の2時間前に来た。同じような人はたくさんいると思う」と話した。

携帯で連絡を取る仕事に携わる人にとって、通信障害は業務に影響が出かねない切実な問題だ。冷蔵トラックで飲料を運ぶ仕事をしている千葉県の男性(49)は「納入先に品数を確認しようとしたが何度かけてもつながらず、結局、今朝はこちらで納品数を予測して運んだ。電話がつながらないと時間のロスにもなるし、本当に困る」と嘆いた。

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補償規定は「24時間不通」 KDDIが検討表明、対応に注目

 通信障害を起こしたKDDI(au)の高橋誠社長は3日の記者会見で、利用者への補償を検討すると語った。ただ個人向け携帯電話サービスの契約ルールを定めた約款では、サービスを全く利用できないか、それと同程度の状態が24時間以上連続した場合に「損害を賠償する」と規定。今回の「利用しづらい状況」が当てはまるかどうかは不透明で、実際の対応が注目されそうだ。

 KDDIの約款は、24時間以上続けて不通であれば、基本使用料の日割り額や、直前6カ月間の1日当たりの平均通話料・データ通信料などを基に24時間単位で損害額を算出し、契約者に支払うとしている。

「全面復旧は5日夕めど」 KDDI、つながらない場合「再起動を」

 KDDIは4日夜、オンラインで会見を開き、大規模な通信障害について全面的な復旧は5日夕方をめどにしていると発表した。障害は2日未明に発生。4日夕に音声通話とデータ通信ともに全国的に「ほぼ回復した」としている。つながりにくい場合は電話機の再起動などを試すよう促している。最大で約3915万回線に影響したという。

「責任を果たしていない」閣僚から批判相次ぐ KDDI通信障害

 通信大手KDDI(au)の大規模な通信障害を巡り5日、閣僚からは批判が相次いだ。

 金子恭之総務相は5日の閣議後記者会見で、通信大手KDDI(au)の大規模な通信障害に関し「復旧作業終了と公表した後も通話が利用しづらい状態が続いた。利用者目線で責任を果たしたとはいえない」と述べ、KDDIの情報周知に問題があったとの認識を示した。

 金子氏は「前例にない大規模な障害。同様の事案が二度と生じることがないよう抜本的な検討が必要だ」と指摘。利用者への通知方法を含む一連の対応についてKDDIに報告を求め、外部有識者を交えて検証を進めると強調した。

 KDDIの通信障害は2日午前1時35分ごろに発生。全国で音声通話やデータ通信が利用しづらい状況となり、携帯電話の利用者など最大3915万回線に影響が出た。KDDIは4日午後に音声通話、データ通信とも「全国的にほぼ回復した」と公表したが、その後も顧客の利用状況の確認が続いており、完全復旧したかどうかは5日夕をめどに判断するとしている。

 通信障害の影響で気象観測データの収集や物流など幅広い分野に混乱が広がった。119番通報にも支障が出たことに対し、金子氏は「命に関わりかねないことに影響が出たことは極めて遺憾。事態を深刻に受け止めている」と述べた。

 大垣共立銀行(岐阜県大垣市)の現金自動受払機(ATM)の一部も利用できなくなるなど決済機能にも影響が広がり、鈴木俊一金融担当相も同日の閣議後会見で「大変遺憾だ」と批判した。【加藤美穂子、高田奈実】

医療現場でトラブルも

 後藤茂之厚生労働相は5日の閣議後記者会見で、KDDIの大規模通信障害の影響で、一部の医療や介護の現場でトラブルが生じたことを明らかにした。固定電話や別の通信会社の携帯で代替し、対応したという。

 厚労省は現在、各都道府県から情報を収集している。それによると、当直医師や、新型コロナウイルス感染症の療養者が利用する酸素飽和度を測る機器「パルスオキシメーター」を配送する運転手、訪問看護ステーションなどと連絡が取れなくなったという。

 通信障害を受け、厚労省は4日、各都道府県に事務連絡を出した。リスクの高い在宅患者と連絡が取れない場合の連絡手段の確保や、訪問による安否確認などの体制整備を求めた。後藤氏は「医療や介護の提供に重大な支障がないよう、日ごろから体制を取っていく」と強調した。

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公衆無線LAN、通信障害に無料開放は可能? 関係団体が対応検討へ

 携帯電話大手KDDIの大規模な通信障害では、ネットにつながる代替手段が求められた。災害時には通信各社などでつくる「無線LANビジネス推進連絡会」が、公衆無線LAN「Wi―Fi」を無料開放する仕組みがある。今回のような障害時は対象になっておらず、見直しを求める声がある。連絡会側は今後、対応を検討する方針だが、課題も多い。

 KDDIの障害は2日未明に発生し、5日午後に全面復旧を確認するまで86時間かかった。音声通話やデータ通信が利用しづらい状況が長時間続いた。

 そのなかでも、スマホが無線LANにつながればデータ通信は可能だった。スマホアプリ「LINE」などで発信することもできた。駅や飲食店などの無線LANのスポットで、スマホを操作する人もいた。

 いまは全体的に固定電話が減り、携帯電話が普及している。スマホを保有する世帯の割合は9割近くに上る。いつでも、どこでもネットにつながるスマホは、生活に欠かせないものになっている。

 連絡会は災害時に通信できなくなることを想定し、公衆無線LANを無料開放する際のガイドラインを定めている。ネットワーク名は「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」で、誰でも使える。

 2011年の東日本大震災をきっかけに始まった取り組みだ。16年の熊本地震から本格的に運用されている。これまでは、今回のような障害で無料開放した例はない。

 連絡会は「様々な意見を頂いている」としており、ガイドラインの変更なども含めて検討を進めていく方針だ。システムのトラブルなどによる障害でも、「利用者にとっての影響の深刻さは自然災害と変わりはない」とみている。

 ただ、障害時の無料開放は簡単ではない。現状では、被災者が安否確認や情報収集に使うことを前提に、誰でも使えることを優先している。通信の暗号化などのセキュリティー対策はしていない。多くの人が急に利用すれば、障害を起こしていない事業者に影響が広がることも考えられる。

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