静岡県の大規模会場でノババックス接種開始「副反応が少ないので」副反応の頻度はファイザーやモデルナより低い

米FDA、ノババックス製コロナワクチンの心筋炎リスクを懸念

米食品医薬品局(FDA)は3日公表した文書で、ノババックスの新型コロナウイルスワクチンについて、接種した人が心筋炎を発症するリスクがあると懸念を示した。

ノババックスが2020年12月から21年9月まで3万人近くを対象に行った臨床試験では、新型コロナウイルス感染症が中等症から重症になる可能性を減らす効果が判明した一方、接種後20日以内に4人が心筋炎になったことも分かった。

新型コロナウイルスワクチンのうち、モデルナなどが手掛けるメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンは既にごくまれに心筋炎を発症するケースが報告されている。ノババックスのワクチンはmRNAではなく、組み換えタンパクワクチンと呼ばれるタイプだ。

ただFDAは「臨床試験結果からは、ノババックスのワクチンでもmRNAワクチンと同様の(心筋炎との)因果関係に懸念が生じる」と指摘。ノババックスに対して、心筋炎と心膜炎に関して「重大と認識されたリスク」があるとの警告をワクチンに表示するよう求めていると述べた。

ノババックスは今のところこの要請に応じていない。FDAが提起した問題に対しては、臨床試験結果を全面的に分析した結果として、同社ワクチンと心筋炎の因果関係を成立させる証拠は不十分だとの見解を示した。

ノババックス接種開始 「副反応が少ないので」 静岡県の大規模会場

17日静岡県内で確認された新型コロナの新規感染者は浜松市で50人、静岡市で43人など計214人でした。新たなクラスターや死亡した人は発表されていません。

感染状況が改善される中、県は17日大規模接種会場でも、国内4種類目となるノババックスのワクチン接種を始めました。

厚生労働省はこれまでのワクチンでアレルギー反応が出た人なども接種できると想定しています。

接種した人(50代・3回目) 「周りで3回目打った人で熱が出た人がいたので、より副作用の少ないものを選びました」

接種した人(20代・初めて)「アレルギーがあるのでちょっと副反応が怖いなというところで、今までとは違うワクチン、いろいろ調べたら副反応も少ないというので、今回(接種を)決めました」

県の大規模接種会場では8月末までノババックスのワクチン接種をしており、枠が空いていれば予約や接種券がなくても接種できるということです。

ノババックス製ワクチン予約枠拡大 静岡県の大規模接種会場で

「ノババックス社」が開発した新型コロナワクチンの接種が静岡県内でも本格化する。静岡県内では17日から大規模接種会場でのノババックス製の接種枠を拡大した。

「ノババックス社」が開発した新型コロナワクチンは「組み換えタンパクワクチン」と呼ばれるタイプで、人工的に作った抗体を投与し体内で免疫反応を引き起こすため、副反応が少ないという。

静岡県の大規模接種会場では17日からノババックス製の接種枠が大幅に拡大され多くの人が訪れていた。

(県の担当者)

「本日は67人の事前予約があり、そのうちの56人がノババックスのワクチンだった」

接種対象は18歳以上の静岡県民で、初めて接種する人や2回目の接種から6か月が経過した人が打つことができる。

16日時点での静岡県内のワクチン接種率は全世代で、3回目が62.41%となっている。

静岡県は今後、10代から30代などの接種率の低い年代や副反応を気にしている人にノババックス製のワクチンを広めていきたいと話していた。

(20代男性)

「接種は今日初めて。今までとは違うワクチンというところで、副反応も少し少ないのかなと色々調べて思って今回接種を決めた」

予約は静岡県のホームページで受け付けていて、空きのある場合は、予約なしでも接種が可能。

ノババックス 副反応の頻度はファイザーやモデルナより低い

ノババックスの新型コロナウイルスワクチンは、国内で多く接種されているファイザーやモデルナのワクチンよりも副反応が出る頻度が低いとされています。

ファイザーやモデルナのワクチンは、遺伝情報を伝達する物質「mRNA」を投与することで体内で新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質が作られウイルスに対する抗体ができる仕組みですが、ノババックスのワクチンでは、人工的に作ったスパイクたんぱく質そのものを投与することで免疫の反応を引き起こします。

各社のワクチンの添付文書などによりますと、海外の臨床試験で見られた主な副反応の割合は、

ファイザーでは16歳以上で

▽接種した部位に痛みが出た人は1回目の接種後は77.8%、2回目の接種後は72.6%、

▽けん怠感が1回目の接種後は41.5%、2回目の接種後は55.5%、

▽38度以上の発熱が1回目の接種後は2.7%、2回目の接種後は13.6%、

モデルナでは18歳以上で

▽接種した部位に痛みが出た人は1回目の接種後は83.7%、2回目の接種後は88.2%、

▽けん怠感が1回目の接種後は37.2%、2回目の接種後は65.3%、

▽38度以上の発熱が1回目の接種後は0.8%、2回目の接種後は15.5%などとなっています。

ワクチンの副反応に関する厚生労働省の研究班の資料によりますと、日本国内で接種を受けた人で38度以上の発熱が出たのは

ファイザーでは1回目の接種後は0.9%、2回目の接種後は21.3%、

モデルナでは1回目の接種後は2.3%、2回目の接種後は60.1%と海外で行われた臨床試験より高い割合となっています。

これに対し、ノババックスでは18歳以上で

▽接種した部位に痛みが出た人は1回目の接種後は34.4%、2回目の接種後は59.7%、

▽けん怠感が1回目の接種後は25.6%、2回目の接種後は49.5%、

▽38度以上の発熱が1回目の接種後は0.4%、2回目の接種後は5.7%などと頻度が低くなっているほか、この臨床試験を報告した論文では、まれな副反応、心筋炎の増加は確認されなかったとしています。

ワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授によりますと、ファイザーやモデルナのワクチンでは、体内に投与されるmRNAそのものやmRNAをくるんでいる脂質の成分によって副反応が現れる一方、ノババックスのワクチンでは免疫反応を強める「アジュバント」という物質によって炎症が引き起こされて副反応が現れるということで、この仕組みの違いが副反応の頻度の違いにもつながっているということです。

臨床試験で示された有効性について各社の添付文書によりますと、

2回の接種のあと発症を予防する効果は、ファイザーが従来のウイルスに対して95.0%、モデルナが従来のウイルスに対して94.1%で、ノババックスが、アルファ株やベータ株などが多く見られた時期で90.4%だったとしています。

ただ、オミクロン株に対する効果は、どのワクチンでも下がるとみられています。

ファイザーやモデルナのワクチンでオミクロン株に対する発症を予防する効果は、イギリスの保健当局のデータによりますと、

▽2回目の接種から20週を過ぎると20%程度に下がりましたが、

▽追加接種の2週間から4週間後には65%から75%ほどに上がりました。

また、入院を予防する効果について、アメリカのCDC=疾病対策センターがオミクロン株の時期に分析したところ、

▽2回目の接種から2か月までだと71%、5か月以上たつと54%で、

▽追加接種から2か月以内は91%、4か月から5か月の時点では78%でした。

ノババックスのワクチンで、オミクロン株に対して発症や入院を予防する効果の分析結果は今のところ発表されていませんが、ノババックスによりますと、2回目の接種のあと、オミクロン株の働きを抑える中和抗体の値は従来のウイルスに対する値の4分の1以下になっていたということです。

ただ、3回目の接種を行うと、2回目の接種のあとよりも高い水準まで回復したとしています。

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