上空の作業だけで橋を撤去 阪神高速松原線で橋の架け替え工事始まる 異例の3年間通行止め
阪神高速松原線の一部区間が、橋の架け替え工事のため、6月1日から3年間通行止めとなります。
なぜ3年もかかるのでしょうか。
6月1日から通行止めとなったのは、大阪市と松原市を結ぶ阪神高速松原線の喜連瓜破から三宅ジャンクションまでの約2.5キロです。
約3年という異例の長さの通行止めで、一般道の上に架かる橋の工事が行われます。
【記者リポート】
「長居公園通りをまたぐ橋の中央部分です。このつなぎ目を中心に、橋がおよそ20センチ下に沈んでしまっています」
約40年前、当時の最先端の方法で架けられた橋でしたが、経年劣化でV字状に沈下。ケーブルで補強し、何とか維持してきました。
しかし、抜本的な解決のために、橋を新しく架け替える大規模工事に踏み切ったのです。
難題は、橋の下が利用者の多い一般道だということでした。
【阪神高速 改築・更新事業課 藤原勝也 課長代理】
「工法はかなり苦労して検討しました。類似の工法はなく、今回が初めての試みになります」
考え出されたのは、橋の下の通行を止めず、上空だけで工事を完結させようという戦略です。
まずは、橋の上にレールを敷きます。そこへ移動式の作業スペースをぶら下げ、空中で少しずつ橋を崩していきます。こうすれば一般道の通行を妨げず、橋をすべて撤去できるのです。
最終的には、交通整理を行いながら、新しい橋をはめ込んで完成となります。
【近隣住民は…】
ーーQ:橋の架け替え工事をご存じですか
「へえ~知らない、遠回りしなきゃ。…下は通れるの?それやったらいいわ」
「いやぁ、大変困ります。(一般道が)混むんだろうなと思って」
【記者リポート】
「通行止め区間の手前、喜連瓜破出口です。遠くの方まで渋滞が続いているのが見えます」
6月1日午前11時すぎ、喜連瓜破付近で4kmの渋滞が発生。一方、一般道での混雑はみられませんでした。
今後は、喜連瓜破付近の一般道で渋滞が予想されるほか、近畿自動車道の交通量が増える見込みで、阪神高速は大和川線などへの広域う回を呼び掛けています。
【阪神高速 改築・更新事業課 藤原勝也 課長代理】
「安全かつ確実に仕事を進めていくことは絶対ですし、街のシンボリックになるような、良い橋に架け替えたいと思います」
完成は大阪・関西万博の直前、2025年3月末の予定です。