4回目ワクチン接種に予防効果は期待できない…米国の専門家も指摘
全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人当たり約259人。今週先週比1.08と増加傾向となっている。
地域別では滋賀(0.82倍)、兵庫(0.95倍)などのように減少に転じている地域もあるが、宮崎(1.68倍)、大分(1.39倍)、和歌山(1.33倍)をはじめ、多くは増加を示している。
感染研は今後について「お花見、歓迎会などが行われる時期であり、特に夜間滞留人口の増加が新規感染者の増加要因となりうること、子どもは、新学期が始まり、学校での接触機会が増加する可能性があること」「BA.2系統への置き換わりが進んでおり、新規感染者の増加要因となりうる。ヨーロッパではBA.2系統への置き換わりが進み、感染者だけではなく重症者・死亡者が増加に転じている国もある」「オミクロン株に対する感染予防効果はデルタ株に比較しても低く、しかも持続期間が短いことに留意が必要」などとして感染増への懸念を示し、ワクチン接種するよう説いている。
そんな中、米国の食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルスワクチンの追加接種の必要性や変異型への対応について今後の方針を議論する諮問委員会を開いた。その中で世界で感染が広がるオミクロン型の派生型BA.2に、既存ワクチンが十分適合していないとの指摘が出たという。
諮問委にはFDAをはじめ、米疾病対策センター(CDC)や米国立衛生研究所(NIH)、世界保健機関(WHO)などの専門家らが参加した。しかもFDAのワクチン開発部門の副ディレクターは「既存ワクチンは主流となるBA.2に十分適合していない」と語ったという。
多くの専門家が4回目ワクチン接種の予防効果を否定的に見る根拠はファイザー社製ワクチンの接種が積極的に行われるイスラエルの研究結果。60歳以上のイスラエル人125万人あまりの今年1~3月の健康記録の分析で、内容は世界的に権威のある医学論文雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されている。
それによると、3回目接種群に比べて4回目接種群は接種4週目で重症化リスクは3.5分の1に低下となったものの、感染が確認されるリスクは4週目で3週群の半分、8週目では1.1分の1とほぼ戻ったという。つまり、感染予防効果は2カ月間しか持たない。
そうなると、4回目接種は免疫に問題を抱える人など感染後の重症化リスクが高い人以外、健康な人は慌てて打つ必要はないのかもしれない。ワクチンを打てば高い確率で発熱や痛みなどの副反応がある。接種のメリットとデメリット、それに接種当日の自身の体調。この3つをよく見極めたうえで接種の判断を自身で行うことだ。
4回目ワクチンの一律接種は本当に必要か? 早ければ5月に開始
新型コロナワクチンの2回目接種から半年以降に行う3回目接種がスタートして間がないというのに、政府は早くも4回目接種の検討を始めた。理由は新型コロナウイルス感染症の新規感染者、重症数、死者数が高止まりする中、入院予防効果がある程度維持されるからだという。しかし、4回目の有効性・安全性に関する知見は少ない。一体、いつまで接種を続ければいいのか?
厚労省は24日の分科会で、感染拡大第7波に備え、公費による4回目接種を実施する準備を始めることを決めた。早ければ5月にもスタートし、ワクチンは米ファイザー社製と米モデルナ社製を使う予定。3回目接種済みの人を対象にすることを前提に準備を始め、今後、接種の範囲を分科会などで検討するというが、持病のない健康な人や重症化リスクの少ない人も含めた3回目接種者全員に本当に必要なのか? 弘邦医院(東京・江戸川区)の林雅之院長が言う。
「準備するのはいいが、実際に接種する際は重症化リスクによって対象者を絞ることも必要だと思います。3回目接種後に感染する人もいて、当初いわれた感染予防効果は減少しています」
実際、ワクチン接種をいち早く始め、4回目接種をスタートさせているイスラエルのデータをもとに、「4回目の後に得られる免疫は、おそらく3回目の後とそれほど変わらないところまでしか上がらない」との見解を示している専門家もいる。欧米でも4回目接種の必要性については専門家間で意見が分かれている。
「ワクチン以外にも治療薬が揃ってきて、治療のやり方もわかってきています。2年前に中国・武漢から世界中に広まった新型コロナウイルスもその姿を変える中、武漢型に対応して開発されたワクチンを全員一律に打ち続けることの意味を考え直してもいいのではないでしょうか」
■接種後後遺症の“受け皿”も設置されているが…
しかも、ワクチン接種には数多くの副反応が報告されている。発熱や倦怠感、注射部分の痛み、筋肉や関節の痛みなどを、接種者の多くが経験している。ほとんどが数日以内で回復しているとはいえ、中には数カ月たっても回復しないと訴える例もある。接種後死亡事例の報告も13カ月で1500人を超えている。
「すでにワクチン接種がスタートして1年以上経過しています。ワクチン接種の奨励を行うのなら、副反応に対する情報をもっと積極的に広報して、その対策を進める必要があると思います。たとえば、最近は接種後の入浴で調子を崩している人が目立ちます。冬季はワクチン接種をしなくても入浴後に調子を崩す人がいることから、季節性だという人もいるでしょう。しかし、ワクチン接種後という特殊な状況であることを考えれば、大げさだとしても、そのことについても警鐘を鳴らすべきではなかったのでしょうか。また、接種後後遺症については科学的な論文がないからその存在を疑うというのではなく、それを訴える人が大勢いることを考えれば、そのための窓口や治療体制が厚生労働省健康局健康課長通知によって始まっていることを周知し、その構築をさらなるスピード感をもって行うべきだと考えています」
