ツイッター、マスク氏の買収受け入れ 総額5.6兆円
米ツイッター(Twitter)は25日、米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)による同社買収提案を受け入れたと発表した。買収総額は440億ドル(約5兆6000億円)。
ツイッター取締役会は当初、マスク氏の買収に対し防衛策を取っており、買収受け入れは劇的な方針転換となる。
マスク氏は買収合意を発表した共同声明で、「表現の自由は機能する民主主義の基盤であり、ツイッターは人類の未来にとって重要な問題が議論されるデジタルな町の広場だ」と表明した。
株主が身売りへ圧力 米ツイッター
米ツイッターの取締役会が一転して実業家イーロン・マスク氏の買収提案を受け入れた背景には、主要株主からの売却圧力の高まりがあった。
経営陣が企業価値向上の道筋を示せない中、株主はマスク氏が提示した価格での株式買い取りを選択した格好だ。
マスク氏が提案した買い取り価格は、1株当たり54.2ドル。4月1日の終値に38%上乗せした水準だったが、一部株主は「不十分」として売却拒否を早々に表明していた。
その後、インフレ抑制を目的とした米金融引き締めの加速方針が鮮明になり、景気減速懸念が高まったことで潮目が変わった。主要株主は金融緩和終結後のツイッター株の先行きを悲観し、売り時との判断に傾いたもようだ。
ツイッターは2013年の上場以来、純損益が18、19年を除いて赤字。「物言う株主」として知られる米投資ファンドは、一向に進まない経営改革にいら立ちを強めていた。ツイッターの経営陣はこうした株主を納得させる成果を挙げられず、身売りを余儀なくされた。