東芝が買収提案を「公募」…正式な募集しておらず、一部の大株主が不満

東芝が買収提案を「公募」…正式な募集しておらず、一部の大株主が不満

 東芝は21日、株式の非上場化を含めた企業価値向上策の提案を投資家から募集すると発表した。7日に社外取締役で構成する特別委員会を新設し、投資ファンドなどによる買収を含めた提案を比較検討していくと表明していた。事実上、買収提案を公募する形となる。

 投資家から提案があれば、買収価格や資金の調達方法、外資を規制する改正外為法の規制対象にならないかなどを検討する。6月に予定される定時株主総会後に有力候補を絞り込む。

 東芝は昨年、新たな経営戦略を検討する中で、複数の投資ファンドと買収や少額出資の可能性について協議したが、正式な提案を募集しておらず、一部の大株主が不満を示していた。東芝を巡っては、米投資ファンドのベインキャピタルが買収を検討していることが3月に明らかになっている。

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東芝再建に非公開化案8件、2件は上場維持 応募者は公表せず

経営再建に向けた戦略を公募していた東芝は2日、初期的な提案を10件受け取り、うち8件が非公開化に関するものだったと発表した。残り2件は上場維持を前提とした資本業務提携に関する提案だった。公募に応じたファンドなどの名前は明らかにしなかった。

島田太郎社長は同日の経営方針説明会で「これらの提案にはグループの潜在的な価値に対する大きな期待があることを感じ、大変心強い」と述べた上で、「これからあらゆるステークホルダー(利害関係者)の声を聞き、透明性を持って戦略的選択肢の検討をやり切ることが重要」との考えを示した。

東芝は今月28日の定時株主総会後、最終選考に進む候補を絞り込む。7月以降に資産査定の機会を設け、法的拘束力のある提案の提出を求めるとしている。

公募は5月30日に締め切った。同月13日時点で10社から秘密保持誓約書を受け入れていた。

公募に応じたファンドなどの名前は明らかにしていないが、複数の関係者によると、米ベインキャピタルや米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、米ブラックストーン、米アポロ・グローバル・マネジメント、カナダのブルックフィールド・アセット・マネジメント、韓国のMBKパートナーズ、英CVCキャピタル・パートナーズが買収提案を検討していた。国内勢では日本産業パートナーズ(JIP)とポラリス・キャピタル・グループが提案への参画を検討していることが分かっていたほか、産業革新投資機構(JIC)の名前も浮上していた。

原子力関連事業など経済安全保障上の重要技術を持つ東芝を買収するには外為法に基づく政府審査を通る必要があり、非上場化には国内勢の参加が必要との指摘がある。

東芝は先月、定時株主総会に諮る取締役候補に主要株主の米ファラロン・キャピタル・マネジメントと米エリオット・マネジメントから1人ずつ選任すると発表した。会社分割などによって経営再建を目指してきた東芝経営陣に対し、「物言う株主」は非公開化を求めてきた。

島田社長は、非公開化と上場維持のそれぞれのメリットを問われたが、「答えられない。(戦略的選択肢の検討プロセスが)恣意的に歪んでしまうことを恐れている」と述べるにとどめた。

一方、売却する方針だったエレベーターと照明事業については、今後の注力分野の一つとして位置付け、事業を継続することを明らかにした。2月に再編計画を3分割から2分割に修正した際に売却方針を表明していたが、「(3月の)臨時株主総会で2分割案が否決された事実を重く受け止めて、真剣に何がベストであるか考えてきた」と撤回の経緯を説明した。

東芝はこの日、2030年度に売上高5兆円(21年度実績は3兆3369億円)、営業利益3000億円(同1589億円)を目指す経営方針も発表した。

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東芝買収、JIPが最終提案 銀行団が融資確約

東芝の経営再建案を巡り、国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)陣営が、東芝に買収の最終提案を提出したことが9日分かった。買収案には金融機関からの融資が前提となっていたが、三井住友銀行など5行が1兆2千億円規模の融資を確約する文書「コミットメントレター」を出した。これとは別に、必要な時に融資を約束する2千億円の「コミットメントライン」(融資枠)も設ける。

5行は三井住友銀のほか、みずほ銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行、あおぞら銀行。銀行団は昨年中に文書を出す方向だったが、融資額の配分などで調整が続いていた。

JIPは東芝の買収総額を2兆2千億~2兆円台半ばと想定。オリックスや中部電力など企業約20社から計約1兆円の出資意向を取り付けており、残りの金額を銀行団が融資するかどうかが注目されていた。

銀行団からJIPへの文書の提出が遅れたのは、融資額の配分に加え、銀行団の中から東芝への役員派遣を求めるなど融資の条件面での調整も行われていたとみられる。

JIP案は東芝の株主から株式を取得して買収し、長期的な視点で企業価値を高めることが柱。採用された場合、TOB(株式公開買い付け)を実施し、成立すれば非上場化する。企業価値を高めた後、再上場を目指す方針。

東芝は昨年4月に再編案の公募を開始。同10月にはJIPが優先交渉権を得た。東芝は社外取締役で作る特別委員会でJIP案を吟味しており、同委はJIP案を受け入れるかの検討を急ぎ、最終的には取締役会で判断する。

東芝は同12月、株主向けに公表した声明で、経営再建案の検討状況について「必要な交渉を経た上で、可能な限り早い時期に結論に至るよう最大限の努力をする」と説明していた。

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