不登校になった長男 オンラインゲームに没頭し昼夜逆転の生活に 悩みを共有できず孤立した母は「分かり合える人がほしかった」
ほとんど着られることのなかった中学2年生の長男の制服を段ボール箱にしまいながら、母親(45)がこぼした。「ずっと孤独だった」。長男の不登校に悩み、夫を勤め先の北海道に残し、子ども4人と郷里に引っ越して1年8カ月。きょうだいにも不登校傾向が広がり、再び鹿児島を離れることにした。
長男は2020年4月、鹿児島市の中学に進んだが、すぐつまずいた。髪形が校則違反だとみんなの前で怒鳴られ、学校が怖くなり、行けなくなった。人とのつながりを求め、オンラインゲームに没頭。昼夜逆転の生活になり、食事も入浴も不規則になった。長男の居場所を探そうと、母親はインターネットで「不登校 道筋」などと検索したが、長男の特性に合った支援先を見つけ出すことはできなかった。
長男が不登校でも、PTAの会合への参加は求められた。他の親と会うのがつらい。「ゲームばかりやらせているから」「行かないことを許す親の責任」。そんな声も耳に入った。「1年生の時の担任は子どもの気持ちを尊重しながら家にも頻繁に来てくれた。感謝している」。ただ、2年生時の担任は「ビジネスライクで」良好な関係が築けなかった。親類の心配も自分が責められているように感じた。「分かり合える人がほしかった」。母親はさみしげな表情を見せた。
昨年12月中旬、薩摩川内市のすこやかふれあいプラザの一室。不登校の子どもを持つ親らが約25人集まっていた。市民団体「サークルだんでらいおん」。一人ずつ立ち上がり自己紹介したり近況報告したりする。話す側も聞く側も、リラックスした雰囲気だ。
「中学3年生の娘が中1の2学期から不登校になった。当初は悩んで悩んで毎日のように泣いて、娘ともぶつかって…。娘の気持ちを受け止めるようになってから、娘が自主的に週に1、2回、別室登校するようになった。ここで話ができて私も変われた」
スクールソーシャルワーカーに相談する保護者らが「定期的に集まる場があったらいいね」と2018年に立ち上げた。月1回集まり、子どもが参加するイベントも企画する。
澁田かすみ代表(49)は「不登校の子どもは増えているのに、親が悩みを吐き出せる場は少ない。悩みに共感したり支援情報を共有したりできる場所がもっと必要」と話す。
