ドコモが「dポイントクラブ」を6月にリニューアル 長期契約者やヘビーユーザーの還元率をアップ
NTTドコモは2月25日、ポイントプログラム「dポイントクラブ」を6月3日付で「dポイントがたまりやすいプログラム」(同社)としてリニューアルすることを発表した。ドコモ回線の長期利用者への還元率をアップする他、ポイントの獲得数が多いほど還元率が高まる「ランク制」も導入する。
●約8700万会員に達した「dポイントクラブ」
dポイントクラブはドコモが提供する無料の会員制サービスだ。店舗などでの支払い時に「dポイントカード」を提示することで共通ポイントである「dポイント」がたまり、たまったポイントを支払いに使うこともできる。
dポイントクラブの会員は約8700万人に達し、dポイントや「d払い」「iD」が利用できる場所は合算で387万カ所まで拡大した。利用されてきたdポイントは累計で1兆ポイント(1兆円相当)に達しており、2015年12月のサービス開始以来「右肩上がりで成長してきた」(伊藤邦宏マーケティングメディア部長)という。
●「ステージ制」は「ランク制」に ランクアップの機会を拡大
これまでのdポイントクラブでは、6カ月間のdポイント獲得数やドコモ回線継続利用年数に応じて5つの「ステージ」があり、クーポンや「ずっとドコモ特典」、「ずっとドコモ割プラス」といった特典を用意してきた。
しかし、継続15年以上または獲得1万ポイント以上で到達する「プラチナステージ」における特典は、抽選制の「スペシャルクーポン」「プラチナクーポン」が用意される程度で、会員から「プラチナステージの恩恵が少ない」「ステージアップのモチベーションが湧かない」といった声が寄せられていたという。
今回のリニューアルでは、「ドコモ史上最高にたまりやすいdポイント」(伊藤氏)を目指しているという。
従来の「ステージ制」は「ランク制」に改められる。従来はステージを問わず進呈されるdポイントの付与倍率は一律(1倍)だったが、ランク制では、5つのランクに応じてdポイントの付与倍率が変動する。最高ランクの「5つ星」では、「1つ星」(基本ランク)の2.5倍のポイントが付与されるようになる。
ただし、追加で付与されるポイントは「期間・用途限定」で、付与上限も1カ月当たり1万5000ポイントとなる。また、一部の加盟店でのショッピングや一部の商品の購入時は追加ポイントの付与対象外となるので注意したい。
合わせて、ランクの判定基準も変更される。ステージ制では6カ月間に獲得したdポイント数が判断基準となっていたが、新しいランク制では判定期間が3カ月間に短縮される。特に「2つ星」「3つ星」(従来の「2ndステージ」「3rdステージ」に相当)は必要な獲得ポイント数を引き下げて、すぐにランクアップできるようにしている。これにより、ドコモ回線を持たないdポイントクラブ会員も「買い物だけでもランクが上がりやすくなった」(伊藤氏)。
なお、ランク判定に使われる獲得ポイントは「dポイントカードを提示した買い物で得たポイント」「ドコモ回線の利用でためたポイント(※1)」「ドコモショップやドコモオンラインショップでのオプション品/アクセサリーの購入でためたポイント」に加えて、「『ドコモでんき』の利用代金で得たポイント」や「dカードGOLD」の特典である「『ドコモ携帯料金の10%ポイント還元』で得たポイント」も対象となる。
(※1)ポイント付与の対象外となる請求項目(一部のオプションサービスなど)がある
●「ずっとドコモ特典」は「長期利用ありがとう特典」に
ドコモ回線の利用者の長期利用特典には、「ずっとドコモ特典」と「ずっとドコモ割プラス」の2つがある。dポイントプログラムのリニューアルに合わせて、ずっとドコモ特典も「長期利用ありがとう特典」にリニューアルされる。
現行のずっとドコモ特典では、ギガプラン(※2)契約者がプラチナステージの場合、1年に1回3000ポイント(期間・用途限定)が付与される。しかし、付与を受けるには都度エントリーが必要で、通知が来たことを見逃すユーザーも少なからず存在する。エントリーの手間が掛かることへの不満の声もあったという。
(※2)5Gギガホ プレミア、5Gギガホ、5Gギガライト、ギガホ プレミア、ギガホ、ギガライト、はじめてスマホプラン(5G/Xi)、U15はじめてスマホプラン(5G/Xi)
長期利用ありがとう特典では、エントリーを不要とした上で、付与する特典を誕生月のd払い利用時におけるdポイントの還元率アップという形に変更する。例えばドコモ回線の利用期間が10年以上かつ「4つ星」以上のユーザーの場合、誕生月にd払いで買い物をすると20%増しのポイントが付与される。
この割増分のdポイントは従来と同じく期間・用途限定ポイントとなるが、ギガホ(※3)の契約者は付与上限が5000ポイントとなるため、使い方次第で従来よりも多くのポイントを得られるようになる。伊藤氏の言葉を借りれば、「シンプルに、より多くの特典を利用してもらえるようになった」。
(※3)5Gギガホ プレミア、5Gギガホ、ギガホ プレミア、ギガホ
一方で、ドコモ回線の利用期間が3年~5年で「1つ星」ランクの場合、追加ポイントが2%にとどまるため、上限までポイントを得るにはd払いで相当の金額を決済しなければならない。
なお、旧プラン(カケホーダイ&パケあえる)の契約者については、ずっとドコモ割プラスが従来通りの条件で提供される。
ahamoは長期利用特典の対象外 ランク判定は対象
なお、「ahamo(アハモ)」はリニューアル後も長期利用特典の対象には含まれない。ドコモ社内でも対象に加える検討は行ったようだが、「ahamoはシンプルでお得なブランディングで、ahamoの魅力だけでお得を感じてもらえる」(大島直樹営業戦略部長)という理由から見送られた。
ただし、ahamoの利用料金はランクの判定対象となる。
●会員向けクーポンは「dポイントクラブクーポン」に1本化
従来のdポイントクラブでは、会員向けに以下のクーポンを用意していた。
・dポイントクラブクーポン(全会員向け)
・スペシャルクーポン(4thステージ以上の会員向け:抽選制)
・プラチナクーポン(プラチナステージ専用:抽選制)
今回のリニューアルではスペシャルクーポンとプラチナクーポンが廃止される。その上で、dポイントクラブクーポンはユーザーの利用状況に応じてピッタリなものを配信することで「全てのランクの人にお得になるように拡充」(伊藤氏)される。
●リニューアル後のランクは“3月1日から”判定開始
冒頭で述べた通り、dポイントクラブのリニューアルは6月3日に実施される。ただし、初回のランク判定は3月1日から3カ月(5月31日まで)の利用分をもとに行われる。この点には注意を要する。
同社では「dポイントクラブアプリ」の刷新も予定しており、会員のランクや特典を確認しやすくすると同時に、ユーザーに最適な「お得情報」などをタイムリーに届けられるように進化させる方針だ。
伊藤氏は、今回のリニューアルが「さらにdポイントがどんどんたまる仕組み」だとアピールする。dポイントの利用者だけでなく、加盟店やパートナー企業からも「最も選ばれる共通ポイント」を目指していくという。今後のユーザーの声を踏まえて、必要であればサービスの仕様変更も検討するとしている。
ドコモ「dポイントクラブ」を改定 貯めている人ほどさらに貯まりやすい仕組みに
NTTドコモは、同社のポイントプログラム「dポイントクラブ」を6月3日に改定すると発表した。
今回の改定では、3ヵ月累計のdポイント獲得数に応じて、「1つ星」から「5つ星」まで5段階のランクにユーザーを振り分け。「5つ星」に位置づけられるユーザーでは、dポイントの獲得倍率が2.5倍となる(倍率アップ分は月1万5000ポイントの上限あり)。
従来のdポイントクラブのランク設定と比べると判定期間の短縮や必要な獲得数が下げられたほか、ランク上位でポイントの倍率が上がるなど、メリットが大きくなったことがアピールされている。
また、「5Gギガホ」「5Gギガライト」などのドコモの対象プランに長期契約中のユーザーに適用される特典も変更が加えられる。
6月に開始される「長期利用ありがとう特典」では、誕生月に「d払い」で決済するとポイント還元率がアップ。前述の「4つ星」「5つ星」でドコモ回線の継続利用期間が10年以上では、20%の還元率となる(「5Gギガホ」利用者で5000ポイントまでといった上限あり)。