雪道での基本的な走り方、雪道初心者。知っておくべき13のポイント

 冬季になると、平野部でも雪が積もることがあります。雪に慣れている人だと当たり前かもしれませんが、慣れていない人だと急な積雪に戸惑ってしまうことも少なくありません。特に、雪道で車に乗る場合、普段とは勝手が異なるので雪道での走り方を知っておくことが大事です。積雪や凍結した道路で普段と同じつもりで走行すると、スリップ事故やスタックして立ち往生し、周りに多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。誰かに迷惑をかけないためにも、雪道での正しい走り方を紹介します。

●雪道での基本的な走り方

◆アクセルやブレーキの具合をチェックする

停止時からアクセルを踏んでみて、どれくらいの強さでスリップするのかを、周りに車がいない状況で確認することをおススメします。これをすることでアクセルワークの加減が分かるようになるでしょう。さらに、低速時から少し強めにブレーキを踏んでみます。ABSの作動状況や制動距離が分かりますから、運転をする上での目安になります。

◆車間距離を普段の2倍以上あける

雪道を走るときには、いつもより車間距離を多めにとりましょう。路面が滑ることで思うように止まることができません。また、後ろから追突された際にも玉突き事故を防止する効果があります。そして、数台前の車の動きや信号の色を確認して、早めにブレーキを踏めるように心がけましょう。

◆幹線道路を中心に走行する

雪の中を車で走行する場合には、できるだけ大通りを中心に走るようにしましょう。幹線道路の方が除雪や交通量により、雪が溶けていて走りやすいことが多いです。知らない道だとカーナビを使うことがありますが、案内通りに進んでいると裏道などへ入ってしまうことがあります。すると、思った以上に雪が積もっていて、立ち往生してしまうことも少なくありません。カーナビでは道順や渋滞情報などは教えてくれますが、細い路地の積雪情報までは教えてくれません。カーナビを過信するのではなくて、自分で安全な道を選ぶことを心がけましょう。

◆フットブレーキとエンジンブレーキを使い分ける

雪道でのフットブレーキは、ゆっくりとやさしく踏んで使用しましょう。特に、ABSが搭載されていない車は、フットブレーキを強く踏むと、タイヤがロックして滑る原因になります。また、エンジンブレーキを使用して速度を落としてからフットブレーキをやさしく使用すると、安全に止まる事ができます。

しかし、スピードに乗った状態でエンジンブレーキを使用すると、急ブレーキと同じ状態になってしまい、滑る原因になります。スピードを出さない事が大前提ですが、フットブレーキとエンジンブレーキを上手に使い分けましょう。

◆「急」のつく運転は避ける

雪道での運転では、スリップしないように注意を払う必要があります。そのためには、急発進・急加速・急ハンドル・急ブレーキなど、「急」のつく運転は止めましょう。タイヤが滑ったりロックしたりするので、スリップの原因となってしまうからです。アクセルやブレーキは6分目を意識して、ゆっくりとした運転を心がけるようにしましょう。そうすれば、急のつくような操作する必要はなくなります。

◆雪道での運転が終わったら洗車がおススメ

雪道では、凍結防止剤などが撒かれていることが多いです。雪道を走った後の車には、それらが大量に付着していることがあります。凍結防止剤には塩分が多量に含まれているので、放置しているとボディが錆びてしまいます。雪が止んで晴れた日には、ボディの下やホイールハウス内を重点的に洗うようにして、凍結防止剤を取り除くことをおススメします。

雪道初心者。知っておくべき13のポイント

急速に冬型の気圧配置が強まり、大雪となる所もあります。不要不急の外出を控えるのがよいですが、どうしても出かけなくてはいけない場合、冬タイヤを装着しチェーンなど事前に準備をしておくと安心です。

ここでは雪道の基本的な運転方法やすべりやすい場所、トラブルをご紹介しますので、改めて確認しておきましょう。

① 雪道の基本的な運転方法

1.急な操作をしない

雪道は乾いている路面や雨で濡れている路面よりも、タイヤのグリップが極端に落ちるため、急ハンドルはNGです。発進時はタイヤがスリップしないよう、アクセルはゆっくりと踏みましょう。また、ムリな追い抜きも急加速を伴うのでNGです。

車間距離はいつもの2倍は保ち、急ブレーキは行わないようにしましょう。

2.エンジンブレーキを上手に使う

最近のクルマはABS(アンチロックブレーキシステム)が標準搭載されているため、雪道でブレーキをかけてもロックはしにくいですが、フットブレーキは多用せず、早めにエンジンブレーキを上手に使い、減速するようにしましょう。

3.事前にブレーキ体験する

走っている路面がどれくらいすべりやすいのかを確かめる方法として、極低速でブレーキを少し強めに踏み、ABSを動作させるというものがあります。これにより、雪道でのクルマの挙動がわかり安心です。ただし、まわりに人やクルマがいない、絶対に事故を起こさない安全な場所で自己責任において行うようにしましょう。

② すべりやすい場所と注意点

交差点、日陰、坂道、カーブ、橋の上、トンネルなど特にすべりやすいところがあります。雪が解けた後に路面が氷になるアイスバーンや、濡れた路面に見えて、実は凍結しているブラックアイスバーンもあるため、見た目だけで判断するのは大変危険です。

ブラックアイスバーンの危険性については、こちらでも詳しく紹介しています。

4.交差点はアイスバーンだと思って進入する

交通量が多く信号のある交差点付近は、クルマが発進と停車を繰り返すため、雪が踏み固められて圧雪になっていたり、エンジンの熱で雪が解けて、それが凍結していたりする場合があります。雪がないところ、積もっているところ、アイスバーンになっているところなど、路面状況の変化が激しいため、交差点の通過、右左折する場合は轍に気をつけて慎重に走行しましょう。

5.日陰はアイスバーンだと思って走行する

日陰と日向では雪の状態が異なります。日陰では雪や氷が解けずに残っていて、日向では雪や氷は比較的早く解けるため、濡れた路面になっている場合があります。この濡れた路面は、夜になると凍結してアイスバーンになることもあり、大変危険です。

6.坂道はいつでも停止できる速度で走行する

普段走っている坂道も雪が降ると全く違う「道」になります。ちょっとした勾配でもサマータイヤでは走行不能になってしまいます。下り坂の場合は十分に速度を落とし、いつでも止まれる速度でエンジンブレーキを使いながら下りましょう。SUVやワンボックスなどの車両重量の重いクルマは、坂道での制動距離が特に長くなるため注意が必要です。

7.カーブは十分に減速してから進入する

カーブでは日陰と日向が連続するところもあり、カーブに入る前は乾いた路面でも出たところはアイスバーンなど、路面状況が極端に違うことが考えられます。またカーブを曲がった先に渋滞や障害物があるかもしれません。カーブに入る前には十分に減速して、カーブに入ったらブレーキ操作はしなくても良いように心がけましょう。

8.橋の上はアイスバーンだと思って走行する

橋の上は、風で吹きさらし状態になって全方位から熱が奪われるため、アイスバーンになっていることがあります。橋の前まで凍結していなくても橋の上は凍結していると予測し慎重に走行しましょう。

9.トンネル出口はアイスバーンだと思って走行する

トンネルの出入り口では、解け出した雪が凍結していることがあります。トンネル内は雪がないため、ついついスピードが出やすくなりがちですので、出口に近づいたらスピードを落としましょう。

③ トラブル

雪道の走行では、普段は予想もできないトラブルが起きます。

10.レスキューは直ぐに来られない

積雪地帯以外で雪が降った場合、ロードサービス到着まで時間がかかることがあります。ガス欠、飲み物対策は事前に考慮しておきましょう。また排気管(マフラー)まで雪が積もるような大雪の場合は、車内で待機していて一酸化炭素中毒になってしまうことがあります。排気管の周りの雪を取り除くなど、待機中の二次災害を防ぐよう注意しましょう。

11.雪で視界を奪われる

クルマのフード、ルーフに雪が積もっている場合は、そのまま発進してはいけません。

走行中にフードの雪がフロントウィンドウに被ってしまう、ブレーキをかけたときにルーフに積もった雪がフロントウィンドウに落ちてくるなど、視界が奪われることがあるからです。クルマに積もった雪を落とすには、スノーブラシ(雪かき棒)を使用すると便利です。ルーフの高いクルマでも雪を効率よく落とせます。

12.クルマの凍結

クルマは、ウィンドウ、ワイパー、ウォッシャー液、ドアモール、鍵穴、パーキングブレーキ、軽油など多くの部品が凍結します。ワイパーの凍結を防ぐには駐車時にワイパーを立てておきます。凍ったウィンドウを急いで融かそうとしてウィンドウにお湯をかけてしまうと最悪割れてしまうので絶対にやめましょう。

ウィンドウウォッシャー液は、凍結対策として濃度を高くしておくと良いでしょう。軽油は温度が下がると凍結します。そうなるとエンジンが始動できません。そのため寒冷地の軽油は凍結しにくくなっていますが、東京などでは入手が困難なため、ディーゼルエンジンのクルマは気をつけてください。軽油の種類については、こちら(https://gazoo.com/article/daily/141201.html)でも詳しく説明しています。

13.スタッドレスタイヤは劣化する

古いスタッドレスタイヤを使っている人は注意してください。スタッドレスタイヤは一般的に3~5シーズンは使えますが、ゴムの劣化による硬化、タイヤのトレッド摩耗により、雪道や凍結路で性能を発揮できないため、タイヤの状態やタイヤの溝の使用限界を事前にチェックしておきましょう。

(補足)

大雪時は緊急措置として全車両チェーン装着規制がありましたが、行政指導で罰則はありませんでした。しかし、国土交通省は平成30年12月14日、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号)の一部を改正し、新たなチェーン規制を公布、施行しました。

この規制は、「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の規制標識を新設し、大雪時はチェーン装着車のみ通行可能とするものです。大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに実施され、スタッドレスタイヤを装着している車にもチェーンが必要になります。未装着の場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることもあります。

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