ソニー「wena 3」の革新性を取り込んだ! シチズン異色のスマートウォッチ
シチズン時計(以下、シチズン)がスマートウォッチカテゴリー「CITIZEN Smart Watch」の新製品として、ソニーのスマートウォッチ「wena 3」を最初から搭載する、異色のラインナップを発売した。今回は新しく6機種が出揃う「CITIZEN COLLECTION wena 3 搭載モデル」の中から、クロノグラフ腕時計をヘッドとした「AT2497-54E」の実機をレポートする。
テーマはアナログとテクノロジーの融合
コレクションのスタンダードモデルに位置付けられるAT2497-54Eは、価格が6万6000円。ベゼルのアクセントカラーが違うバリエーションのAT2498-51Eもある。
シチズンでは本機を開発する際、「アナログ×テクノロジー」をテーマに掲げながら、同社のスマート機能を持つ腕時計とwena 3との「融合」を深めることを強く意識してきた。wena 3のテクノロジーとデザインから受けるインスピレーションを元に、新しいバンドも開発。手首と自然に馴染む快適な装着感を実現した。シチズンとソニーのwenaがこれまでに商品化してきた“コラボモデル”よりも、一体感に磨きをかけている。
「光発電Eco-Drive(エコ・ドライブ)テクノロジー」に対応するクロノグラフ搭載のウォッチヘッドは、新しく本機のために開発した。文字盤は全体にボーダーパターンを配置して、その上に極光仕上げを施している。スポーティな雰囲気のルックスだ。夜間でも時刻表示が直感的にわかるように針とインデックスは夜光対応とした。
反時計回りに回転する逆回転防止ベゼルは、0〜15分の範囲にアクセントカラーを配置した。AT2497-54Eのアクセントカラーは上品なブルー。ブラックとのコンビネーションが映える。
ウォッチヘッドは光発電Eco-Driveテクノロジーにより、室内の蛍光灯の灯りでも充電が可能だ。例えば身に着けて室内にいるだけでも、バッテリーがチャージできる。そのため、わずらわしい“ケーブルによる充電は不要”である。
AT2497-54Eは本体の質量が約137g、ケースが11ミリとスリムだが、wena 3にも7〜8ミリ前後の厚みがある。肌に触れる内側には心拍センサーを内蔵するブロックもあるため、通常の腕時計とは少し装着感が異なっている。
バックル部分にあたるwena 3は、光発電Eco-Driveによるチャージができないため、別途ケーブルによる充電が必要。バッテリーの充電にはwena 3専用のケーブルを使う。連続動作時間の目安は約1週間。
右側面にはリュウズと、その上下に時計の各機能を操作するためのボタンがある。6時の位置のサブダイヤルに時刻を刻む秒針を置いたデザインもユニークだ。メインの長い針はクロノグラフの秒針として機能する。
スマートウォッチのAT2497-54Eを構成するウォッチヘッドとwena 3の防水機能は、ともに5気圧防水とうたっている。
シチズンのRiiiverと初めて連携するwenaが生まれた
今年7月に発売されたCITIZEN COLLECTION wena 3は、購入直後からwena 3のスマート機能が使える。wena 3については昨年末の発売後にもレポートをお届けしているが、あらためてその魅力を振り返ってみたい。
ソニーのwenaシリーズは、腕時計のバンドに多彩な機能を載せた異色のスマートウォッチだ。2016年にwena wristとして発売されてから、シチズンも含む様々な時計メーカーがヘッドをデザインした、コラボレーションモデルも展開する。CITIZEN COLLECTION wena 3は、シチズンが独自に立ち上げたIoTプラットフォーム「Riiiver(リィイバー)」と連携するスマートウォッチであるところもほかのラインナップにない魅力だ。
2020年に発売されたシリーズの第3世代であるwena 3は、多くのユーザーとファンが待ちわびたSuica対応のほか、視認性の高い有機ELタッチディスプレーを搭載する。ユーザーの手首と馴染むようにフィットするカーブを付けた本体のデザインも特徴的だ。
iOS/Androidに対応するモバイルアプリ「wena 3」から本体の様々な機能を設定する。またwena 3が取得したアクティビティログのデータもアプリから一望できる。
最もベーシックでありながらwena 3の特徴を活かせる機能のひとつが、スマホに届いた通知の確認だ。英数・漢字・ひらがな・カタカナ、記号アイコンによる最大4行の表示が大きなディスプレーでゆったりと見られる。スマートウォッチを選ぶ時の条件に「会議や講義の最中にもさりげなくスマホの通知がチェックできること」を挙げる声も多いが、本機はまさしく打って付けだ。wena 3の場合、画面表示だけでなく通知の内容を7色に点灯するLEDランプと、振動の回数・パターンが選べるバイブレーションによって知ることもできる。
Suica対応などwena 3のすべての機能が使える
wena 3は交通ICカードのSuicaに対応するIC自動改札機の利用、タッチ決済による買い物に対応する。手のひらを下に向けてwena 3をICカードリーダーにタッチする使い勝手が独特だ。Suicaの残額はwena 3のディスプレーに常時表示ができるので便利だ。
Suicaの新規発行、チャージや利用履歴は、wena 3アプリの「Payment設定」に入った先のメニューから確認する。クレジットカードからのチャージにはGoogle Payを使う。電子決済は楽天Edy、iDにQUICPayのサービスに対応しているが、先にiOS版の「おサイフリンク」アプリを使って、wena 3とひも付ける初期設定が必要だ。iPhoneからの設定にはさほど時間を取られないが、Androidスマホをメインに使っているユーザーは初期設定のためにiOS端末が必要になるので注意したい。
トレーニングなどのアクティビティトラッキングの用途に活用できるスマートウォッチを探している方にも、CITIZEN COLLECTION wena 3のシリーズがおすすめだ。
wena 3には加速度センサーのほかに、赤色・緑色のLEDで手首の血流を正確に計測できるデュアル光学式心拍センサーが内蔵されている。ソニー独自のアクティビティ記録のためのアルゴリズムにより、「歩数」「心拍数」「最大酸素摂取量(VO2 Max)」のトラッキングができる。リアルタイムに計測される心拍数はディスプレーでチェックできる。また「睡眠」「ボディエナジー」「ストレス&リカバリー」を含む6種類のログはwena 3アプリに履歴が記録される。
腕時計を身に着ける習慣がなくても、フィットネスやヘルスケアに興味がわいてスマートウォッチを買う若い世代も増えているようだ。wena 3が記録できるアクティビティの中に「睡眠サイクル」もある。
筆者はふだんから心拍を記録するために、眠る時にもスマートウォッチを身に着けている。そのためか、AT2497-54Eを身に着けてぐっすりと眠ることができた。ただ、本機は多彩な機能がしっかりと詰まっているスマートウォッチなので、就寝中も身に着けるには重いと感じる方もあるだろう。一定期間身に着けていると手首に馴染んでくるので、その後でもう一度本機による睡眠サイクルの記録を試してみてほしい。
Riiiverのプラットフォームにwena 3がダイレクトにつながる
シチズンとソニーはwena 3アプリのアップデート提供により、CITIZEN COLLECTION wena 3の各機種をシチズン独自のIoTプラットフォーム「Riiiver(リィイバー)」に対応することを明らかにしている。なお、このRiiiver対応のアップデートがシチズンのスマートウォッチに限らず、すべてのwena 3に提供されることにも注目したい。
アップデート後は、iOS/Android対応のRiiiverアプリで「iiidea(アィイデア)」と呼ばれる様々な機能を作成して、wena 3アプリにダウンロードして使う。wena 3からiiideaを動かして、降水確率やスポーツの試合情報など様々なデータが見られるようになる。
シチズンのRiiiverに対応するスマートウォッチには、本体リュウズやボタンの操作、歩数の到達、気温の変化などをトリガーにしてiiideaを起動、動かせるものがある。wena 3の場合はiiideaを動かすための操作方法も変わりそうだ。
例えばもし、こんな使い方ができるようになったら便利だろうなと、筆者は勝手に期待してしまう。wena 3は心拍数をモニタリングできるので、ある一定の数値を記録した場合、健康に関連する通知やアドバイスを届ける使い方が、できないだろうか。
Suicaによる電子決済の履歴を読み取って、お買い物の傾向を知らせるiiideaがあってもおもしろそうだ。wena 3は、Amazon Alexaによる音声操作にも対応している。iiideaを声で起動して、宅内のスマート家電をまとめて動かすといった使い方もできればうれしいと思う。
wena 3向けにRiiiver対応アップデートの提供が開始された後に、また実際の使用感をレポートしたい。
シチズンのAT2497-54Eは、アナログ腕時計としての洗練された機能とルックス、デジタルガジェットとしてのwena 3の先進性が見事に融合したこれまでにない新しいスマートウォッチだ。wena 3の操作もシンプルですぐに馴染めると思う。既にほかのスマートウォッチを使っている方もぜひ一度、ほかに類を見ない本機の個性に触れて先進性を実感してほしい。
