ワイルドすぎるスバル『WRX STI』、パワーは862馬力…米ヒルクライムで新記録
SUBARU(スバル)の米国部門は8月16日、「ワシントンヒルクライム」において、最大出力862hpの『WRX STI』に乗るトラビス・パストラーナ選手が5分28秒67の新記録を樹立したと発表した。
◆スバルラリーチームUSAドライバーのトラビス・パストラーナ選手
ワシントンヒルクライムで新記録を達成したトラビス・パストラーナ選手は1983年、米国で生まれた。もともと、2輪のフリースタイルモトクロスの選手だったが、1999年に米国の人気スポーツ番組『X-GAMES』で金メダルを獲得し、一躍有名になった。
2003年から4輪ラリー活動をスタートさせ、2006年にスバルラリーチームUSAに加入した。2008年には、ラリーアメリカで3度目のドライバーズタイトルを決めるなど、現在もスバルモータースポーツUSAで活躍中。命知らずのチャレンジャーとしても知られ、2輪による宙返りなど、さまざまなギネス記録を持つ。
◆フルカーボン製ボディのワンオフモデル
最大出力862hpのWRX STIは、トラビス・パストラーナ選手の人気映像『ジムカーナ』シリーズへの起用に合わせて、スバルモータースポーツUSAとテクニカルパートナーのバーモントスポーツカーによって製作されたワンオフモデル。
開発にあたっては、ラリー、ラリークロス、ヒルクライム、ロングジャンプでの経験を生かしながら行われた。その目的は、従来の『ジムカーナ』シリーズとは異なるスタントを実行することにあったという。
WRX STIのワンオフモデルでは、車体をフルカーボンに変更した。ワイルドに見えるカーボンファイバー製のボディパネルは、風洞実験で検証された。これは、『ジムカーナ』シリーズ向け車両としては初めての取り組み。
空中での安定性を確保するとともに、地上で最大のダウンフォースを獲得するのが狙いだ。大型のアクティブリアウィングも、空中ジャンプスタントのシーンで、車両の姿勢を保つことに貢献したという。
◆車両重量は1190kgと市販モデルに対して360kg以上軽量化
スバルの水平対向エンジンはカスタムメイドされており、エンジンの真上のボンネットから、エグゾーストパイプが顔を出す。このエンジンは、競技仕様となっており、排気量は2.3リットルに拡大された。
スバルモータースポーツUSAチームのラリークロスプログラム向けをベースにカスタムビルトされたブロックとヘッドが使用され、最大出力は862hp、最大トルクは91.8kgmを引き出す。このエンジンは8000rpmまで許容する。
高速ジャンプでの離着陸や、mm単位のドリフトコントロールを可能にする幅広い調整機能を備えたロングストロークサスペンションは、数十年に渡るスバルのラリーでのノウハウが生かされているという。
車両は、ホワイトボディにロールケージを組み込む手法で組み上げられ、車両重量は1190kgに抑えられた。市販モデルのWRX STIに対して、360kg以上の軽量化を果たした。この結果、パワーウェイトレシオは1.38kg/hpを達成している。
◆2017年にパストラーナ選手が打ち立てた記録を16秒以上短縮
この最大出力862hpのWRX STIに乗るトラビス・パストラーナ選手が、ワシントンヒルクライムで5分28秒67の新記録を打ち立てた。道幅が狭くて、傾斜が急な全長およそ12.2kmのマウントワシントンオートロードを、トラビス・パストラーナ選手は2位に45秒以上の差をつけて優勝した。2017年に同選手が打ち立てた記録を、16秒以上短縮している。
3年ごとに開催されるワシントンヒルクライムは、北米で最も古いヒルクライムレースだ。その長い歴史に加えて、東海岸で最も標高の高い山は、予測不可能な天候で知られる。ドライバーは、ターマックからグラベルに突然変わる路面に対応し、登りの途中で変化する路面のグリップレベルと戦う必要がある。
トラビス・パストラーナ選手は、「この車は新記録を打ち立てるのに最適なマシン。幸いなことに、今年は天気が良かった。ワシントンヒルクライムはとても楽しいし、次回が待ちきれない」と語っている。
Travis Pastrana's Full Record Run at 2021 Mt. Washington Hillclimb
Subaru Motorsports USA driver, Travis Pastrana, set a new record of 5 minutes 28.67 seconds at the 2021 Mt. Washington Hillclimb on the way to an overall event victory at the wheel of the Airslayer STI, his 862-horsepower Gymkhana 2020 Subaru WRX STI.
The new mark cut more than sixteen seconds from his winning time from the 2017 running of the event up the narrow, steep and treacherous 7.6-mile Mt. Washington Auto Road. Pastrana blitzed the mountain to set a time that was over 45 seconds ahead of the second-fastest competitor.
The Mt. Washington Hillclimb, traditionally held every three years, is one of the most challenging motorsport events in the United States and the oldest hillclimb in North America. In addition to its long history, the tallest mountain on the East Coast brings famously unpredictable weather and a mixed-surface road, forcing drivers to contend with grip levels that shift suddenly from tarmac to gravel and back again in the middle of the climb. With an average grade of 12% and an uneven surface bounded by serious drops above the treeline, Mt. Washington requires courage, skill and the right equipment for the challenge.
The highly developed aero package on the Airslayer STI provided a significant downforce advantage against the 600-horsepower WRX STI rally car used by Pastrana to set the 2017 mark. Along with a significant power bump, major suspension advancements and an ultra-light curb weight, the Airslayer was tailor-made for the wide-open mentality of hillclimbs. Still, the level of commitment displayed by Pastrana on the record run meant huge entertainment for the thousands of fans who lined the road at the spectator points along the roadway.
