“世界初”バイポーラ電池、トヨタ新型「アクア」採用 豊田織機製

“世界初”バイポーラ電池、トヨタ新型「アクア」採用 豊田織機製

 トヨタ自動車が全面改良した新型の小型ハイブリッド車(HEV)「アクア」。最大の特徴は、「バイポーラ型」のニッケル水素電池を採用した点だ。駆動用の車載電池として採用するのは新型アクアが「世界初」(同社)である。リチウムイオン電池パックと比較すると、体積当たりの容量で25%増を実現した。豊田自動織機が量産する。

 従来型のニッケル水素電池は、正極と負極の活物質を別々の集電体に塗り、セパレーターを挟んで電解液を注入した1つのセルとして独立している。複数のセルを組み合わせてモジュールにする際は、集電体の横から出したダブをつないで電流を流す。

 一方、トヨタが今回採用したバイポーラ型は、集電体の片面に正極を、もう一方の面に負極を塗って「バイポーラ(Bipolar:双極)電極」とし、これを複数枚重ねる構造の電池モジュールである(図2)。従来型のニッケル水素電池に比べて集電体の枚数や電池セルの外装材の使用量など、部品点数を減らせるため小型化に向く。さらに、通電面積が広く大電流を流しやすい。

セル数は120個から168個に増加

 トヨタによると、従来型のニッケル水素電池を搭載していた先代アクアに比べて、電池出力を約2倍に向上できたという。セル当たりの出力を約1.5倍に、モジュールの小型化により同じスペース内に1.4倍のセルを搭載できるようになったという2つの要因で達成した。

 先代アクアのニッケル水素電池パックの容量は0.936kWhで、120個の電池セルで構成する。6個の電池セルで1つのモジュールとし、これを20モジュール内蔵する。電流容量は6.5Ah。電池モジュールの電圧は144V。

 新型のバイポーラ型電池パックの容量は1.0kWhで、168個の電池セルで構成する(図3)。24個の電池セルで1つのモジュールとし、これを7モジュール内蔵する。電流容量は5.0Ah。電池モジュールの電圧は101.6Vで、パワーコントロールユニット(PCU)で580Vに昇圧してモーターや発電機などを駆動する。

廉価グレード「B」はリチウム電池

 新型アクアには、バイポーラ型のニッケル水素電池以外に、リチウムイオン電池を搭載するグレードが存在する。リチウムイオン電池を採用したのは意外にも、最も廉価な「B」グレードだ。

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