五輪より国民の命 菅首相、官邸幹部「中止の選択肢はない」海外選手団の来日は開催への弾み

官邸幹部「中止の選択肢はない」 海外選手団の来日は開催への弾み

 東京五輪の日本選手団へのワクチン接種が「味の素ナショナルトレーニングセンター」(東京都北区)で1日、始まった。初日は選手ら約200人が接種。7月中旬までに約1600人の選手・関係者が2回の接種を終える見通しだ。日本選手団の総監督で、日本オリンピック委員会(JOC)の尾県貢・選手強化本部長は「選手から『これで安心して競技ができる』との声があった」と話した。

 日本選手団へのワクチン接種もこの日開始され、大会への準備は加速している。医療体制への負荷や感染状況の予測が難しいことを踏まえ、「五輪が国民のためになるのか」(閣僚の一人)との危惧もあるが、官邸幹部は「中止の選択肢はない」と言い切る。

 「いよいよ、そういう時期がきた」。ある官邸幹部は、豪州選手団の来日で五輪に弾みをつけたい考えだ。加藤勝信官房長官は5月31日の記者会見で「大会が近づいてきているということの実感にもつながる」。大会組織委員会幹部も「これから入国する選手のニュースが増えれば、空気が変わってくるだろう」とみる。

 ただ、新型コロナの収束は依然、見通せない。1日付で経団連の新会長に就任した十倉雅和氏は、大会開催について「いま政府がワクチン接種を含めていろんな態勢をつくっている。それを見極めて、安全・安心な態勢ができた上で実施する。そうでなければ、なかなか世論的に難しいものがある」と指摘。安全・安心を見極める判断材料として、医療体制の逼迫(ひっぱく)が緩和されることなどを挙げた。

五輪より国民の命 菅首相

 菅義偉首相は1日の参院厚生労働委員会で、東京五輪・パラリンピックに関し、「国民の命と健康を守るのは私の責務だ。五輪を優先させることはない」と強調した。

 その上で、「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じた上で、国民の命と健康を守ることが開催の前提だ」と重ねて説明した。立憲民主党の打越さく良氏への答弁。

 首相は、1月の施政方針演説で五輪開催を「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」と位置付けたことに触れ、「このこと(考え)は今も変わっていない」と述べた。同党の田島麻衣子氏の質問に答えた。

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