人口減の中国、習体制崩壊の始まりか 自由主義陣営は強硬姿勢で足並み EUは企業買収規制で封じ込め

人口減の中国、習体制崩壊の始まりか 自由主義陣営は強硬姿勢で足並み EUは企業買収規制で封じ込め

 世界の覇権国をもくろむ中国の習近平政権に対し、米国のジョー・バイデン政権など自由主義陣営の主要国は強硬姿勢で足並みをそろえている。傲慢な外交やウイグルなどの人権問題で各国の対中不信が強まるなか、欧州連合(EU)も企業買収規制でチャイナマネーの流入をはねのける覚悟を示す。巨大な市場を背景に経済成長を続けてきた中国だが、今後は人口減に転じるとの見通しも出てきた。大国の「終わりの始まり」なのか。

 バイデン氏は4月28日の施政方針演説で「専制主義が未来を勝ち取ることはない」と中国を名指しで批判し、貿易や知的財産、ハイテク分野など多分野で対抗すると強調した。

 中国の海洋進出については、日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国による戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会談や、日米首脳会談の共同声明で台湾海峡について明記している。

 対中強硬姿勢を示すのは米国だけではない。新疆ウイグル自治区での人権弾圧について米政府が「ジェノサイド」(民族大量虐殺)と認定したが、英議会やカナダ下院、オランダ議会もそれに続いた。

 英国は同月29日、中国を念頭に、国家の安全保障を脅かしかねない外国企業による投資活動を規制する「国家安全保障・投資法」を成立させた。人工知能(AI)などの分野に外国企業が投資を行う場合、英政府への届け出が必要になる。

 EU欧州委員会は今月5日、中国を念頭に、域外国から補助金を得ている企業によるEU企業買収などを規制する措置の導入を提案した。欧州委はデジタル分野や医薬品、気候変動関連など戦略的産業に不可欠な137品目の輸入についてサプライチェーン(供給網)を多様化する措置も提案。EUは、これらの品目の52%を中国からの輸入に頼っている。

 コロナ禍をめぐっては英国やブラジル由来の変異ウイルスが取り沙汰されているが、元はといえば中国・武漢発のウイルス拡大と、情報公開の不透明さが元凶だ。

 中国は、発展途上国に対する「ワクチン外交」で存在感を高めようとするが、南米チリでは、中国ワクチン接種後に感染が拡大した。また、中国の政府系メディアがファイザーなど欧米メーカーのワクチンへの不信感をあおる偽情報の拡散や情報操作を行っているとした報告書を欧州対外活動庁が発表している。

 習政権の外交は一事が万事この調子だ。巨大経済圏構想「一帯一路」では世界130カ国以上が参加するが、開発援助の名の下に借金漬けに苦しむ国が続出。オーストラリアはビクトリア州政府と中国が締結していた一帯一路に関する協定を破棄すると発表した。

 4月26日には、中国外務省の趙立堅報道官がツイッター上で、葛飾北斎の浮世絵を模倣し、日本政府が福島第1原発の処理水の海洋放出決定を揶揄(やゆ)するイラストを投稿した。

 東京の中国大使館も公式ツイッターで米国を死に神になぞらえて揶揄(やゆ)するイラストを投稿、批判を受けて削除するなど無礼な振る舞いも目に付く。

 中国の将来像をどうみるか。中国事情に詳しい評論家の石平氏は「人権問題や東アジアで暴挙を続ける中国は“人類の敵”であり、習近平体制対自由主義陣営の構図はすでに出来上がっている。現在の中国による強硬姿勢を見ていると、習氏には世界情勢に関する正しい情報すら入っていないように思える」と指摘する。

 中国のやりたい放題を各国が黙認していた最大の理由が巨大な市場を背景にした経済力だ。しかし、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)は、中国の人口が22年にもピークに達し、減少に転じるとの見通しを伝えた。●(=登におおざと)小平体制で行われた「改革開放」以降、急成長してきた中国経済の転機を象徴する事態だといえる。

 前出の石平氏は「中国自体が高齢化社会で自慢の労働力も低下する一方であるため、世界のリーダーシップはおろか、求心力が低下していくだろう。習体制の崩壊に向かうだけで、その崩壊は中途半端に終わらないだろう」と推察した。

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