「黙りなさい」 森会長“発言”に国内外で余波
森会長の発言を巡り、辞任を求める声が上がるなど波紋が広がっています。こうしたなか、大会組織委員会は森会長の進退について理事会で議論しない方針であることが分かりました。
東京都には抗議や辞任を求める声が200件以上、寄せられ、さらに大会ボランティアの辞退については14件、確認されているというのです。
ある男性は謝罪会見を見てボランティア辞退を決めたといいます。
ボランティア辞退を決めた男性:「ボランティアの研修でオリンピック精神をすごく勉強してきたんです。それに反する考え方というのがあらわになったので、本当に残念だなと」
謝罪会見の余波は思わぬ所まで…。
森会長の失言や会見での対応への批判が止まりません。批判の声は海外からも…。カナダの元女子アイスホッケー選手のIOC(国際オリンピック委員会)委員はこうツイートしました。
IOC委員、ヘイリー・ウィッケンハイザー氏:「絶対に朝食会のビュッフェでこの人を問い詰めます。東京で会いましょう」
また、海外メディアによりますと、フランスの女性欧州議会議員も…。
ナタリー・ロワゾ―欧州議会議員:「いえいえ森さん、女性は簡潔に話せますよ。例えば、あなたにお応えするには『黙りなさい』で十分」
引き合いに出された日本ラグビーフットボール協会の女性理事・稲澤氏は、ニュースを知って「私のことだ」と思ったといいます。
昭和女子大学特命教授日本ラグビーフットボール協会・稲澤裕子理事:「最初の一報を見た時の印象は正直に驚きました。ずっと理事をしているのは私ですので、あ、私のことだなと思いました」
新聞記者として女性問題を取材してきた稲澤理事は、女性だからといって「わきまえる」必要は全くないと話します。
昭和女子大学特命教授日本ラグビーフットボール協会・稲澤裕子理事:「“女性だから”ではなく、皆で議論しなければならないことは時間がかかる。当然です。皆で闊達(かったつ)に議論することは必要であって闊達な議論があればあるほど時間はかかる」
辞任を求める声は政界からも上がっています。
立憲民主党・森山浩行衆院議員:「森会長の謝罪会見、『逆切れ』と報じられています」
菅総理大臣:「私はきのう『あってはならない発言だ』、そのように申し上げました」
立憲民主党・森山浩行衆院議員:「森会長と話した?」
菅総理大臣:「橋本大臣に対して森会長に政府の考え方を強く伝えるよう指示をした」
その橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は…。
橋本五輪担当大臣:「昨夜、直接、バッハ会長から電話連絡をもらい、その旨お話もしっかりやっていくという話をさせて頂いた」
そんななか、森会長の進退について、組織委員会が来月の理事会で議論しない方針であることが分かりました。また、IOCは4日、「この問題は終わったと考えている」という声明を発表しています。
森会長「孫が会社で倒れた」夫人からは「謙虚に」
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が4日夜、BSフジの「プライムニュース」に生出演した。
3日の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」など女性蔑視とも取れる発言をしたことについて、夫人から「謙虚に」と言われたことを明かした。
「長い政治生活で負の面の方が多かった。だいぶ家内は苦労したと思う。政治家を引退し、もう苦しめることはないだろう。(組織委会長職が)最後のご奉公と思っていたら、また家内に心配をかけてしまった。でも、はじめは怒っていましたが、今朝は笑い顔で『謙虚にやりなさいね』と。娘と孫が心配していた。1日、寝られないと徹夜だったそうで、かわいそうに、寝不足だったのか孫が会社で倒れたらしい。明日でも慰めて謝っておこうと思います。内政上、重要な課題ですよ。うちの家族は男1人で女性5人。いつもは1対5なんですが、今朝は家内が『2対4だから』と。誰が味方についてくれたのか分かりませんが、うれしかったですね」と話した。