製造禁止の泡消火剤、駐車場や空港に 有害物質を含有、廃棄進まず

製造禁止の泡消火剤、駐車場や空港に 有害物質を含有、廃棄進まず

 発がん性が疑われる有機フッ素化合物の一種「PFOS(ピーフォス)」を含む泡消火剤の薬剤が、商業ビルやマンションの地下駐車場、空港や基地など全国に約339万リットル残されていることが、環境省のまとめでわかった。PFOSは10年ほど前に法律で製造・使用が原則禁止され、消火剤としての使用は例外的に認められているが、交換費用の負担などから廃棄が進んでいない。

 PFOSは自然界でほぼ分解されず、人体や環境中に長く残るため、国連のストックホルム条約会議で2009年に製造や使用が制限された。翌10年には日本でも化学物質審査規制法の規制対象になり、製造・使用が原則禁止となった。

 だが、燃料火災などに効果が大きい泡消火剤はすでに多くの場所に配備され、急な廃棄も難しいため、空港や石油コンビナート、自衛隊の基地、駐車場などでの保管や火災時の使用は例外的に認められてきた。

 一方で、PFOSについて環境省は昨春、河川や地下水などの水質管理の目安となる暫定指針値を設けた。

 過去には商業施設の立体駐車場で客の車が配管を破損し、泡消火剤が噴出して公道まで流れ出たり、昨年4月には沖縄の米軍普天間飛行場から流出した消火剤の泡が周辺の住宅地を漂ったりと、火災以外での流出が後を絶たなかった。普天間の流出では、河野太郎防衛相(当時)が米国防長官との電話協議の際、「強い遺憾の意」を伝えた。

 環境省の昨年9月のまとめでは、PFOSを含む薬剤の在庫は全国計338万8199リットル。大型タンクローリー約240台分に相当する。薬剤は水で数十倍に希釈して泡消火剤にする。

 内訳は自治体の消防署や化学消防車(約119万リットル)が最も多く、次いで石油コンビナートや化学工場など(約87万リットル)▽駐車場(約80万リットル)▽自衛隊の基地や艦船(約38万リットル)▽空港(約14万リットル)。規制前の累積出荷量と比べると3分の1相当が残っている計算で、同省は「PFOSを含まないものへの迅速な交換を進めてほしい」と呼びかけている。

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