日本発売確定! 中国超高級車「紅旗・H9」 輸入元に直撃取材! 噂の真相とは

日本発売確定! 中国超高級車「紅旗・H9」 輸入元に直撃取材! 噂の真相とは

中国ブランド車が日本初上陸の真相は?

 中国第一汽車の高級車ブランド「紅旗」の最高級モデル「H9」が「日本で販売する?」というニュースが駆け巡り、SNSなどでさまざまな憶測が飛び交いましたがどこまでが本当なのでしょうか。 

 今回、H9の輸入元となる担当者に話を聞くことができました。

 今回、「HONGQI H9 いよいよ、日本上陸!!」と記されたティザー広告のような画像が拡散され、SNSをにぎわせたのは2021年1月27日のことでした。

 HONGQI(ホンチー・紅旗)は1953年に設立された中国で最初の自動車メーカー「中国第一汽車集団有限公司」(China FAW Group Co., Ltd.、第一汽車、一汽)が製造する高級車ブランドで、H9は2020年8月に発表された紅旗ブランドの最新・最上級車種となります。

 その日の午後に中国最大級の自動車メディア「汽車之家」においても、「紅旗H9が日本で正式に販売される」という記事が掲載され、「微博」(ウェイボー・中国最大のSNS)をはじめ、日本のSNSでも情報が拡散されました。

 一方、商用車ではない純中国製乗用車がこれまで一般に登録された例はゼロに等しいという事実もあります。

 実際に中国製乗用車の輸入かつ日本での登録に試みた人からは「中国から輸入して日本で頑張って登録しようとして各種の手続きを頑張ってみたけど、結局は不可能であることがわかり、中国に送り返した…」「EVを輸入しようとしたがバッテリーが日本の基準に合わなかった」などといった理由が挙げられていました。

 日本の自動車業界関係者は、中国車を日本で登録することがいかに大変なことかを知っていたため、紅旗H9の日本上陸に関しても「フェイクニュースではないのか?」という疑問もありました。

 しかし、紅旗のロゴが記載され、日本語で書かれた「価格表」(この価格表はあとでニセモノだとわかりましたが)までが拡散されており、さらに、2021年1月17日に中国の国営通信社である「新華社通信」が韓国市場向けに販売予定のH9が韓国ソウルに到着したニュースを報じていたことがわかりました。

 韓国は日本と同じ国連の多国間協定(58協定)の締約国となるため、韓国で登録できるなら日本でも登録できる可能性が高まります。

 そこで、「おそらく紅旗・H9の輸入は本当だろう」との判断。第一報を掲載しましたが、2021年1月28日の夜、運よく輸入元の担当者X氏にお話を伺うことができました。

 X氏いわく、現在出回っている情報のなかには、事実無根のこともあるといいます。

ネットをにぎわせる様々な情報の真偽はいかに?

 では、「紅旗・H9 日本上陸」という話は、どこまでが事実なのでしょうか。

 輸入元の担当者X氏に、ネットを駆け巡っているH9に関する情報の「〇△×」について、答えていただきました。

 【〇:紅旗H9は2021年2月に日本に上陸する?】

 →本当です。正式な発表は2021年2月上旬におこなう予定です。

 【〇:ティザー広告の3枚は正式なもの?】

 →この広告の3枚の画像は私(X氏)が作りました。詳細が分からないように、あえてティザー広告のようにしています。

 この3点以外に出ている画像や資料は私たち輸入元の関与はありません。つまりデマです。

【×:紅旗H9は横浜の港に到着する予定?】

 →横浜ではありません。関西の港ですが、春節時期と重なるために運搬船が減便されており今回だけ別の港に入港します。

 【×:紅旗H9はすでに日本に上陸して納車されている?】

 →車両はまだ中国の港にあり日本に入っていません。

 【△:紅旗H9はすでに5台が予約されており販売先が決まっている?】

 →台数が違います。販売先は一部決まっていますが、すべてではありません。

 【×:日本で販売予定のH9は8車種。価格も公開されている】

 →紅旗の赤いロゴが入った「販売価格一覧表」はさも本当のように見えますが、デマです。

 これは私たち輸入に関わるものが作った価格表ではありません。実際の価格も違っています。また、販売車種についても違います。

 おそらく、通関や登録に詳しい誰かが勝手に作ったものだと思われます。

 【×:日本に輸入されるがすべて大使館や領事館用である?(つまり外ナンバー)】

 →日本のナンバーを付けて一般向けに販売する予定です。

 なお、X氏の話によると、ひとまずは並行輸入で日本に入ってくるとのことでした。

 日本へ導入されるグレードや価格やそのほかの情報も近日中に明らかになるそうです。

※ ※ ※

 X氏によると、紅旗が日本で納車された例はこれまでもあったそうです。車種は紅旗ブランドのなかではミドルクラスセダンとなる「紅旗H7」です。

 後ろに「紅旗」と独特の書体で作られたエンブレムが印象的ですが。この手書きのような「紅旗」の文字は、中華人民共和国建国の父であり、第一汽車の創設に深く関わった毛沢東によって書かれています。

 1953年に設立された第一汽車は1958年に「東風」「紅旗」のふたつの乗用車ブランドを発表しました。

  同年に納車された1号車「東風」(CA71)に続いて、1959年9月に「紅旗」(CA72)が納車され、その時からこちらの「紅旗」エンブレムが使われています。

 紅旗は1958年に誕生したブランドで、紅旗の第一号車からこのエンブレムが使われているようです。

 今後、H9の正式発表になった際には本格的に日本の自動車業界やユーザーが注目すること間違いなさそうです。

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