手ぶれ補正◯段分って何?カメラの手ぶれ補正の段数について解説します
カメラの『段』とは?
カメラ用語で『段』と言えば、光の量を相対的に表したもので、ある基準点から光の量が2倍(もしくは半分)になることを『1段』と言います。
言葉で説明してもわかりづらいと思うので、具体的な数値で見てみます。
下の表はシャッタースピードの設定の変化を表したもので、1つ隣に設定値が移動する事を『1段』と言います。2つ隣に移動すれば『2段』ですね。
| シャッタースピード(秒) | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1/2秒 | 1/4秒 | 1/8秒 | 1/15秒 | 1/30秒 | 1/60秒 | 1/125秒 | 1/250秒 | 1/500秒 | 1/1000秒 |
例としてシャッタースピードが1/60秒(赤いセル)の時を基準に考えてみると、黄色いセルに設定値を変更した場合『1段』、青いセルに設定値を変更した場合『2段』と表されます。
この『段』という表現はEV値と密接に関わっています。
この『段』というカメラ用語を使って、手ぶれ補正の強さを表したものが『手ぶれ補正◯段分』という表現になります。
例えばあるシチュエーションで、手ぶれしないで撮影できるシャッタースピードが『1/50秒』だったとします。(手ぶれしないシャッタースピードの目安は35mm換算で『1/焦点距離』秒と言われています)
この時、手ぶれ補正4段分のカメラを使用すると、手ぶれせずに撮影できる限界のシャッタースピードはどのようになるでしょうか?
先程のシャッタースピードの表をもう一度見ながら考えてみます。
『1/50』というのは表中に無いので、近似値である『1/60』を基準に考えてみると、4段分は左にセル4つ分という事ですから、『1/4』という事になります。(厳密に言えば、1/50秒の4段分は約1/3秒という事になりますが、1/4秒よりも遅いシャッタースピードなので、1/4秒で手ぶれしないと考えてしまっても差し支えないと考えます)
つまり、手ぶれ補正4段分のカメラを使えば、通常は1/60秒が手ぶれしないシャッタースピードの限界だったのが、1/4秒にしても手ぶれしないで撮影できますよ、という事です。
絞り値と手ぶれ補正の関係
今までシャッタースピードについて説明してきましたが、絞り値でも考え方は同じです。
| 絞り値 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| F1.0 | F1.4 | F2.0F | F2.8 | F4.0 | F5.6 | F8.0 | F11 | F16 | F22 | F32 |
例として絞り値がF5.6(赤いセル)の時を基準に考えてみると、黄色いセルに設定値を変更した場合『1段』、青いセルに設定値を変更した場合『2段』と表されます。
では先ほどと同様、手ぶれ補正4段分のカメラを使用すると、手ぶれせずに撮影できる限界のF値はどのようになるでしょうか?
F値4段分は右にセル4つ分ですから『F22』となります。つまり、F22まで絞っても手ぶれせずに撮影できますよ、という事です。
ここで疑問が生じた方もいると思います。
「冒頭で手ぶれの原因はシャッタースピードと言っていたけど、F値はシャッタースピードと関係ないのでは?」と。
はい、そのとおりです。
ただし、F値はシャッタースピードと直接の関係はありませんが『絞り優先モード』の場合、F値を変えると自動的にシャッタースピードも変わります。
つまり、F値を変える=シャッタースピードを変えるのと同義という事になります。
もちろん、マニュアルモードでF値のみを変えるような場合、シャッタースピードは変わらないので、手ぶれ補正には影響しません。(露出が暗くなるだけです)
最後にまとめです。
手ぶれはシャッタースピードが遅い事によって起きる
カメラ用語の『段』とは、光の量を相対的に表したものである
手ぶれ補正◯段分とは、シャッタースピードを◯段分遅くできるという事
◯軸とは補正が可能な手ぶれの方向を示している
という事で、この記事では手ぶれ補正について説明しました。
手振れ補正の段数って?
コンデジのカタログやレビュー記事に手振れ補正の有無があって、よく「〇段の補正効果」って書かれてませんか?
「段って、階段????」
この段数を理解するには、ちょっとしたカメラの前提知識が必要になります。
カメラは、被写体から反射してくる光の量を適切に調整して画像を作っています。
この光の量を調整するのに「絞り」と「シャッター速度」と「ISO感度」という3つの調整項目を組み合わせて使っています。
この「絞り」「シャッター速度」「ISO感度」は、例えば0~100の間を無段階で変化させるのではなく、段階的に変化させていきます。
| F値 | 1 | 1.4 | 2 | 2.8 | 4 | 5.6 | 8 | 11 | 16 | 22 |
| シャッター速度 | 1 | 0.5 | 1/4 | 1/8 | 1/15 | 1/30 | 1/60 | 1/125 | 1/250 | 1/500 |
| ISO感度 | 100 | 200 | 400 | 800 | 1600 | 3200 | 6400 | 12800 | 25600 | 51200 |
どうですか?例えば絞りを例にとると、1の次は2ではなく1.4ですよね。ISO感度も100の次は200、その次は400と倍になっていきます。
シャッター速度は数値が上がるほど時間が短くなるので、1の次は0.5、その次は1/4=0.25秒という風に変化します。
それぞれが段階的に上がるので「段」という表現をしています。
もう1つ覚えて頂きたいのですが、この「段」は相対的に扱います。
どういうことかというと、仮に今絞りのF値が 4 だったとします。「1段上」というのは 5.6のことで、「1段下」は 2.8 のことになります。
では、今 F値が8 だった場合はどうでしょう?「1段上」は11、「1段下」は5.6 となります。
ISOやシャッター速度も、全く同じ考え方になります。
例えば、ISO感度が今 400 だったとすると、「1段上」は800、「1段下」は200になります。
では、シャッター速度が今 1/8 だったと仮定した場合、「2段上」というのは、何になるでしょう?
はい、1/30 ですね。
実際のデジタルカメラは、この中間の値も使います。例えば、F値が3.5 とか ISO感度が 250や300 というのも普通にあります。なので、実際には2.5段とか2.7段という値もあり得ますが、説明を簡単にするため省略しています。
今はデジタルカメラなので、技術的には1~100を1単位で変化させられるのですが、そんなことをしても分かりにくいし、そもそも10や20などの小さな値を変化えても画質はほとんど変わらないので、実際は0.3段か0.5段くらいを変化の最小値にしているケースが多いです。
ちなみ、昔のフィルムカメラは全て機械的な機構で成り立っていたので、絞りやシャッター速度は1段程度の変化しか用意されていませんでした。
ISO感度に至っては、装着するフィルムであらかじめ決まったいたため、今の様に自由に変化させるということすらできませんでした。
手振れ補正の段数を理解するには、あと1点覚えて頂く知識が必要です。
さて、手振れ補正が4段というのはどういう意味なのでしょう?
手振れ補正を改善する方法は、シャッター速度しかありません。絞りやISO感度は、シャッター速度を手振れしないくらい早くするために使われます。
なので、手振れ補正効果が4段というのは、シャッター速度が4段改善できるよと解釈します。
言い換えると、「今のシャッター速度が0.5だった場合、4段上のシャッター速度(1/30)で撮影した時と同じだよ」という事です。
手振れはシャッター速度が遅いときに発生します。
一般的に、焦点距離分の1以上のシャッター速度が必要であるとも言われています。
例えば、今お使いのコンデジで120mmのズームで写真を撮影したとしましょう。
その時のシャッター速度が1/120以上でないと、手振れを起こす確率が高くなります。
無論、構え方によって差はありますが、目安として
手振れしにくいシャッター速度=1/焦点距離
というのを覚えておいて下さい。
つまり、手振れ補正効果が4段分ということは、「120mmのズームで撮影する場合、1/120の4段下の1/8まではシャッター速度を落としても手振れしにくいですよ!」 という事になります。
250mmのズームで撮影する場合はどうでしょう?
「1/250の4段下の1/15で撮影しても手振れしにくいですよ!」という具合う。
まあ、あくまでも目安であり、100%手振れが防げるわけではありません。
10枚撮影して、数枚程度手振れが無い写真が得られればOKという風に考えておいてください。
過信は禁物ですが、手振れ補正機能を理解して使うことで、かなり撮影の幅が広がると思います。
