車内放置 死の危険 炎天下の県内 乳幼児の搬送相次ぐ 鍵の誤作動要注意

車内放置 死の危険 炎天下の県内 乳幼児の搬送相次ぐ 鍵の誤作動要注意

 炎天下の車内に幼い子どもが取り残され、熱中症になるケースが県内で後を絶たない。富山市では6月以降、乳幼児が搬送される事案が少なくとも3件発生している。富山地方気象台によると、県内では今後1週間、最高気温が30度を超える真夏日が続く見通し。専門家は、電波で開閉する鍵の誤作動や子どもの「置き忘れ」に注意を呼び掛けている。(市江航大)

 富山市消防局によると、今年は6月に0歳男児、8月8日に男児(1)が車内にいる状態で車の鍵が開かなくなった。同9日にはショッピングセンター駐車場で男児(3)が約1時間半にわたり車内に取り残された。いずれも軽い熱中症で病院に運ばれたという。

 熱中症は避けられたが、高岡市では今月19日、男児(1)が鍵のドアロックボタンを押し、約10分間閉じ込められた。男児の祖母がくわで助手席のガラスを割って救出し事なきを得た。

 日本自動車連盟(JAF)が気温35度の炎天下を想定して行った検証では、エアコン停止後15分で、車内の温度や湿度などから算出する「暑さ指数」は人体に危険なレベルに達した。JAF富山支部は、鍵が車の中にある状態でドアロックが掛かる「キー閉じ込み」に警鐘を鳴らす。

 同支部が昨年8月にキー閉じ込みで出動した事案のうち、4件は子どもが取り残された状態だった。広報担当者は、電波でロックを解除するスマートキーに対応する車で閉じ込みが起こりやすいと指摘し、「電池が減っていると電波が弱まって認識が途切れ、鍵が閉まる場合がある」と言う。

 親が子を置き忘れるケースもある。1年前にアパート駐車場で生後11カ月の女児が亡くなり、起訴された母親は「酒に酔っていて降ろすのを忘れた」と供述していた。今月9日に富山市で起きた事案では、保護者がショッピングセンターなどで用事を済ませていたとみられるという。

 新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は、突発的な出来事が発生した場合、人はその後に予定していた行動を忘れることがあり、ストレスや疲労も「置き忘れ」の原因になり得ると説明。「忘れることと人の思いは別で、誰にでも起こり得るミス」と指摘し、置き忘れ防止グッズの活用や、降車時の車内確認を習慣化することが有効と語った。

 熱中症に注意が必要なのは動物も同じだ。JAF富山支部によると、昨年8月には、ペットが車内に残された状態でのキー閉じ込みが県内で2件起きた。ペットが取り残される事案では犬が被害に遭う場合が多いとみられ、車内のドアロックスイッチを自ら押してしまうこともあるという。

 アレス動物医療センター(高岡市下伏間江)の沖田将人獣医師は「犬を車に乗せているのなら、連れて入れない施設に立ち寄るべきではない」と断言する。パグなどの鼻の短い犬種やハスキーなど寒冷地原産の犬は、特に熱中症リスクが高い。高齢や肥満も罹患(りかん)リスクを高めるという。

 熱中症の初期段階では、呼吸が激しくなるなどの症状が出る。沖田獣医師は「タオルで頭部や首を冷やしながら、クーラーの効いた場所に避難させてほしい」としている。

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