バイク女子・美環、日産「NOTE e-POWER NISMO S」でホットハッチの未来を感じる

バイク女子・美環、日産「NOTE e-POWER NISMO S」でホットハッチの未来を感じる

 色々なクルマに乗る若葉マークの美環さん。どうやら軽自動車やBセグメントのクルマがお好みの様子。中でもハイブリッド車がお好みという雰囲気。そこで今回は、ハイブリッドでありながらスポーツドライビングが楽しめる1台、「NOTE e-POWER NISMO S」に試乗しました!

 NOTE e-POWER NISMO Sは、NOTE e-POWERを元にしたホットハッチ。ということで、美環さんにe-POWERとは何かと尋ねてみたところ……。

 ハイブリッド車はエンジンとモーターの両方を搭載し、走行シーンによって切り替える(もしくは両方動かす)のが一般的です。ですがe-POWERは「駆動は100%モーター、その電力をエンジンが発電する」というもの。現時点における電気自動車最大の懸念点「充電設備」の問題をクルマ側で解決したというわけです。セールスポイントは「もっとも効率のよい回転数でエンジンを回すから燃費向上が期待できる」「モータードライブだから静か」というエコの面が強調されますが、「電気自動車らしいトルクフルな走りが楽しめる」点も見逃せないポイント。そのトルクは少し前の2リットルターボ車と同等というのですから「NOTEにSR20DET(シルビアなどに搭載されたエンジン)を載せてしまったらどうなる? それはワクワクするよね!」です。

 そんなNOTE e-POWERはいわば「生まれ持ってのホットハッチ」といえそう。それをNISMOがさらに手をかけて、ベリーホットにしたのが、今回のNOTE e-POWER NISMO Sになります。

現時点で最強・最速のe-POWER搭載車

2Lターボクラスのトルクが魅力

 さて、NOTE e-POWER NISMO SはNOTE e-POWER NISMOをベースに、最高出力109psに対して、136psとしたパワーアップしたe-POWERユニットを搭載。もちろんトルクも254Nmから320Nmと、馬力と同様25%アップとなっています。電気モーターで動くクルマをどうやってパワーアップしたのかというと、やり方は実に単純。ミニバンであるセレナe-POWERのモーターを搭載した、というわけ。セレナはNOTEと比べ400kg以上ヘビーなクルマですから、現時点においてNOTE e-POWER NISMO Sは「最強・最速のe-POWER搭載車」という言い方ができそうです。

 シャシーや足回りも、もともと強化されているNOTE e-POWER NISMOに、さらなる補強を加えるなど、チューンアップ。となると外観もさぞかし……と思いきや、ヘッドライトがLEDとなりエンブレムにSの文字がつく程度のさりげなさ。とはいえ、NISMOらしく所々に赤いラインが入ったエアロは迫力十分のカッコよさ。ここにエコを意識させる青の加飾が加わり、新しい時代のスポーツグレードの在り方を感じさせます。

 内装は専用レカロシートや本革ハンドルといった、スポーツグレードではおなじみの仕様。NISMOグレードは初めての美環さんも「これはカッコイイすな! あとちょっと硬めだけれど、不快じゃないですね」と高評価。ただし装備面ではやや不満。まず、これはNOTE e-POWERに言えることですが、標準でUSB端子が用意されていません。アクセサリーソケットにUSBアダプターを刺して使えば解決しますが、やっぱりあった方がうれしいですよね。あわせて近年はナビの大画面化が進んでいますが、NOTE e-POWERはちょっと小さめですので、大画面に慣れている人にはちょっと悲しいところ。そしてNOTE e-POWER NISMO Sは、シート座面の高さ調整ができず、小柄な美環さんの場合、おざぶを敷かなければなりません。折角のスエード調レカロシートなのに、ちょっと残念。

 後席は十分な広さが確保され、大きな男性でも着座できます。でありながら、荷室も十分に確保。もちろん後席を倒せば、より大きな荷物が積載可能なのは言うまでもありません。このパッケージングの良さがNOTE e-POWER人気の秘密なのでしょう。

流石NISMOのデキのよさ!

誰もが笑顔になる素敵な一台

 さて、以前美環さんがリーフを試乗した際に感動した機能の一つに「e-Pedal」があります。アクセルペダルの踏み加減を調整するだけで発進、加速、減速、停止までをコントロールするもので、 瞬時に加速するときはアクセルペダルを強く踏み込み、ゆるめればブレーキを踏んだように確実に減速し、さらに停止までします。街中や渋滞のようなストップ&ゴーを繰り返す場所において疲労低減なのはもちろんのこと、ワインディングも一層気持ちよく走れるとあって、美環さんは「エンジンブレーキだけでコントロールする感じみたい。何より楽しいっす」とスグにお気に入りに。

 そこでワインディングを楽しみつつ、街乗りのフィールもということで、今回は葉山にお邪魔しました。葉山は海沿いの道は狭く、それでいて山の方では気持ちのよいワインディングロードもありますし、鎌倉や江の島も近いので、休日のドライブにピッタリです。葉山は初めて来たという美環さんは「なんかオシャンですな! 石原裕次郎さんとか加山雄三さんが出てきそう。あとボーダー柄やセーラーな服を着てくればよかったっすな」とニコニコ。

 NOTE e-POWERと比べると、さすがにスポーティーグレードということもあり、シッカリ感が全然違うという印象。NOTE e-POWERはクルマ全体で衝撃を吸収する印象であるのに対し、NISMO Sはサスで衝撃を吸収していることが五感に伝わってきます。適度な硬さと柔らかさの両立は日本の街乗りにもピッタリで、この脚の旨さは流石NISMOといったところ。ワインディングもかなり気持ちよく走れます。コレはイイ脚です!

 美環さんも「コレはすぐにお友達になれますね! ハンドルもあまり重たくないし、クルマの大きさもちょうどイイ。それに静かでワンペダル動作だからスイスーイと走れちゃいます」と、かなり気に入ったご様子。

 面白いのはマフラーがノーマルとは異なるところ。「発電用でしょ? 意味あるの?」と思ったのですが、アクセルを踏めば車内にイイ音が轟くではありませんか。気になって外で聴いてみると、アクセル開度に合わせて排気音が響きます。ちょっと謎ですが面白いギミックです。

 葉山の狭い町を走行してみることに。道幅が狭く、見通しの悪いコーナーが連続するばかりか、アップダウンもあります。さらに路線バスも走っていますから、休日になると渋滞確実な場所です。「結構怖いですね。でも車が小さいから、結構平気かも。これ以上大きなサイズですと、ちょっと運転したくないな、という気分になりますね」と美環さん。勝手ながら葉山はセレブが多くて高級車ばかりだと思っていたのですが、ナンバーから推測するに、NOTEをはじめとするBセグメント車や軽自動車を好まれている印象を受けました。Bセグメントは日本にちょうどよいサイズなのでしょう。

 パワーがあるので、急な山道もグングン走ってしまうのがNOTE e-POWER NISMO Sのイイところ。136馬力なんて大したことないでしょ? と思いがちですが、超低回転から発する320Nm(32.6kgfm)のトルクが威力を発揮。アクセルをラフに踏めば一瞬ホイールスピンをするほど強烈で、しかもトランスミッション不要のモーターならではの段差のない加速は、思わず笑ってしまうほど。大排気量NAにも似たフィーリングで、その気持ち良さは想像以上。そこに脚の良さも加わりますから、ワインディングが猛烈に楽しい! ヤバい快感が脳天に直撃し、ドライバーはガンガン踏みたくなる衝動と抑える理性との戦いに巻き込まれること必至。やっぱりホットハッチって楽しくてイイのです!

 扱いづらいジャジャ馬なのかと思われそうですが、若葉マークの美環さんでも簡単に扱えるのが、流石「技術の日産」なところ。「なんか運転が上手くなったみたい。ホントに運転していて気負うこともなく、気持ちがイイクルマですね」と満面の笑み。「運転しやすいサイズという意味では軽自動車ですけれど、室内は広い方がいいです。でも広いクルマになると、今度は運転しづらくなる。ちょうどいいのはこのサイズなのかな。あと軽自動車にパワー不足は感じないですけれど、このクルマに乗っちゃうと、坂道で軽自動車は頑張っているんだぞー、みたいなものを感じちゃいますね」とのこと。

 高速道路も気持ちのよいフィーリングなので、長距離ドライブも苦ではありません。ですが前方車速追従のクルーズコントロールはありますが、日産ご自慢の車線監視機能付き「プロパイロット」を搭載していないのはちょっと残念なところ。なくても平気なのですが、一度体験すると欲しくなります。知らない方が幸せ、というやつですね。

【まとめ】スポーツと日常が高度に両立した1台

 「色々なクルマに乗るにつれ、メーカーの個性が強いものなんだなーと思いました」という美環さん。その中でNOTE e-POWER NISMO Sはベスト3に入るほどのお気に入りになったとか。「大きさとパワーと乗り心地がちょうどいいかなと。誰でも扱えるんだけれど、奥深いというのかな。スポーツカーの楽しさと、使い勝手の良さがいいバランスなのだと思います。その中でホットハッチ? というクルマはいいなと思いましたし、何よりe-Pedalですよ。これがホントにイイ。あと踏み間違えとかも防止できるんじゃないか。だから色々な人が乗って、安全に運転できて、楽しめる。凄いと思います。すべてのクルマがe-Pedalならいいな」

 だんだんクルマにも慣れて、経験を積むごとに要求されるレベルも高くなりつつあるような。「昔は動けばいい、と思っていたところもありますけれど、今は求めるレベルがガンガン上がっているような感じです。贅沢になっちゃったなー」と美環さん。次回は何に乗りましょうか。お楽しみに。

NOTE e-POWER NISMO Sの排気音

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