マツダ ロードスターRF 維持費が高いって本当ですか?

マツダ ロードスターRF 維持費が高いって本当ですか?

 「朝、オルタネーター逝く。合掌」

 「落とし物は何ですか。あれは誰のマフラーですか」

 「ガソリンが漏れて流れてまるで川のようだ」

 「修理代40万円で分割も効かないとは」

 「もう家賃払えま千円」

 「雨も降っていないのに床が濡れているのは私の涙のせいじゃないのよ」

 「死」

 先日、某短文投稿サイトで「こんな状況で何百万円もする新車が買える人には、もっと税金を課してコロナ対策に回せ」という発言を見かけましたが、新車のメリットは維持費が安いこと。貧乏人でも安心して買えるお膳立てが整っている、それが何百万円程度で買える国産の新車なのであります。

 新車を買った情報2020、安いからって若い頃にフランスやイギリスの中古車を買い、舐めても舐めても尽きぬ辛酸の海で溺れかけた四本淑三が私です。暑さで色々おかしいので、今より気温が50度ほど低かった時代の写真を貼っておきましょう。

 まあ中古のガイシャの何が困るって予定外の出費がかさむこと。何の前触れもなく逝く。部品代は高い。そこらの工場じゃ直せないからレッカー代もゴージャス。そこへ行くと新車のロードスターには何も起こりません。

 18ヵ月2万4千キロ、新車が減った報告第三弾。今回の話題の中心といたしますのは、このクルマを買ってゼニをいくら使ったのか。

■エンジンオイルはプロステージSに交換

 世知辛い話の前に、まずオイル交換で気持ち良くなった話をしましょう。18ヵ月と2万4000キロ記念として交換したミッション、デフオイルと同時に、エンジンオイルもワコーズの「プロステージS PRO-S30 0W-30」に換えてもらいました。

 最新の「LSPI」対応品ながら、なぜかAPI規格の表示がない変わったオイルですが、アイドリングのカタカタ音はほぼ消えてしまい、音の主役は駆動系の振動と排気音のみ。これまで入れてきた「ルブテック INDY Ultima 0W-30」「スノコ Svelt 0W-20 SN Plus」「タクミ HYBRID 0W-30」と比べても、交換直後の体感ノイズはダントツの低さ。おかげで回すと気持ちいいんであります、音が。

 問題は回し過ぎること。おかげで燃費はリッター当たり15.71キロと、夏タイヤの最低記録を更新してしまいました。それでもエンジンに優しく、ドライバーの気分を高揚させ、ガソリンスタンドで店員さんと世間話を交わす回数が増えるだけ。いい事しかございません。

 静けさではスノコもいい線行っていたんですが、その賞味期間は短かかった。プロステージSは交換から3千キロ以上走った今でも、相変わらずカタカタ音はしません。リッター1800円のそこそこお高いオイルですが、その意味は十分にありそうです。

■ランニングコストは月額約3万円

 そして購入後18ヵ月と2万4000キロのランニングコストが出ました。まず前回ご報告した燃料代が19万6732円。それにエンジンオイル、オイルフィルター、ミッションオイル、デフオイルとその交換工賃を含めて油脂類が4万2575円。消耗品は以上。計23万9307円。

 自動車税は納車前に払った分を除いて、7万9000円。自動車保険の初年度は年額20万2800円。今年はぐっとお安く年額14万4480円。これらを足して18ヵ月で月割りすると32万4340円。

 そしてさっぱり使わなかった高速料金が計7460円。

 以上18ヵ月のランニングコストの総額は57万1107円。月あたり3万1728円。まあこんなものでしょうという金額です。

 ただ、お気づきの方は、おっさんの割りに保険が高いんじゃないかとお思いでしょう。だからやっぱスポーツカーは料率が高いんだ。そう思われるかも知れませんが、違います。普通であれば対人対物無制限かつ車両保険付きで、年額10万円もしないはず。高いのは私が手続きをさぼったのが原因です。

 前に乗っていたクルマを売り払う際に「クルマはツマラン。もう二度と買うことはあるめえ」ってな事で、保険等級を維持する「中断証明書」を取らなかったから。おかげで割引63%の20等級が引き継げず、振り出しの6等級で契約せざるを得なかったのであります。

 人は心変わりするもの。クルマを降りる時は中断証明書の手続きをお忘れなく。10年間は等級が維持できるそうです。

■「スポーツカーは保険料が高い」は本当か?

 スポーツカーは保険料が高いという先入観は、飛ばすから事故が多いと思われているからでしょう。あの山口百恵に「真っ赤なクルマ」と歌わせたNHKですら、先日起きた湾岸線での痛ましい事故のニュースでは、見出しに「ポルシェ」を付けていました。先入観とはそういうものです。

 実際の事故リスク評価は「損害保険料率算出機構」のサイトで確認できます。事故の発生状況、すなわち保険金の支払いデータから「料率クラス」が車種別にまとめられており、保険屋はこれを参考に保険料を決めているわけです。ちなみに自家用乗用車の料率は、去年までは1から8までの8段階でしたが、2020年以降から1から17までの17段階に細分化されています。

 これによるとNDERC型ロードスターRFは、対人7、対物5、搭乗者8、車両6。どれも平均より下で、他より料率が高いわけではありません。ソフトトップのND5RCは、対人7、対物3、搭乗者6、車両7で、さらに料率が低い。ただしリスクの低いクルマに乗っているからと言って、事故は個々の人が起こすもの。そこを忘れてはいけません。

 ちなみに派生車種のNF2EK型アバルト124スパイダーは、対人6、対物5、搭乗者7、車両9。どれも平均かそれ以下ですが、マツダよりクルマを壊しやすい傾向はあるようです。残念ながらミツオカ・ロックスターは車名が登録されていませんでした。

■低いランニングコストで楽しいロードスターはいいぞ

 逆に安全そうに見えるエコカーも、形式によっては意外と料率が高かったりします。一時期「プリウスロケット」なんて言葉が流行り、「あれは売れたクルマだから事故が目立つだけ」と唱える方もいらっしゃいましたが、それだけではないようです。

 例えばZVW40W型プリウスαは、対人11、対物9、搭乗者7、車両9。2代目プリウスのNHW20型は、対人11、対物10、搭乗者7、車両7。人と物の事故リスクについては、現行型のロードスターよりも高い。

 ついでにテスラも検索してみましたが、車両保険がまるでフェラーリ・F40のよう。テスラの修理を引き受ける工場は限られ、費用も高く付くのでアメリカ本国でも保険料が高い。そこでオーナー向けに安いサービスを提供すべく、テスラが自前で保険会社を立ち上げたという話も納得です。日本では型式認定を取っていない車種のために、国内で受け入れる損保会社を用意したというのもすごい話。人柱魂が疼きます。

 ですが人生で舐められる辛酸の量にも限度がある。やはり低いランニングコストで楽しいロードスターはいいぞ。さすが元「財布の軽い若者」向けライトウェイトスポーツは偉い。それが今回の結論ですが、2年目のこの時期になるとクルマとの関係にも秋風が吹いて参ります。そんなドロドロとした生々しい話は、また今度。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏