氾濫の球磨川、上流のダムで午前9時半から緊急放流 大雨警戒レベルとは 特別警報はレベル5相当

氾濫の球磨川、上流のダムで午前9時半から緊急放流

 熊本県によると、熊本県水上村の市房ダムの水位が上昇しているとして、4日午前9時半から緊急放流(異常洪水時防災操作)が実施される見通し。

 下流の1級河川・球磨川の水位が上がるとして注意を呼びかけている。

 球磨川では下流の球磨村で既に氾濫(はんらん)が発生しているとして、国土交通省が警戒レベル5相当の氾濫発生情報を発表している。

熊本県の球磨川 氾濫が発生

熊本県の球磨川では、球磨郡球磨村大字渡地先(右岸)付近において氾濫が発生しました。このあとも雨が降り続くため、最大級の警戒をしてください。

熊本県の球磨川では、球磨郡球磨村大字渡地先(右岸)付近において 氾濫が発生しました。 直ちに、市町村からの避難情報を確認するとともに、各自安全確保を図るなど、適切な防災行動をとって下さい。

球磨川付近では、多い所で1時間に100ミリの雨が降っています。この雨はしばらく続くでしょう。最大級の警戒をして下さい。

球磨川沿いの集落が冠水 熊本

 熊本県の人吉下球磨消防組合消防本部によると、4日午前6時半現在、球磨村の球磨川沿いの集落が冠水し、消防が救助に向かっている。

大雨特別警報 避難に必要な緊急浮き具の準備を

 九州、熊本・鹿児島に大雨特別警報が発令されました。ただちに命を守る行動をとりましょう。すでに川の氾濫が始まっています。この場合に取るべき命を守る行動とは、道路冠水が始まっているか、否かで決まります。

周辺道路の冠水が始まっていない時

 川の流域なら、すぐに避難所へ行きます。その際にカバー写真右のように、衣類などをビニール袋に詰めて、リュックサックに入れて常時携帯。万が一水が襲って来たら、リュックサックが命を守る緊急浮き具になります。作り方を図1に示します。

 川から離れているのであれば、避難所の他に高台への避難も選択肢に考えてください。避難所の密集を避けます。当然、衣類の詰まったリュクサックは必需品です。

 いずれも車での避難も選択肢に考えます。ただ、車は避難手段としては有効ですが、車そのものは避難所になりません。洪水に遭遇したら簡単に流されますし、車内に閉じ込められたまま溺れる危険が大です。

周辺道路の冠水が始まっている時

 歩いてでも、車でも外に出ての避難は諦めます。自宅や周辺の建物の2階以上に垂直避難します。万が一2階まで浸水が襲ってきた時に備え、カバー写真左のようなダウンジャケットなどの厚手のジャケットを準備しておきます。このようなジャケットは緊急のライフジャケットに早変わりします。数時間は浮力で浮いていることができます。

避難途中に水がきたら

 避難を始めたときには全く冠水していなかったのに、付近の河川の堤防が決壊したとなると、その周辺は30分もたたずに冠水します。そのとき大量の水が押し寄せてくるわけで、流れを伴っています。流れを伴う洪水は大変危険です。人は膝をこえる水深で流されてしまいます。また、車も同様で、流れが秒速1 mを超えて、水深50 cmを超えると流され始めます。従って、徒歩でも車でも水深50 cmを超える流れが来襲してきたら、すぐに近くの高台や屋内の2階以上に避難しなければなりません。

 道路には、ふたのあいたマンホール、側溝があります。こういったところは冠水しているとその存在に全く気が付きません。しかも大雨の中だとさらにわからなくなります。そういったマンホールトラップや側溝トラップは溺水トラップとなります。過去には、大雨のさなかの避難中にこのようなトラップに落ちて命を失っている人が多くいます。特に見通しの悪い夜間は外出しないようにします。

田畑の様子を見に行かない

 用水路や排水路の水の流れ、生長途中の稲の様子、様々な心配事があるかもしれません。でも、大雨の最中や直後には絶対に見にいかないようにしてください。田畑の冠水が始まっていると、道路から一段下がっている田畑の水深が深くなっていてもなかなか気が付きません。そこに足を踏み入れ、いっきに沈水してしまうこともあります。溺水トラップのうちの田畑トラップです。毎回の台風や集中豪雨で犠牲者が発生しています。夜間には、特に危険性が増します。

大雨警戒レベルとは 特別警報はレベル5相当

7月4日(土)4時50分、熊本県と鹿児島県に大雨特別警報が発表されました。

気象庁では昨年から、気象警報等の防災気象情報について、取るべき行動を直感的に理解出来るよう5段階の「大雨警戒レベル」での表現を開始しました。

レベル5は既に災害が発生している段階で、そこから避難を開始することが困難となるような状況ですので、レベル5を待たずに避難を行うことが重要です。

警戒レベルは5段階

警戒レベルは、住民が取るべき行動を直感的に理解出来るよう、最も高いレベル5からレベル1の5段階に分けられています。

このうち、レベル1とレベル2は気象庁が発表する注意報等にあたり、避難行動の確認等を行う段階とされています。

レベル3からレベル5は市町村が発令する避難勧告等をレベル分けしたもので、レベル3は高齢者や体の不自由な方が避難を開始する段階、レベル4は全ての人が避難をする段階とされています。

レベル5は既に災害が発生している段階です。ただ、市町村が災害発生を把握した場合に可能な範囲で発令するとされているため、災害発生時に必ずレベル5が発令されるとは限りません。ここから避難を開始することが困難となるような段階ですので、レベル4の段階で避難を行うことが重要です。

気象庁が発表する「警戒レベル相当情報」

気象庁では、警戒レベルと気象警報などの防災気象情報との関連を明確にするため、洪水・土砂災害・高潮の各防災気象情報に「警戒レベル相当情報」を設定して周知することになりました。

洪水に関する情報では、大雨特別警報(浸水害)と、指定河川洪水予報における氾濫発生情報が「レベル5相当」、洪水警報の危険度分布における「非常に危険」ランクが「レベル4相当」などとなっています。

土砂災害に関する情報では、大雨特別警報(土砂災害)が「レベル5相当」、土砂災害警戒情報と、大雨警報の危険度分布における「極めて危険」「非常に危険」ランクが「レベル4相当」などとなっています。

なお、「伊勢湾台風」級の台風等が襲来すると見込まれる場合は、「レベル3相当」の大雨警報(土砂災害)が大雨特別警報(土砂災害)として発表されるため、大雨特別警報であっても「レベル3相当」となる場合もあります。

高潮に関する情報では、高潮特別警報と、高潮警報が「レベル4相当」となっています。ほかに、都道府県が発表する高潮氾濫発生情報が「レベル5相当」、高潮氾濫危険情報が「レベル4相当」となっています。

津波に関する情報の際は、避難指示(緊急)のみが発令されるため、警戒レベルは用いられません。

また、竜巻、雷、急な豪雨といった現象は、短時間で局所的に発生することが特徴で、発生する場所や時刻を予測し避難を呼びかけることが困難なため、警戒レベルの対象となっていません。

レベル5を待たずに避難を 慣れてしまわないことが重要

レベル5は既に災害が発生している段階で、そこから避難を開始することが困難となるような状況ですので、レベル4の段階までに避難を行うことが重要です。

一方で、日本の気象状況を考えると、同じ地域でも年に複数回「レベル4相当」の気象状況となることが考えられます。

実際に、少しでも災害の危険性がある場合には市町村からレベル4が発令されるため、毎回災害に結びつくとは限らず「空振り」となってしまうことが多くなります。

この繰り返しにより、レベル4で避難をして無駄だったと考えてしまうようになると、実際にレベル5になるような気象状況の時に逃げ遅れることが懸念されます。

レベル4で避難をして何事もなかったとしても、何事もなくて良かったと考え、次回以降も心構えを変えないことが大切です。

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