店に「コロナにつき外国人お断り」の貼り紙 許される?
新型コロナウイルスの感染拡大で、日本で暮らす外国人の生活もおびやかされています。どのようなサポートが受けられるのか。読者から寄せられた相談などをもとに、弁護士に聞きました。(聞き手・根津弥)
Q:地元の商店で「新型コロナにつき外国人お断り」という貼り紙があり、入店を断られました。どう対応したらいいですか。
A 新型コロナウイルスと国籍は無関係です。特定の人を国籍や民族、人種を理由に入店を拒否することは、日本も加入する人種差別撤廃条約に反しており、民法上の不法行為に当たります。
相談窓口としては、法務省人権擁護局や各地の法務局があります。電話やホームページで無料で相談に応じており、店に対して改めるよう求めるなど対処してくれる可能性があります。ただし、強制力はありません。地方公共団体も相談窓口を設けているところがありますが、具体的な是正勧告などの制度はほとんど整備されていないのが現状です。
店が改めなければ、慰謝料を請求する裁判を起こすことができます。外国人であることを理由に入店を拒否した宝石店や公衆浴場に対し、慰謝料の支払いを命じた判例があります。弁護士に相談してください。
2016年にヘイトスピーチ対策法ができ、社会の意識も高まっています。SNSで声を上げれば、賛同の声を上げる人が出てくるようになりました。実際、それで店側が入店拒否を改めた事例もあります。
同法では、政府や自治体が差別を許さない姿勢を示すなど啓発活動をするよう求められています。国連は新型コロナを受け、各国に差別を許さないとメッセージを出すよう求めました。日本政府の発信は不十分と言わざるをえません。
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もろおか・やすこ 1992年弁護士登録。東京弁護士会の「外国人の権利に関する委員会」委員。著書に「ヘイト・スピーチとは何か」。
