トランプ氏、黒人票に恐々 投票率上昇で勝敗左右も 米大統領選

トランプ氏、黒人票に恐々 投票率上昇で勝敗左右も 米大統領選

米国で白人警官が黒人男性を死なせた事件への抗議デモが続く中、11月の大統領選での黒人票の動向に注目が集まっている。

 黒人が人口に占める割合は13%程度だが、トランプ大統領の「不支持率」は9割近くに達する。黒人有権者の投票率のわずかな上昇が選挙結果を左右しかねず、トランプ氏は神経をとがらせている。

 「きっとジョージも素晴らしいことだと言っている」。トランプ氏は5日発表の雇用統計で失業率が改善したことを踏まえ、白人警官に首を圧迫されて死亡したジョージ・フロイドさんの名前をわざわざ持ち出し成果を誇った。米メディアによると、トランプ氏は4日、選対責任者らを集めて「黒人票対策」を協議しており、黒人を意識した言動が目立つ。

 一方、民主党の候補指名が確定したバイデン前副大統領も黒人への「共感」をアピールする。5日のトランプ氏の発言に対し「フロイドさんが最期に発したのは『息ができない』という言葉だった。ほかの言葉を言わせようとする大統領は卑劣だ」と非難した。

 黒人の投票率は、2008年と12年の大統領選で65%を上回り、民主党のオバマ前大統領の勝利に貢献。しかし、16年は60%を割り、同党のクリントン元国務長官が敗れた。米シンクタンク「アメリカ進歩センター」は、今年の大統領選で12年の投票率を再現できれば、民主党がミシガン、ペンシルベニアなど四つの接戦州を奪還し、勝利すると分析している。

 オバマ氏も3日、黒人のデモ参加者を念頭に「投票と抗議の両方が合わさって本当の変化がもたらされる。(デモによって)問題を浮き彫りにするのは大事だが、それを現実的な解決策につなげることも必要だ」と強調。投票に出向くよう呼び掛けた。

 黒人の投票行動に詳しいモアハウス大のエイドリアン・ジョーンズ助教は、取材に対し「多くの黒人にとっては、バイデン氏にも問題がないわけではないが、人種差別をあおる大統領はさらに問題がある」と指摘。反トランプ感情の高まりが高投票率につながる可能性もあるとの見方を示した。

バンクシー、黒人差別を批判 新作は「燃える星条旗」

米国で白人警官による黒人暴行死事件への抗議デモが続く中、正体不明の路上芸術家バンクシーは6日、黒人差別を痛烈に批判する新作を発表した。バンクシーは公式インスタグラムで「白人の問題だ」として、差別する側が問題の解消に取り組むべきだと訴えるメッセージも掲載した。

〔写真特集〕バンクシー作品

 新作に描かれているのは、亡くなった黒人男性ジョージ・フロイドさんをモデルにしたとみられる黒く塗りつぶされた人物の遺影。その横に置かれた追悼のろうそくの火が、遺影の上に掲げられた星条旗に燃え移っている。

 メッセージでは、今回の問題について「最初は口を閉ざし、黒人の声に耳を傾けるべきだと考えた」が、「これは彼らの問題ではない。私のものだ」と思い直したことを紹介した。

 その上で、「有色人種は制度に見捨てられている。白人の制度だ。壊れた水道管がアパートの階下に住む人々の部屋を水浸しにするように。この欠陥制度は彼らの生活を不幸にしているが、それを直すのは彼らの仕事ではない」と指摘。「これは白人の問題だ。白人が直さないなら、誰かが上階にやって来てドアを蹴破る必要があるだろう」と警鐘を鳴らした。

 バンクシーは英国在住とされる。ロンドン中心部では6日、黒人差別反対の大規模なデモが行われた。

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