ビニールシート越しの乾杯、客席半数の劇場… 新型コロナとの長い付き合い模索

ビニールシート越しの乾杯、客席半数の劇場… 新型コロナとの長い付き合い模索

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除されて初の週末となった30日、各地の繁華街は人出が戻り、夜の飲食店もにぎわいをみせた。一方、営業を再開したスポーツジムや映画館は感染防止対策を徹底し、利用者や来場客を迎えた。

「乾杯!」。午後6時、東京都新宿区の居酒屋「KICHIRI新宿」では、飛沫(ひまつ)防止のためテーブル中央に設置されたビニールシート越しに来店客が会話や飲食を楽しんだ。

 感染防止のため、店員は店の入り口に設置されたモニター画面を通じ、客に席を案内。マスク姿で、料理に透明な蓋(ふた)をかぶせて運ぶ。宣言解除前と比べ、客は倍に増えたという。

 友人と訪れた千葉県成田市の会社員、斉藤祥太朗さん(24)は「(ビニール越しは)料理の取り分けなどがしにくいが、コロナは怖いので仕方ない。少しずつ慣れながら、楽しみたい」と笑顔で話した。

 スポーツジムも感染予防を講じながら、営業を再開した。神奈川県で27日に全業種で休業要請が解除されたことを受け、「ティップネス」(東京都港区)が展開する「ファストジム24」は同県内の19店舗の営業を30日に再開し、待ちわびた利用者が訪れた。

 ファストジム24川崎西口店(川崎市)は午前6時、約1カ月半ぶりにオープン。本来は24時間営業だが、県の要請により、当面は午後10時までとする。利用者もスタッフもマスク着用と検温を徹底し、器具使用後はアルコール消毒をするよう促す。ランニングマシンの利用を一つおきにして間隔を約2メートル空けたり、走る人の前にビニールシートをつり下げたりしている。

 トレーニングに来ていた近所の会社員、井埜(いの)翔哉さん(33)は「家にずっといたので、体を動かしたかった」。同店を含むエリア担当の由井俊道・事業部課長は「西口店の30日の利用者は宣言前の3分の1ほどだが、予想より多い。お客様から『利用者がマスクをしていると安心』との声も聞いたので、協力を呼びかけていきたい」と語った。

 4月8日から休館していた千葉市中央区のミニシアター「千葉劇場」は29日に再開した。定員は110席だが、客同士の間隔を空けるため、1席ごとに使用できないようにして半数に減らし、上映中もマスク着用を求めている。

 ドキュメンタリー映画「21世紀の資本」など1日3作品を上映し、30日は計63人が鑑賞した。同劇場に月1回は通ってきたという同市の男性(73)は「私たちは映画しか娯楽のなかった世代。久しぶりに大画面で見て、臨場感に感動した」と喜んだ。支配人の鴫原光希さん(36)は「半数の座席数が続けば経営が厳しいが、コロナとは長い付き合いになる。営業方法を模索しながら、上映していきたい」と話した。

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