白人警官を殺人容疑で逮捕 米黒人拘束死事件 人種差別への抗議デモ続く

白人警官を殺人容疑で逮捕 米黒人拘束死事件 人種差別への抗議デモ続く

 米中西部ミネソタ州ミネアポリス市で黒人男性が白人警官に首を押さえ付けられ死亡した事件で、地元当局は29日、この警官(事件後に解雇)を第3級殺人(計画性のない殺人)などの容疑で逮捕し、訴追した。事件に関与したとみられる他の元警官3人についても捜査中という。同市では28日も人種差別などに抗議する暴動が起き、警察署が放火され炎上した。抗議デモは全米各地に広がっており、今回の逮捕が沈静化につながるかは見通せない。

 米メディアによると、逮捕されたのは元警官のデレク・ショービン容疑者(44)。25日に偽造紙幣を使った疑いで黒人男性のジョージ・フロイドさん(46)を手錠を掛けて拘束した際、約9分間、膝で首を地面に押し付けた。フロイドさんは意識を失い、病院に搬送されたが死亡した。当時の映像がインターネット上で拡散され、ショービン容疑者らの訴追を求める声が高まっていた。

 ミネアポリスで26日から始まった抗議デモは29日も続いた。暴動化した28日には、州当局が治安維持のため500人以上の州兵を出動させた。29日にはCNNテレビの記者らが生中継中、移動要請に従わなかったなどとして州警察に拘束され、手錠を掛けられる一幕もあった。記者らは間もなく釈放され、ウォルツ州知事はCNNに謝罪した。

 抗議デモは西部アリゾナ州フェニックス、首都ワシントンなど、日増しに各地に拡大。東部ニューヨーク市では28日、参加者数十人が拘束された。

米の抗議デモ、20都市に拡大 黒人死亡巡り、暴徒化も

米中西部ミネソタ州ミネアポリス近郊で黒人男性が白人警官に暴行され死亡した事件を巡り、抗議デモは29日、少なくとも全米20都市に広がった。米メディアが伝えた。一部ではデモ隊が暴徒化し、警官隊と衝突した。

 事件に絡みミネソタ州捜査当局は29日、殺人などの容疑で白人の元警官デレク・ショービン容疑者(44)を逮捕。だがデモ隊は関係する他の元警官の処罰も求めており、沈静化する兆しはない。

 29日の抗議デモは首都ワシントンや東部ニューヨーク、西部ロサンゼルスなど主要都市にも広がり、デモ隊の一部が警官隊ともみ合うなどした。

黒人死亡事件への抗議広がる デモ隊がCNN本社を襲撃

 米東部ジョージア州アトランタで29日、警官が黒人男性の首を圧迫して死亡させた事件に抗議する群衆がCNNテレビ本社を襲撃した。同社内からのリポートによると、ロビーの大きなガラス1枚が割られ、中で守る警官隊に向けて群衆が石を投げたり、閃光(せんこう)弾のようなものを放ったりした。

 事件はミネソタ州ミネアポリス市で25日に起きた。警官が取り押さえた男性の首をひざで押さえ続ける動画が公開されると、警官の過剰な暴力に対する抗議が全国各地に広がった。ジョージア州では2月、ジョギング中の黒人男性が白人の親子に銃で撃たれて死亡する事件が起きたが、親子は2カ月以上逮捕されず、強い反発が起きていた。今回の事件が住民の怒りを増幅させた可能性がある。

 29日は首都ワシントンやニューヨークなどでも抗議活動があったが、アトランタではデモが激化。パトカーが焼かれるなどした。アフリカ系のボトムズ同市長は「これは抗議ではない。(同市出身で黒人の市民権獲得に尽力した)マーチン・ルーサー・キング牧師の精神を体現するものでもない。カオスだ」などと訴えた。

 CNNはリベラルな報道姿勢で知られ、今回の事件をめぐっても死亡した黒人男性に同情的な立場から報道を続けていた。

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全米各地でデモ暴徒化 欧州にも“飛び火”

アメリカ・ミネソタ州で黒人男性が白人警察官に首を押さえつけられ、その後死亡した事件をめぐり、全米各地の抗議デモが暴徒化しています。

カリフォルニア州では、複数の都市で略奪行為が起きたほか、フロリダ州でもショッピングセンターが略奪のあと放火され、炎上しました。ミシガン州デトロイトなどでは銃撃があり、あわせて2人が死亡しています。

ホワイトハウス前では、デモ隊が警官隊とにらみ合い、花火を打ち込む場面もありました。近くでは車両が燃やされるなど、市内は31日未明にかけても緊迫した状態が続きました。

CNNによりますと、抗議デモは、少なくとも全米30の都市で発生し、25の都市で夜間の外出禁止令が出されました。これに先立ちトランプ大統領は、軍の派遣も辞さない構えを見せています。全米で暴徒化するデモに大統領がどう自制を呼びかけるかも焦点です。

一方、31日、イギリス・ロンドンの中心部には事件に抗議する人々が集まり、アメリカ大使館の前につめかけたほか、ドイツでもデモが行われました。抗議の声はヨーロッパでも高まっています。

『#BlackLivesMatter』企業も黒人差別に抗議、力強いメッセージ続く Netflix「私たちには声を上げる義務がある」

黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられ亡くなった事件を発端に、アメリカで、「#BlackLivesMatter(「黒人の命も大切だ、軽視するな」や「黒人の命を守れ」などの意味)」と訴える声が広がっている。NetflixやTwitter、ナイキなどの企業もSNSで黒人差別への反対を表明した。

黒人の命が軽視され、差別されてきた歴史やアメリカでの怒りの声をより正確に表現するため、Black Lives Matterの和訳を補いました。

Netflix「私たちには声を上げる義務があります」

ネット配信サービスのNetflixは、「沈黙することは、共犯と同じです」とTwitterで表明。オリジナルのドラマや映画、ドキュメンタリーなどで人種差別問題を多く扱ってきた同社は、「黒人の命は大切です」と記し、差別への反対を強く訴えた。

ツイートは13万回以上のリツイートを集め、多くの反響が寄せられている。HuluやAmazon Prime Videoなども続いてメッセージを発信した。

「沈黙することは、共犯と同じです。黒人の命は大切です。私たちはプラットフォームであり、黒人のメンバー(会員)、従業員、クリエイター、タレントたちのために、声を上げる義務があります」(Netflix)

「黒人の人々をサポートします。今日、そして毎日。あなたたちの姿は見えています。あなたたちの声は聞こえています。そして、私たちはあなたたちと共にいます」(Hulu)

「私たちはブラック・コミュニティーと共にいます。黒人の同僚、アーティスト、ライター、作家、プロデューサー、そして視聴者のみなさん。そして人種差別や不正と戦う仲間たちと共に」(Amazon Prime Video)

Twitter社は、公式アカウントのプロフィールを「#BlackLivesMatter」に変更した。ロゴに使われている青い鳥のアイコンは、メッセージに共鳴するかのように、黒色になった。

ナイキも力強いメッセージ

スポーツ用品大手のナイキも、抗議への連帯を表明した。

同社は、NFLの試合で黒人差別に抗議するため国歌斉唱中に片膝をついたコリン・キャパニック氏を広告起用するなど、これまでも人種差別に反対するメッセージを発信してきた。

1分間の動画では、「アメリカには問題がないと装うのはやめてください」「座って沈黙をしないでください」と、力強いメッセージが続く。

動画には大きな反響が寄せられており、アディダスの公式Twitterは、「連帯することで、前に進みます。連帯が変化を起こします」とのコメントを添えて、ナイキのツイートをシェアした。

「今回だけは、やらないでください。アメリカには問題がないと装うのはやめてください。人種差別に背を向けないでください。私たちから罪のない命が奪われることを、受け入れてはいけません。これ以上、言い訳をしないでください。この問題はあなたの人生に影響を与えないと思わないでください。座って沈黙をしないでください。変化の一部になることはできない、と考えないでください。あなたは、変化の一部になることができます」(ナイキ)

「連帯することで、私たちは前に進みます。連帯が変化を起こします」(アディダス)

ミネアポリスの事件を機に怒り広がる。一部暴徒化も...「Black Lives Matter」とは

大きなうねりを見せている「Black Lives Matter」は、警察官による黒人への不当な暴力と人種差別に抗議する運動だ。

2013年、当時17歳だった黒人のトレイボン・マーティンさんがヒスパニック系の白人警官に射殺された事件をきっかけにハッシュタグが誕生し、アメリカ全土で抗議デモが相次いだ。

抗議活動はこれまでも頻繁に起きていたが、2020年5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられ亡くなる事件が発生。

フロイドさんが「息ができない」と訴える様子を撮影した動画がSNSで拡散し、怒りが広がった。

SNSではハッシュタグをつけて差別に抗議する声が上がり、アメリカ全土では抗議デモが勃発。デモ隊の一部が暴徒化する非常事態となっている。

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