「自動車税」納付困難者に特例措置で1年延長も 「徴収猶予」「分割納付」の手続き方法とは

「自動車税」納付困難者に特例措置で1年延長も 「徴収猶予」「分割納付」の手続き方法とは

延滞金なしで納付期限が1年延長へ

 新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する観点から、車検期間の延長や変更登録、抹消登録などの登録手続きにさまざまな配慮がなされています。

 しかし、自動車税の納付期限は例年通り「5月末または6月1日」(青森県と秋田県は6月末)となっているため、コロナ禍の影響で納付期限までに自動車税を納めるのが困難な人もいるかと思います。

 自動車税の納付に関して何らかの救済措置はないのでしょうか

 東京、神奈川、千葉など首都圏各都県税事務所の自動車税担当部署に電話をして聞いてみたところ、意外な救済措置がありました。

 コロナ禍によって収入が低下し、5月末または6月1日を期限とする自動車税の納付が困難な人に対しては、おもな救済措置として「徴収猶予」と「分割納付」があります。

 まずは、「徴収猶予」については下記のようです。

・収入がおおむね20%以上減った人が受けられる特例措置

・徴収猶予が承認されると、納付期限が1年間延長される

・延滞金はつかず、通常の税額のままで増額などはなし

 つまり、収入が減って自動車税の納付が期限までに困難な人に対する、事実上の「期限延長」になる特例措置があるのです。

 ただし、申請をして承認された場合のみの適用なので、収入が2割以上減った人に対して「一律に猶予」されるということではありません。

 収入が減ったことを証明するには、前年同月比で売上の減少が分かる書類や帳簿、給与所得者であれば給与明細などの提出でもOKとのことでした。

 また、学生でクルマを所有している場合、アルバイトの収入でも20%以上減っていれば「収入の減少」として認められます。

 徴収猶予を申請したい場合は、都道府県税事務所に電話をして方法を確認してください。各自治体の公式サイトなどから申請書をダウンロードできる場合もあります。

 都道府県によって申請や承認の手順や必要日数などは異なりますが、首都圏の県税事務所では、徴収猶予に関わる手続きをすべて郵送でおこなう場合、自宅に申請書が届くのが5月末として、そこから必要事項を記入して返送→審査を経て承認→「徴収猶予許可通知書」を入手するまでに、1か月以上の時間がかかる場合があるとのことでした。

 早く「徴収猶予許可通知書」を入手したい人は、県税事務所の窓口に行って申請することをお勧めします。

分割納付も可能だが、車検を受ける場合は要注意!?

 もうひとつの救済措置は、自動車税を分割で納付する方法です。

 自動車税は原則として一括での納付となりますが、一括では難しいという場合にはほかの地方税と同様に、分割で納付する方法もあります。

 徴収猶予に比べると手続きが簡単で、収入減少を証明する書類などの提出は必要ありません。

 住まいのある都道府県税事務所の自動車税担当部署に電話をして分割納付をしたいことを口頭で告げます。その際、自動車税の納付通知書を手元に用意しておくとスムーズです。

 電話口では「分割納付の計画」を聞かれますので、「6月から8月末まで毎月1万円ずつ」などの、納付の計画を伝えましょう。

 分割の回数は、だいたい3回程度が一般的とのことでしたが、事情によってはそれ以上の回数でも可能となる場合もあるようです。担当者に相談をしてみてください。

 なお、分割納付の場合は徴収猶予と違って、延滞金はついてしまいます。延滞金が付き始める時期は自動車税の税額がベースとなります。

 自動車税が高ければ高いほど、1000円以上の延滞金が早く付き、低額であるほど遅く付くことになります。

 自家用乗用車の最高自動車税額は12万7000円(排気量6リッター超で自動車税11万1000円に15%の重課となった場合の税額。端数切捨て)で、この場合1000円の延滞金がつくのは7月24日からとなりますが、1.5リッターから2リッター未満の自動車税(重課ナシ)3万9500円では10月5日からとなります。

 一方で、継続検査(車検)を受ける際には、自動車税を納めていることを証明する納税証明書の提出(または納税していることの確認)がマストです。

 徴収猶予期間や分割納付をおこなっている間に車検の満了日が来た場合はどうなるのでしょうか。

 これについては、2020年5月7日に総務省自動車税制企画室から、各都道府県/市区町村税務担当課にあてた、「徴収猶予期間中における自動車税種別割及び軽自動車税種別割に係る証明書の取扱いについて」というタイトルの事務連絡のなかで、次のように示されています。

「徴収猶予の特例を適用されている期間中に、対象車両の継続検査(車検)を申請する場合、徴収猶予の特例の適用を受けている旨の証明書の提示が必要となるため、納税者からの求めに応じ交付する必要があります」

 つまり、徴収猶予が適用されて自動車税を納めていない状態で車検を受ける場合も、納税証明書に代わる「徴収猶予許可通知書」(「納付書番号等」欄に自動車登録番号又は車両番号、もしくは車台番号が記載されていることが必須)が交付されるので問題なく車検を受けることができるというわけです。

 しかし、分割納付の場合はこのような特例措置がないので、車検を受けるときまでに全額を納付しておく必要があります。

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