使ってみた「新iPhone SE」“圧倒的コスパ”は本当か

使ってみた「新iPhone SE」“圧倒的コスパ”は本当か

 約4年ぶりのモデルチェンジとなる「iPhone SE」の第2世代が発売された。ケータイジャーナリストの石野純也さんが、いち早く使って試してみた。その詳細リポートをお届けする。【毎日新聞経済プレミア】

 ◇「緊急事態宣言」でも使い勝手いい?

 第2世代の「iPhone SE」は、iPhone 8と同じサイズの小型のボディーに、最新のiPhone 11シリーズの中央演算処理装置(CPU)を詰め込んだ1台。価格は64ギガバイト版が4万4800円と、高機能モデルの中では圧倒的に安いのが特徴だ。

 新「iPhone SE」は「8」と同じくホームボタンがある。iPhone X以降の全面ディスプレーに慣れてしまったこともあり、SEを持ったときには、なつかしさを感じた。

 私が現在使用しているiPhone 11と比べてもサイズは小さく、手になじむ。とはいえ、第1世代のSEはディスプレーが4.0型だったが、第2世代は4.7型。画面は大きく、表示される文字は読みやすい。文字やアイコンを大きくしたいときは、「拡大」表示を選ぶこともできる。

 ホームボタンと指紋認証の「タッチID」の復活は、新型コロナウイルスの感染が広がるいま、新iPhone SEのメリットだと感じた。外出時にマスクを着用する機会が増えたためだ。マスクをつけた状態だと、iPhone X以降に採用されたフェースIDが利かず、画面のロックを解除するたびにパスコードを打たなければならない。このタイミングを狙ってホームボタンを採用したわけではないはずだが、緊急事態宣言下では使い勝手がいい。

 ◇カメラは一つでもAIがサポート

 デザインはiPhone 8に似ているが、CPUは最新のiPhone 11シリーズと同じで、アプリは非常にスムーズに動く。画面はコンパクトだが、やろうと思えば写真や動画の編集もこなせる。

 私は、iPhone SEで撮った動画を編集してみたが、録画時間を変更したり、色調を変えたりするのも簡単にできた。CPUの性能が劣るスマホでは難しい。最新のiPhone 11シリーズに合わせて作られた、グラフィックスに凝ったゲームもしっかり動いた。

 カメラは、今はやりの二眼、三眼ではなく、12メガピクセルの広角カメラを一つ搭載しているだけだが、同じデザインのiPhone 8より、写りがよくなっている。

 例えば、逆光気味のシーンでも、人物と背景の両方が、しっかり撮影できていた。これは、「スマートHDR」と呼ばれる、明暗の差が大きい被写体でもきれいに撮影できる機能のおかげだ。画像処理能力が大きく改善されている。一眼だが、人物を人工知能(AI)で検出できるため、背景をボカす「ポートレートモード」も利用できる。ボケ具合は自然で、人物と背景の境界もしっかり分かれている。

 ◇スマホが初めての人にもお薦め

 ただ、残念ながら暗所での撮影はiPhone 11シリーズに軍配が上がる。iPhone 11シリーズは、連写した複数枚の写真を合成することで、ノイズを減らしながら感度を上げる「ナイトモード」に対応する。高い処理能力を生かした機能で、同じCPUを搭載するiPhone SEだが、これには非対応。暗い場所での写りを重視するなら、iPhone 11シリーズを選択するといいだろう。

 ディスプレー周りの額縁は最近のスマホより太く、トレンドのデザインではないが、高機能のわりに価格は安い。現在、通信料金と端末代金を分ける「分離プラン」が導入され、端末の割引がほぼなくなったが、第2世代のiPhone SEは割引なしでも比較的買いやすい。最近のスマホが高くて買いづらいと思っていた人にお薦めできる。ホームボタンがあり、直感的に使えるため、初めてスマホを持つ人にもいい選択肢と言えるだろう。

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