消費税率引き下げ、首相「検討していきたい」
16日午前9時前から、安倍晋三首相らが出席して参院予算委員会の集中審議が開かれています。タイムラインで速報し、記者が解説します。
■消費減税、首相「検討したい」[15:50]
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が4月にもまとめる緊急経済対策について、安倍晋三首相は参院予算委員会で「前例にとらわれず、思い切った大胆な覚悟を持って練り上げていきたい」と強調した。消費税率の引き下げについても「検討していきたい」と述べた。
日本維新の会の片山大介氏が消費減税への考えを問うたのに対し、首相は「自民党からも引き下げを考えるべきだという意見もある。実際にしっかり需要をおこし、安定的な成長軌道に戻れるかどうか、効果なども十分に勘案しながら検討していきたい」と述べた。首相は「建設的なご意見をたまわればと思っている」とも呼びかけた。
昨年10月の消費増税時に導入されたキャッシュレス決済によるポイント還元をめぐり、片山氏が還元率を10%にすべきだと主張すると、梶山弘志経済産業相は「これまでにない発想で思い切った措置を講ずることが必要。ご指摘を踏まえつつ具体的な検討を進めたい」と語った。
首相は緊急経済対策について、「感染症の収束に向けて全力を尽くしている。今、日本の経済に甚大な影響が出ている」と指摘した上で、「相当な対応をしていく必要がある。インパクトに十分対応できるような対策を練り上げたい」と強調した。
■医療機関へのマスク、要請の3分の1以下[15:40]
加藤勝信厚生労働相は、先月25日に開始した感染症指定医療機関に優先的にマスクを供給する仕組みについて、3月13日までに実際に供給された枚数は、要請の3分の1以下の14・9万枚にとどまっていると明らかにした。
加藤氏によると、地方自治体や感染症指定医療機関のニーズは60万枚で、卸やメーカーの各団体に先月28日に供給を要請していた。加藤氏は「引き続きお願いしながら、改めて第2弾の要請も行う」と述べた。
質問に立った日本維新の会の片山大介氏は、「ある感染症指定医療機関の看護師」から聞いた話として、「マスクが足りず、マスクなしで患者のところに入るケースも出てきている」「看護師は自ら犠牲になるか、出勤してこなくなるかのどちらかになると悩んでいる」などと訴えた。
■休止相次ぐ子ども食堂「開催差し支えない」[15:00]
新型コロナウイルスの感染拡大により休止が相次いでいる子ども食堂の開催について、安倍晋三首相は参院予算委員会で「国としては、感染拡大の防止に向けた対応を行った上で開催していただくことは差し支えない」との見解を示した。
首相は子ども食堂について「子どもの食事の確保はもとより、子どもたちが安心して過ごせる場所を提供するものであり、大変有意義なものだ」と強調。「しっかりと支援していきたい」と語った。
公明党の杉久武氏が「子ども食堂の運営者は、開催しないと『子どもたちはどうするのか』と言われ、開催すると『集団感染はどうするか』と言われ、板挟みになっている」と指摘したのに対し、答えた。
■首相、金融緩和強化を評価[14:30]
日本銀行が金融政策決定会合で金融緩和の強化に踏み切ったのを受け、安倍晋三首相は参院予算委で「日本を含む世界中のマーケットが動揺している中で、迅速かつ適切な対応であると評価している」と答弁した。
首相は「日本銀行やG7各国とも緊密に連携をし、世界経済の動向を注意深く見極めながら、機動的に必要かつ十分な経済財政政策を間髪をいれずに講じていく方針だ」と強調。「現在は感染拡大の防止が最優先だが、その後は日本経済を再び確かな成長軌道へと戻すため、これまでにない発想で思い切った措置を講じていく。政府与党の総力を挙げて練り上げていく」とも述べた。
公明党の杉久武氏への答弁。