首相「現時点で『緊急事態』ではない」「必要であれば措置実行」
安倍晋三首相は14日、首相官邸で、新型コロナウイルス感染症への対応に関する記者会見を開いた。14日施行の改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、首相は「現時点で緊急事態を宣言する状況ではないと判断している。ただし時々刻々と事態は変化しており、国民の命と健康を守るため、必要であれば法律上の措置を実行する考えだ」と述べた。
首相は緊急事態について「そうした(緊急)事態にならないように、国民に苦労や不便をかけながら、懸命に感染拡大防止策を講じている。あくまで万が一のための備えをするための法律だ」と強調。「私権を制限することになる緊急事態の判断は専門家の意見を聞きながら慎重な判断を行う」と述べた。
また感染の現状については「感染者は増加傾向だが、急激なペースで増加する諸外国に比べて増加のスピードを抑えられている。人口1万人あたりの感染者は日本は0・06人にとどまり、韓国、中国、イタリア、イランなどよりも少ないレベルに抑えることができている」と述べた。
改正特措法では、首相が、急速なまん延で国民生活に甚大な影響を及ぼす場合に「緊急事態宣言」を発令し、都道府県知事が外出自粛や休校措置を要請できるようになった。
新型コロナウイルスに関する首相の記者会見は、2月29日に続いて2回目。