小島慶子「日本の男女格差は過去最低の121位、それでも『女尊男卑』の声は何ゆえ」

小島慶子「日本の男女格差は過去最低の121位、それでも『女尊男卑』の声は何ゆえ」

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 111、114、110、121。世界経済フォーラムが毎年12月に発表するグローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI)の日本の順位の推移です。GGGIは経済・教育・健康・政治の4分野での男女格差を分析して算出した指数。国別に比較したランキングが毎年発表されます。日本は2019年の調査対象153カ国中121位で、先進7カ国の最下位をキープしています。毎度のことながら、政治・経済分野での男女格差が大きいのが特徴です。政治に至っては153カ国中144位。9月の内閣改造まで女性閣僚は1人だけ、女性国会議員も衆議院で約1割、参議院でも約2割ですから、当然の結果とも言えます。

 ちなみにランキングで一つ上の120位はアラブ首長国連邦。インドが112位、韓国は108位、中国は106位です。トップ3は、1位アイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランド。私の家族が暮らしているオーストラリアは44位でした。

 Yahoo!ニュースがこのニュース記事をツイートすると、いや日本はむしろ女尊男卑だとか、女性の努力が足りないからだなどの、男性のものと思われるリプライがたくさんつきました。匿名で即座にこんなことを書き込む人がいるのを見ても、この社会の女性に対する冷たい眼差しがよくわかります。男性のいら立ちや嫉妬は「女はいいよな、長時間労働が当たり前で無職だと無能扱いされる男と違って、働かなくても差別されないのだから」という被害感情の表れかもしれません。そのいら立ちを経営者や政治家に向けるのではなく、女性をたたいて憂さ晴らしをするしかない惨めな現状は、日本の男性の幸福度の低さにも表れています。こんな社会に誰がしてるんだよ、と本当は男女が一緒に言えるはずなのに。ののしる相手を間違えないで、現実を冷静に見てほしいです。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏