香港高裁、覆面禁止は違憲と判断-基本法と相いれず

香港高裁、覆面禁止は違憲と判断-基本法と相いれず

香港高等法院は18日、政府が緊急権限を使って先月導入した覆面禁止は違憲だとの判断を下した。公共の危険が生じた際に行政長官に規制を設ける強力な権限を与える「緊急状況規則条例」は香港基本法と相いれないと指摘した。一方、香港政府は学校の休校を19日も継続すると発表した。

香港警察は18日午前、週末の抗議活動参加者らとのにらみ合いの末、九竜地区にある香港理工大学でデモ隊の排除に動いた。小さなグループに分かれたデモ参加者は同大からそれほど離れていない佐敦や尖沙咀地区の道路を封鎖した。

デモ隊はソーシャルメディアで、理工大に残っている抗議活動参加者らを支持するため、九竜地区や中環(セントラル)に集まるよう呼び掛けたが、中環には今のところ大勢の群衆は見られない。

一方、中国国防省の呉謙報道官は訪問先のバンコクで開いた18日のブリーフィングで、人民解放軍の香港駐留部隊が街頭で16日行った清掃作業について、兵士らは「香港市民と共に路上の障害物を片付け、こうした取り組みは市民に歓迎されている」と擁護した。

警察は18日朝、排除作戦を行ったと説明し、キャンパス内に「攻め入った」とのニュース報道に反論。数日にわたって立てこもっていた抗議デモ参加者の排除で警察は実弾を使用する可能性を警告していた。理工大は活動参加者らが実験室を破壊し、「危険な化学薬品」を取ったと話した。

警察はこの数時間にわたり衝突が最も激しかった理工大キャンパス近くの尖沙咀東で数十人の抗議活動参加者を拘束。テレビ映像では少なくとも30人が両手を縛られて地面に座っていた。キャンパス内に残っている抗議デモ参加者や学生の人数は不明。

民主党主席を務めた政治家、劉慧卿(エミリー・ラウ)氏は一部の香港住民が大規模な妨害にうんざりしつつあるものの、多くが抗議活動が掲げる広範な目標をなお支持していると述べた。

劉氏はブルームバーグテレビジョンで、「一部の香港市民は過激な抗議活動参加者に関して我慢の限界に達している」と指摘しながらも、「強い共感を持ったり、彼らを今後も支持するため黒い服で街頭に出たりする人もいる」と述べた。

理工大キャンパス外のジャンクション近くにいた黒服のデモ隊を排除するため、警察は催涙弾を複数発射。大勢の参加者がキャンパスから逃げて、香港歴史博物館への道路を駆け抜けて同ジャンクションを占拠していた。

RTHKが同大の学生ユニオン代表を引用して報じたところによると、警察が全ての出口を封鎖し、数千人がキャンパス内に取り残された。3人が目を負傷、応急処置のボランティアの大半が拘束あるいは連行されたという。

同大の学生代表、オワン・リ氏は18日未明に記者団に対し、学内に残っている人数は分からないとした上で、流血の事態を避けるよう訴えた。

リ氏は学生と職員が安全にキャンパスから離れる「解決策があると心から望んでいる」と述べた。

一方、中国共産党機関紙・人民日報は1面で、香港の将来と主権に関連する問題については妥協や譲歩の余地はないと論評した。香港の混乱はその統治システムの改善が必要かつ急務であることを浮き彫りにしているとした上で、中国は「一つの中国」政策に挑戦する者を許さないと強調した。

週末はデモ隊がレンガや火炎瓶などを警察に投げつけ、催涙ガスや放水車で警官が応じるなど大規模な衝突が見られた。警察のメディア連絡官が脚に矢を受けたほか、街頭を清掃していた住民はデモ隊から火炎瓶を投げつけられた。

中国の人民解放軍の兵士らは16日、駐留施設から出て清掃活動に参加するという異例の行動を取った。これについて一部では、中国が香港に対する統制を強化するものだとの懸念が強まった。

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