楽天回線がつながる/つながらないところ 都内と近郊で試して分かった
楽天モバイルの無料サポーターになってから2週間がたちました。本来なら約5000人だけが使える楽天回線をとことん使い倒したいところですが、あいにく以前から予定していた入院と重なり、3日ほど出歩けない状態になってしまいました。病院は六本木にあり、筆者の病室は4階でした。
ありがたいことに、病院内は楽天回線にばっちりつながり、MacBookをネットにつなぐためにテザリングが大活躍しました。ちなみに、病院内では下り60Mbps、上り40Mbpsくらいの速度で利用できました。無料サポーターですから、テザリングも無料です。
おかげさまで手術は成功し、退院後の自宅療養を経て、10月27日(日曜)から自由に動ける身体に戻りました。その後、都内のあちこちに足を運んで、楽天モバイルのMNO回線がつながるかどうかを試しています。既に基地局が設置されている東京23区内だけでなく、神奈川県川崎市、埼玉県和光市、千葉県市川市など、東京に隣接する地域にも足を延ばしてみました。
●渋谷、新宿、池袋などの繁華街では?
渋谷は開発途中にある東口側で、通信品質をチェックしてみました。どの周波数帯につながっているかは「Net Monitor」というアプリを使いました。地下にある副都心線の駅では楽天回線にはつながらず、au回線にローミングされましたが、地上に上がると楽天回線に切り替わりました。通信速度は、下りが20~40Mbps程度で、上りは50Mbps前後出ることが多かったです。
商業ビルのヒカリエに入り、オーブという劇場がある11階まで上ってみました。ビルの中でも、楽天の電波をキャッチすることを確認できました。アンテナもフル表示で通話も支障なくつながりました。
新宿では東口に出て、ビックロや伊勢丹(本館)の中でも電波状況をチェック。JR新宿駅の周辺では、何と下り90Mbpsを超えるスピードを記録しました。人出が多い日曜の午後でしたが、筆者の近くに楽天の無料サポーターはいなかったのでしょうね。高速回線を独占できたようです。
ビックロでは、どのフロアでも楽天の電波をつかみました。ただし地下1階ではアンテナ表示が2本になり、通信速度が著しく落ちました。それでも電話はつながりました。GUがある7階まで上がってみたところ、アンテナはフル表示にならないものの、ブラウザの利用に困らない程度の速度は得られました。屋内にも、しっかり基地局が設置されているようです。
しかし伊勢丹に入ると、途端に楽天回線への接続が弱くなりました。「Net Monitor」アプリで確認したところ、一応、楽天回線につながっていたようですが、場所によっては電話を発信できないことも。エスカレーターで階上へ。5階に上がったあたりでau回線に切り替わりました。
その後は安定してau回線につながり、7階で通信速度を測定したところ、下り60Mbpsを超えるスピードを記録しました。再びエスカレーターで降りてみると、1階に降りたところで、au回線から楽天回線に切り替わりました。恐らく、伊勢丹の館内ではauにローミングされるものの、地上に近い場所にいる場合は、楽天回線につながるのだと思われます。ちなみに、ネットワークが切り替わる場合、通話はいったん切れてしまいます。
池袋は、西口でチェック。駅の周辺では、途切れることなく楽天回線につながり、通信速度は上下ともに30~50Mbpsといったところでした。特に池袋西口公園、東京芸術劇場の近くでは高速でつながりました。
●意外な場所で、突如圏外になることも……
最近は、外国人観光客にも人気があるという「谷根千」周辺も歩いてみました。屋外では安定して楽天回線につながりましたが、下り速度は20~30Mbpsといったところ。上り速度は50Mbpsを超える場所もありました。大手キャリアの回線は、アップロード速度の上限はやや低めに設定されていますが、楽天回線は今のところ、上りもビュンビュン出ます。SNSに写真や動画をアップすることが多い人にはよさそうです。
しかし、休憩のために入ったカフェでは圏外になりました。路面店でも建物の奥に入ると、電波をつかめなくなるようです。1800MHzでは、そんなに回り込めないのかもしれませんね。後発キャリアとして仕方がないことでしょうが、700~800MHzのプラチナバンドを持つ3大キャリアに比べた場合の弱点になりそうです。
谷根千で最も活気がある谷中銀座にも行ってみました。観光名所でもあるし、問題なくつながるだろうと思っていたのですが、「夕やけだんだん」という階段あたりで、突如圏外になってしまいました。au回線に切り替わることもなく、電話もできない状態に……。ほんの100メートルほど歩くと回復しましたが、23区内にも、こうした基地局と基地局の隙間があるのかもしれません。
筆者は、普段から複数台のスマホを持ち歩いているので、楽天回線の圏外になっても困ることはないのですが、現状は、楽天回線だけにするのは厳しそうです。
●東京近郊のローミングエリアにも足を延ばしてみた
楽天が公表する「自社回線エリア」から、au回線を利用する「パートナーエリア」に出たら、どうなるのか? 気になりますよね。
まずは東急田園都市線で多摩川を越えて、神奈川県川崎市に入ってみました。多摩川を越えて、しばらくすると、au回線に切り替わりました。渋谷から乗って、二子玉川駅の次の急行停車駅である溝の口駅で降りてみました。JR南武線と重なる利用者が多い駅なので、もしかしたら、既に楽天のネットワークが稼働しているのでは? と期待したのですが、auの800MHzを利用するキャリアアグリゲーションの回線につながりました。
さらに進んで、たまプラーザ駅に行くと、Net Monitorの画面に「L1800」という表示が出ました。これは、楽天回線につながったということでしょう。東京23区外でも、基地局の整備が進められているのだと思われます。
次に、東京メトロ副都心線に乗って、池袋から埼玉県和光市へと向かいました。和光市駅に着くと、au回線に切り替わるのかと思いきや、Net Monitorには「L1800」という表示。しかし電波は不安定で、電話も発信できません。改札を出ると、圏外になったり、アンテナが1~2本しか立たないことも……。楽天のエリアマップを確認したところ、和光市駅の周辺は、楽天回線もau回線もつながらない空白エリアになっていました。なお吉祥寺駅周辺も、今のところ空白エリアになっているようです。
江戸川を越えて、千葉県にも入ってみました。JR総武線の秋葉原駅から市川駅に向かいましたが、秋葉原駅では楽天回線につながり、下り49Mbps、上り45Mbpsを記録。江戸川の手前の小岩駅も楽天回線で、下り51Mbps、上り29Mbpsという高スピードを記録しました。江戸川を越えて市川市に入ると、ネットワークが切り替わりました。市川駅ではau回線につながって、通信速度は下り16Mbps、上り11Mbps。想定通りの結果でした。
●結論:現状の楽天ネットワークは、単独回線での利用は不安
楽天のMVO回線は、東京23区はほぼ網羅できているものの、まだ、所々に隙間があるようです。建物内に入ると圏外になってしまうことも少なくありません。地下鉄や大きな商業施設などでは、au回線にローミングされるようですが、ローミングされない場所では、電話もメールもつながらない状況に陥ってしまいます。全国へのエリア拡張と同時に、隙間をどう埋めていくかも今後の課題になるでしょう。
本格的なサービスが始まる2020年春に、どこまでサービスエリアが拡張されるかは分かりませんが、しばらくの間はつながらない場所が生じることは覚悟するべきでしょう。ただし通信速度に目を向ければ、今のところMVNOよりも圧倒的に速く、大手キャリアよりも速いスピードを得られる場所が多い印象です。SIMを2枚挿せる機種を使って、予備の回線も併用できるようにするのが賢明でしょう。
