岐阜県産の高級柿「天下富舞」 価格は2個で70万円 そのワケは“糖度”
2個70万円の金額で競り落とされた、岐阜県産のブランド柿「天下富舞」。一体どんな柿で、誰が落札したのでしょうか?
10月25日午前6時ごろ。愛知県豊山町の名古屋市中央卸売市場北部市場には、朝早くから多くの人が集まっていました。
今が旬の“柿”。岐阜県産のブランド柿、「天下富舞」の初競りが行われていたのです。
「50万!50万!」(市場関係者の声)
50万円から開始とは、一体どういうことなのでしょうか?
3年前、初めて競りに出された、天下富舞”。この時競り落とされた価格は当時、柿としては国内最高の30万円でした
そして、おととしと去年は、なんと50万円。50万円がこれまで柿の国内最高価格となっていました。そのため、50万円が競りのスタートの基準となっていたのです。
岐阜県が開発した柿の新品種「ねおスイート」。このうち、基準を満たしたもののみが、天下富舞として売られています。
その中にもランクがあり、最高ランクの“天下人”は、通常の柿の糖度が15度程度なのに対し、糖度が25度以上のものしか認めていないのです。
さらに、天下富舞は天候に左右されやすいなど栽培の難しさもあり、希少価値が生まれているといいます。
「今年は天候があまりよろしくない中、この柿にもかなり神経を使った。去年以上に味や糖度ののりはよかった」(天下富舞の生産者 加藤一美さん)
今年の出来は上々。会場には、天下富舞の高値更新を応援しようと、岐阜県の古田肇知事の姿が。
「フランスではマクロン大統領がひいきにしているレストランのシェフが天下富舞の味に大変感激していた」(岐阜県 古田肇知事)
岐阜県では、天下富舞を海外にも売り出そうとしていて、これまでスペインやフランスや香港で、PR活動を行ってきました。
海外も注目する天下富舞の初競り。今年はとんでもない値段がついてしまいました。
3年連続で最高ランクの柿を競り落としているのは、市場で果物の仲卸を行う、丸進青果の佐々雅次さん。
「去年の値段が50万円ですので、その辺りでというお願いが(客から)あります」(佐々雅次さん)
昨年と同じく、50万円を想定しているといいますが、果たして…。
「50万!50万!」
「60万!」
「70万!」
なんと、70万円!去年よりも20万円高く、柿の最高値を2年ぶりに更新しました。
「一発で落としたいなと思い、70万を出しました。かなり高い金額ですが、ご祝儀ということで奮発しました」(佐々さん)
そして、高級柿を乗せた車が向かったのは、佐々さんに仕入れを依頼した「松坂屋名古屋店」内の果物屋「フレッシュワン」。
受け取ると早速、きれいに見せるためのディスプレイづくりに取り掛かりますが、担当者は急きょある作業に追われました。
「50万円でいけると思ったんですが」(フレッシュワン 小島久明さん)
去年と同じ50万円の想定だったため、値札を作っていなかったのです。軽減税率の対象のため、店での販売価格は75万6000円(税込)。
一体なぜ、高級柿を販売するのでしょうか?
「情報発信ですね。地域の特産物を知っていただきたいのが一番。売れるといいですけど、ちょっと難しいかな」(松坂屋名古屋店 早瀬篤志さん)
この高級柿について買い物客は。
「柿一個がこんなにするのかと。全然手が届かない。買えません庶民には」(客)
こちらの百貨店では、おととし、去年とも購入する客は現れていないということです。
果たして今年は購入者が現れるのでしょうか?
