川崎・通り魔事件、川崎襲撃事件、確保の男も死亡、18人刺され、女児と男性死亡

18人刺され、女児と男性死亡 川崎襲撃、確保の男も死亡

 28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の公園近くの路上で、男が私立カリタス小学校(多摩区)のスクールバスを待っていた児童らを次々と刃物で刺した。神奈川県警や搬送先の病院によると、児童16人と大人2人の計18人が刺され、うち小学6年の女児(11)と、別の児童の保護者とみられる男性(39)が死亡した。ほかに小1などの女児2人と40代女性1人が重傷。男は50代で、自分で首付近を刺した後身柄を確保されたが、死亡が確認された。県警は殺人事件として捜査し、所持品などから男の身元の特定を急いでいる。

 現場は、登戸駅から北西のマンションなどが立ち並ぶ一角。

「首から血を流した女の子が…」 川崎・通り魔事件で目撃者が語った阿鼻叫喚の現場〈週刊朝日〉

 通勤通学で使うバス停付近に突然、通り魔が現れ、血を流した多くの人が倒れ、「阿鼻叫喚」の現場となった。川崎市多摩区のJR登戸駅近くで児童らが次々と刺され、小学6年の女児と39歳の男性が死亡。

 刺した男も自ら首を刺し、搬送先の病院で死亡が確認された。事件直後に現場にいた目撃者らの話を現場からリポートする。

 現場近くに住む無職の斉藤隆司さん(67歳)は、「台所から覆面パトカーがビュッと通るのが見えて現場に行くと、胸から背中にかけて血を流して仰向けに倒れている男性が見えた。サラリーマン風で30歳ぐらい。顔が自分の方を向いていて、目が合って、次に進めなかった。呼吸している感じはなかった」と話す。また倒れて救命措置を受けている女性がいて、救急隊員が「もうすぐ着くからがんばって」と声かけていたという。

 そのうち、コンビニからスカートに血がべったりと付いた女の子が出てきた。小学5、6年生ぐらいで、見た感じは冷静。泣いてはいなかった。

 現場近くに住むアルバイトの松本拓也さん25歳は、女の子の悲鳴が聞こえて外に出た。コンビニのわきの路上には、白いYシャツを着た20~30代の男性が血を流して倒れており、コンビニの反対側には、首をおさえながら血を流してうずくまっている女の子が一人いた。その近くで4、5人の女の子が集まって泣きながら立ち尽くし、近くの病院の人たちが応急処置をしていた。

 松本さんは、「バス停のバスが停まる路上に男が倒れていた。首を切られた感じだった。丸刈りの後頭部が見えて、上は黒のTシャツ、下は黒の長ズボン。体格が良くて色黒。警察官が囲むように立っていて、ほかの倒れた人らと対応が違ったので犯人かと思った」。

 現場近くの男性(60代)は、「駐車場の路面に血が広がっていた。つい目を背けてしまった。まっすぐ見れるものじゃなかった」。60代女性は、「どうしたらいいのかわからない、という表情で刺されていない小学生たちが青い顔をして座っていた。私もパニックになって周りを見る余裕がなかった」。

 捜査関係者によると、身柄を確保されたのは51歳の男。事件前に現場近くの公園にいたホームレスの男性が「ぶっ殺してやる」という男の叫び声を聞いていた。現場からは包丁2本が見つかっているという。

(本誌・緒方麦、田中将介、羽富宏文)

女児に深い刺し傷「どうしても命救えず残念」 病院会見

 川崎市多摩区の公園付近の路上で28日朝、小学生らが刺された事件で、5人が搬送された聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区)の平泰彦副院長と大坪毅人副院長が同日午前11時から記者会見した。

 平副院長は、5人のうち50代の男性が死亡し、40代女性1人と小学生女児3人が重傷だと説明。主に首と上胸部、顔に鋭利なものによる切り傷や刺し傷があったという。けがをした4人は治療中だが、いずれも会話は可能だという。

 死亡した女児(12)と男性(39)を含む4人が運ばれた日本医科大学武蔵小杉病院(川崎市中原区)では、28日正午から田島廣之院長と松田潔副院長が会見した。

 松田副院長によると、同病院からは救急車2台に医師と看護師が1人ずつ乗って出動。現場に医師らが到着した時、女児はすでに心肺停止状態だった。右鎖骨部から首の左側にかけて深い刺し傷が1カ所あり、蘇生措置をしながら搬送したが、午前10時27分に死亡が確認された。

 男性は首の前側と左の鎖骨部と背中2カ所の計4カ所に刺し傷があった。医師らが到着した時点で心肺停止状態で、現場で蘇生措置を始めたが、午前11時25分に死亡が確認された。

 ほかに搬送された6歳の女児2人は顔や手に切り傷を負っていたが、命に別条はないという。

 松田副院長は「犯人に激しい怒りを感じている。被害者には同情の念を禁じ得ない。どうしても命を救えず残念な気持ちでいっぱいだ」と話した。

 川崎市立多摩病院(川崎市多摩区)には6~12歳の子ども計5人が運ばれた。病院によると、1人が肩を切られており、手術を受けたが重傷ではない。ほかの4人は軽傷という。

川崎襲撃事件「子供自身が身を守るのは不可能」 安全確保に課題

 学校に通う子供たちがまた狙われた。学校現場は安全確保に努めてきたが、事件は後を絶たない。子供たちをどう守るのか。あらためて問われている。

 子供の安全に詳しい大阪教育大学教育学部の小崎恭弘准教授(保育学)は、「過去の犯罪でも、こうした場合に子供自身が身を守るのは不可能だ」と指摘。「今回の事件が悪意を持って子供を狙ったのかどうかは分からないが、社会の中で脆(ぜい)弱(じゃく)であり、判断力が弱い子供が被害に遭うケースは多い」と話した。

 平成13年6月に発生し、今年で事件から18年となる大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件などをきっかけに、学校の安全対策は強化。地域住民やPTAなどによる通学路の見守り活動も増えている。

 ただ、小崎准教授は「それだけですべての子供を守るのは難しい」と強調する。

 米国などでは小学生でも親が送迎しているとして、「今回の事件は、日本社会の安全神話が崩れていることを示す象徴的な事件。親が送迎することも含め、私たちはこうした現実に立ち向かわなければならない」と話していた。

 また、セコムIS研究所(東京都三鷹市)の舟生岳夫主務研究員(50)も「(周囲の大人や子供に)危険な兆候を見逃さないセンサーの感度がどれだけあるかで多少は違うかもしれないが、事件を防ぐのは非常に難しい」と語った。

 子供を持つ家庭で、できる対策にはどんなことがあるのか。舟生研究員は「保護者が『子供を取り巻く環境に絶対安全はない』と認識し、もう一度、自分たちの通学路で起こりうる危険について家庭で話し合ってほしい」という。

 さらに、「子供が『あれ?』と思う違和感が少しでもあれば速やかにその場を離れるなど、具体的に身を守る方法を教えた方がいい」とも話していた。

「ぶっ殺してやる」 現場に響く男の声 子供らは言葉失い立ち尽くす 川崎殺傷事件

 いつも通り、学校へ向かおうとしていた児童が突然の惨劇に見舞われた。川崎市の路上で28日午前、児童らが男に刃物で襲われ、多数の死傷者が出た事件。「ぶっ殺してやる」。男はそう叫んでいたという。子供らはおびえた様子を見せ、呆(ほう)然(ぜん)と立ち尽くした。「一体何が…」。血だまりが残る現場には衝撃が走った。

 「娘の洋服は血がべったりつき、帽子やバッグも血まみれだった」。現場で襲われたという私立カリタス小1年の女児(6)の父親(46)は声を震わせた。

 父親によると、女児はスクールバスの集合場所で襲われた。午前8時40分ごろに救護場所に駆けつけると、女児は切られた唇を治療中だったという。命に別条はなかったが、会話できるような状態ではなかった。周囲には横たわる子供や大人がいて、泣き声も上がっていたという。「とにかく病院に急ぎたい」。父親は足早に現場を後にした。

 「ぶっ殺してやる」。現場周辺の公園にいた男性(57)は事件前後、容疑者とみられる男の興奮したような大きな叫び声を聞いたという。

 別の住民の男性(67)によると、現場近くのバス停は、カリタス小の通学バスの集合場所になっており、毎朝、多くの児童が集まっていた。多数のけが人を目撃したといい、「一体何があったのか…」と不安そうに語った。

 近所に住む別の男性(52)は午前8時ごろ、けたたましいサイレンの音で自宅を飛び出した。現場近くのコンビニエンスストア前で、路上に横たわる負傷者を目の当たりにした。女性が救命措置を受けていたが「出血が激しく、周辺が血の海のようになっていた」。

 女性のそばには、足と腕を負傷した児童が座り込み、手当を受けていた。近くの路上ではスーツ姿の男性が倒れ込み、心臓マッサージを受けていた。別の男性もぐったりして、あおむけに倒れ、救急隊が必死に声をかけながら治療していたという。

 現場から100メートルほどの場所に住む40代の女性は「バス停の前でスーツ姿の男性が倒れていて辺りが血だらけだった。意識はないようだった。周りには子供たちが20~30人くらいいて、泣き叫ぶわけでもなく言葉を失って突っ立っていた」と話した。

全国で登下校の安全確保を 首相、文科相らに指示

 安倍晋三首相は28日、川崎市で女子児童らが襲われた事件を受け、柴山昌彦文部科学相と山本順三国家公安委員長に対し、全ての小中学校における登下校時の安全確保と、事件の迅速な全容解明を指示した。柴山、山本両氏が官邸で首相と面会後、記者団に明らかにした。

 首相は柴山氏らに「社会の不安を払拭するため、できることは迅速に、何でもやるという気概で臨んでほしい」と求めた。

 菅義偉官房長官は政府与党協議会で「子供の安心、安全について政府はいま一度見直し、児童、生徒の安全に力を注ぐ」と述べ、政府として再発防止に取り組む姿勢を強調した。

首相「何としても安全守る」 川崎の児童襲撃事件

 安倍晋三首相は28日、川崎市多摩区で児童らが刃物を持った男に次々と刺され18人が死傷した事件について「大変痛ましい事件で、幼い子供たちが被害に遭ったことに強い憤りを覚える。子供たちの安全を何としても守らなければならない」と強調した。官邸で記者団に答えた。

安倍総理「登下校の安全確保について関係閣僚に指示」川崎の18人刺傷事件受け

 川崎市多摩区で小学生ら18人が刺され女の子と39歳の男性が死亡、身柄を確保された男の死亡も確認された事件で、安倍総理は記者団の取材に「大変痛ましい事件であり、幼い子どもたちが被害に遭ったことに強い憤りを覚えます。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆さまに心からお悔やみを申し上げます。そして被害に遭われた方々に対してお見舞いを申し上げます。子どもたちの安全を何としても守らなければなりません。先程、関係閣僚に対して、子どもたちの登下校時の安全確保について早急に対策を講ずるよう指示いたしました」とコメントした。

トランプ氏「哀悼の祈りをささげたい」 川崎殺傷事件に

 トランプ米大統領は28日、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地に停泊する護衛艦「かが」の艦上での演説で、28日朝に川崎市多摩区で起きた児童らの殺傷事件について触れ、「被害者に哀悼の祈りをささげたい。すべての米国民は、日本国民とともに、被害者の家族に哀悼の念を表したいと思う」と述べた。(青山直篤)

小柳ルミ子 川崎・登戸通り魔事件に「許せない!許せない!許せない!」

 歌手の小柳ルミ子(66)が28日、自身のブログを更新。この日川崎市の小田急線登戸駅周辺で、通学のバスを待つ小学生ら十数人が刃物で刺され、女子児童ら2人が死亡した事件について「許せない」を連発し、怒りをにじませた。

 小柳は「又、信じ難い事件が起きた」と事件について言及。事件の速報を詳細につづり、「何故、この様な痛ましい 無差別な事件を起こすのだろうか。この容疑者の男は一体どう言う人物なのだろうか。どう言う育ち方をして来たのだろうか。社会に何の恨みがあるのだろうか」と疑問を投げかけ、「胸が張り裂ける!哀しくて、悔しくて、ご家族、ご遺族の方々の気持ちを思うといたたまれない」と記した。

 さらに「許せない!許せない!許せない!」と怒りを連呼。「容疑者の男死亡により真相は明らかにされないのか…心の病んだ人の何と多い事か」と嘆き、「病院に搬送された方々のご無事を祈ると共に亡くなった女児とそのご遺族の皆様心よりお悔やみ申し上げます」と締めくくった。

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