幻冬舎・見城社長が出版中止作家の「部数さらし」のち謝罪 同業者から集中砲火「完全に一線越えてる」
作家の津原泰水さん(54)が、幻冬舎のベストセラー「日本国紀」を批判したところ、同社から刊行予定だった文庫本の出版が取りやめになった問題で、同社の見城徹社長は16日、本の文庫化について「僕は反対していた」「実売1800部もいかなかった」などとツイッターに投稿した。見城社長は投稿を削除したが、非公表の「実売部数」を公にしたことに、作家などから「作家に対する敬意はゼロなのか」「編集者のモラルにもとる」など、厳しい批判が相次いでいる。
問題のツイートは、見城社長が文庫化取りやめについて、同社ではなく、津原さんから持ちかけられた、と主張する一連の投稿の一つ。同社が出した津原さんの1冊目の本について「僕は出版を躊躇(ためら)いましたが担当者の熱い想(おも)いに負けてOKを出しました。初版5000部、実売1000部も行きませんでした」と書いた上で、文庫化が取りやめになった2冊目の「ヒッキーヒッキーシェイク」について、「僕や営業局の反対を押し切ってまたもや担当者が頑張りました。実売1800でしたが、担当者の心意気に賭けて文庫化も決断しました」と記した。
この投稿に、作家や編集関係者が激怒。「君の膵臓をたべたい」などのベストセラーで知られる住野よるさんは「幻冬舎の担当さんは大好きだけど、幻冬舎は好きじゃない」とつぶやき、ミステリーファンに人気の高い葉真中顕さんは「版元の社長が揉(も)めてる作家の著作の部数を実売込みで公開するとか、完全に一線越えてる。作家の言い分への反論だとしても、こんなやり方はない」と批判。文芸評論家の杉江松恋さんも「見城さん、これはひどいや。あなたの会社で本を出す気持ちになった作家に対する敬意はゼロなのか」と続いた。高橋源一郎さんが「『個人情報』を晒(さら)して『この人の本は売れませんよ』と触れ回るなんて作家に最低限のリスペクトがあるとできないはずだが」と怒りをあらわにすれば、思想家で著書も多い内田樹さんは「やはりここまで来たら、日本の作家は『幻冬舎とは仕事をしない』ということを宣言すべきだ」とまで訴えた。
一連の批判を受け、見城社長は17日になって問題の投稿を削除。「編集担当者がどれだけの情熱で会社を説得し、出版に漕(こ)ぎ着けているかということをわかっていただきたく実売部数をツイートしましたが、本来書くべきことではなかったと反省しています。そのツイートは削除いたしました。申し訳ありませんでした」と陳謝した。
幻冬舎社長が特定作家の「実売部数」公表で謝罪 ツイート削除
幻冬舎代表取締役社長の見城徹氏(68)が17日、ツイッターを更新した。
見城氏は構成作家の百田尚樹氏(63)とトラブルになっていた作家・津原泰水氏(54)の著書の実売部数をツイッター上に公表した。
見城氏自身は出版に反対だったものの、担当者の熱意に押され出版したが、結果はこのありさま…と言いたげな内容だった。
しかし、出版社が特定の著者の実売部数を公表するのはタブーといえる。当然、個人情報を預ける作家や関係者から批判が殺到した。
「幻冬舎とは仕事をしない」といった撤退宣言まで出ていた。
見城氏は「編集担当者がどれだけの情熱で会社を説得し、出版に漕ぎ着けているかということをわかっていただきたく実売部数をツイートしましたが、本来書くべきことではなかったと反省しています。そのツイートは削除いたしました。申し訳ありませんでした」と深く謝罪した。
